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"結婚式当日「新婦が救急搬送」私、ここにいますけど?" 第9話

スマートフォンの着信

父は現役の刑事だ。健の父も同じく刑事で、い付きいがある。は控に並んでち、健を見ていた。父は声を荒らげなかった。ただ、落ち着いた声で尋ねた。

「昨夜から今朝まで、どこにいた?」

「友とんでいました」

「誰と、どこので?」

健は答えに詰まった。健の父親が歩にる。

「ここにいる全員が納得できるように説しなさい」

控にいたスタッフも、母も、私も、黙って健を見た。廊の向こうでは、招待客が集まり始めている。結婚式の朝とはえない空気だった。

「本当に友とんでいたんだよ」

「それなら、友の名を言えるよね」

私が尋ねると、健は目をそらした。

「酔っていて、よく覚えてないんだ」

「み始めるから酔っていたの?」

「そういう言い方をするなよ」

健は、苛った声をした。私はドレスの裾を握りしめたまま、彼を見ていた。何も付きってきたが、こんな顔をするのを初めて見た気がした。

そのとき、健のスマートフォンが鳴った。画面がこちらを向いていて、着信相の名が見えた。

「あいちゃん」

私も母も、その名を見た。健は話にるか迷っているようだった。

「て」

私が言うと、健は首を振った。

「今はられない」

「病院にいるがあなたを呼んでいるんでしょう? たほうがいいんじゃない?」

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健の父親が、彼のからスマートフォンを受け取った。父はスピーカーに切り替えて、話にた。

「けんちゃん? お願い、く来て。私、病院に運ばれたの。式のにも連絡したんだから、もう分かってるよね?」

話の向こうから、女性の声がした。腹痛がひどく、病院で診てもらったらあたりらしい。昨夜、ホテルでべたものが悪かったのかもしれないと言っている。

「族にはられたくないの。けんちゃん、く来て」

女性のぶりは、健が来るのを当然のように待っている。話の向こうで「結婚式なんかしているじゃない」と言われたとき、健は目を閉じた。

「誰なんだ、このは」

健の父親がい声で尋ねた。

話の女性は、健と同じ学に勤めていることまでにした。周囲にはられたくないと言いながら、「同僚の健ちゃんにをされた」と学のに話すとも言った。

話はそこで切れた。控には、誰もすぐに言葉をせないがあった。

私は健のにった。

「このと、いつから付きっているの?」

健は何も答えない。

「答えて」

「……くらいから」

私は度、息を吸った。健はそのも私と暮らし、結婚の話をしていた。打ちわせに来られない理由も、私に言っていたことも、全部本当だったのだろうか。

「、ごめん」

「ごめんで済むとってるの?」

健はうつむいた。彼は何も説できなかった。もう、説など必ないようにえた。

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