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"新婚旅行に便乗する義母を空港に残した結果" 第1話

スーツケースのの義母

「みちるさん、私のチケットは?」

婚旅の発当、義母の恵子さんから話がかかってきた。朝から何度も着信があったけれど、私はそのたびにスマートフォンを伏せていた。夫の健も、隣で同じように画面を見ないふりをしている。

「聞こえてる? 空港にいるのよ。に乗るんだから、く私のチケットを買ってちょうだい」

「買いません」

私は、できるだけ落ち着いた声で答えた。

「どうしてよ。せっかくの婚旅なんだから、族でったほうが楽しいじゃない」

「婚旅は、健さんとできます」

話の向こうで、恵子さんがきく息をついた。まるで、こちらがわがままを言っているかのような反応だった。

「もういいわ。あなたたちがでくのは分かってるんだから。現で流するわね」

「待ってください。流しませんから」

返事を聞くに話は切れた。健は、助席で疲れた顔をしている。

「き先も、も、どうしてってるんだろう」

「昨、私が台所で話したのを聞いてたんじゃないかな。お母さん、気配を消すのだけはだから」

「それ、褒めてないよね」

健は苦笑した。私は笑えなかった。恵子さんは、結婚から何かにつけて私たちの予定に入りたがるだった。週末の買い物も、も、で決めたことなのに、気づけば「私もくわ」

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と話に加わっている。

婚旅の予定をてたときも、最初は「阪なら私もきたい」と言われた。私たちは、夫婦でく旅だと説した。恵子さんはそのでは「そうよね」と笑っていたが、納得したようには見えなかった。

それでも、き先ものも伝えていない。空港に先回りされるとはわなかった。

「お母さん、でくとってるよね」

「うん。だけど、俺たちが乗るのは夜バスだ」

健がそう言うと、私はようやく息をついた。私たちは空港へ向かっているのではない。阪へ向かう夜バスがる、駅のバスターミナルへ向かっている。

恵子さんは、空港で私たちを待っているはずだ。話にもず、チケットも買わず、夜バスで先に発する。それが今回、私たちが決めたことだった。

バスターミナルのかりが見えてきた。私はスマートフォンをもう度確認した。恵子さんから、また着信が入っている。

「ねえ、みちるさん。着いたら連絡する?」

「しない。婚旅は、でこう」

「そうだね」

健はを見たまま答えた。私は画面を消し、かばんにしまった。

そのとき、まだ気づいていなかった。恵子さんが、私たちのスーツケースにとんでもないことをしていたのを。

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