"義母が倒れたと伝えたら、義兄嫁は葬儀を楽しみにした" 第4話
「タダで送って」図々しいおねだり
田舎の暮らしを散々バカにしていた美さんでしたが、結婚してしばらくすると、信じられない求をしてくるようになりました。
「農っていいですよね。だって、野菜がタダでに入るんですから」
美さんは話で、当然のような調で義母にそう言いました。 私たちはこの野菜を売って計をてているのであり、決してタダで湧きているわけではありません。
けれど、美さんはそんなことにお構いなしでした。
「お義母さん、うちの子どもたちに無農薬の全な野菜をべさせたいんです。 定期にダンボールいっぱいに詰めて送ってくださいよ。 都会は物価がくて、スーパーで野菜を買うのも変なんです」
義母は優しいでした。 くで暮らす孫たちのぶ顔が見たいで、「いいよ、送ってあげるよ」とく引き受けました。
それからというもの、義母は週に度のペースで、きな段ボールに旬の野菜をぎっしり詰めて送り続けました。 採れたてのキュウリ、ナス、トウモロコシ、枝豆。 それらをすべて無料で、しかも額なクール便の送料までこちら持ちで送っていたのです。
しかし、美さんの図々しさはエスカレートする方でした。
「お義母さん、私、トマトが好きなんですよ。
広告
美容にもいいですし。 だからピーマンとかナスはいらないんで、くて甘いトマトだけを箱いっぱいに詰めて送ってください。 スーパーで買うといので、節約したいんです」
義母が塩にかけて育てたの野菜を「いらない」と切り捨て、のかかるトマトだけを求する傲さ。 義母が「今ちょうど旬だから、たくさん入れておくね」と答えると、美さんはこう言い放ちました。
「さすが田舎ですね! 畑にけば捨てるほどあるんですもんね! タダで野菜がもらえることだけは、徹さんが田舎で本当によかったっています!」
畑の野菜を「捨てるほどある」と言われたとき、私の拳はりで震えました。 差しの、腰を痛めながら毎本本の入れをしている義母の苦労を、このは何つ分かっていないのです。
末始に義兄が帰省してきたときも、美さんの勝さは変わりませんでした。
い荷物をドサリと居に放りすと、座布団のに寝転がり、テレビのリモコンを独占しました。 「田舎はテレビのチャンネルがなすぎて退屈だわ」
台所にって料理の伝いをすることなど、度もありませんでした。 それどころか、私が何もから仕込んだおせち料理にケチをつけました。
「えー、お正なのに伝統なおせちとお餅だけ? 芸がないわね。
子どもたちがべにくいじゃない。のオードブルとか、唐揚げやハンバーグを用してよ。 あと、私にビールとワインもやしておいてね」
文句ばかり言いながら、揚げたての唐揚げを真っ先につまみいし、宴会が始まれば誰よりもくお酒をみ干して、子どもたちを義母に押し付けて寝へ引きげていく。 そんな勝な振るいを、私たちは「に度のことだから」と耐え忍んでいたのです。
広告
おすすめ作品
-
完結第12話
戸籍の中のもう一人の妻
海外赴任中の夫・健太に頼まれ、横浜の区役所を訪れた結衣。ところが戸籍の配偶者欄には、見知らぬ女性の名前があった。しかも婚姻日は、結衣が入院した母の看病に追われていた去年の夏。七年間信じてきた夫は、イギリスで別の女性と暮らしながら、日本では何食わぬ顔で優しい夫を演じ続けていた。さらに、二人で貯めたお金まで使われていたことが分かる。結衣は夫を問い詰めず、静かに証拠を集め始めた。夫が積み重ねてきた嘘を、彼女はどう暴いていくのか。人生逆転|裏切られた|夫婦|絶縁|不倫1.3万字5 3 -
完結第12話
義妹の荷物40箱を拒否したら、夫の勝手な約束が発覚
五十六歳のかず子の家に、義妹が経営するネットショップの商品が突然四十箱も届いた。預かると聞いていたのは小さな荷物だけ。受け取りを断ると夫は激怒し、かず子が大切にしている二階の六畳間を倉庫にすればいいと言い放つ。そこは、三十年以上家族を優先してきたかず子が、ようやく手に入れた自分だけの場所だった。さらに翌朝、配送会社から渡された書類には、身に覚えのない集荷予定と自分の名前が。夫と義妹は、かず子に何をさせるつもりだったのか。裏切られた|兄弟姉妹|夫婦1.8万字5 24 -
完結第12話
「寄付は千円ぽっち」笑われた老夫婦の30年の秘密
町内会の夏祭りで、寄付が千円しかないと笑われた68歳の静子。古い自転車に乗り、夫の勉と慎ましく暮らす彼女は、婦人会長から「ケチな人」と見下され、記念式典の受付役まで外されてしまう。それでも静子は言い返さない。夫婦には、30年間、毎月15日に欠かさず続けてきた秘密の約束があった。やがて婦人会の記念式典に、育英基金の支援で大学を卒業した青年が現れる。青年が大切に持っていた一通の手紙をきっかけに、会場の空気が思いがけない方向へ変わり始める。人生逆転|夫婦|真実|金銭問題1.9万字5 489 -
完結第12話
150万円を払わせたママ友、次は寿司300万円
夫の昇進祝いで家族とレストランを訪れたひまり。楽しい食事の最後に告げられた会計は、なんと150万円。原因は、顔見知り程度のママ友・ぽて子一家が大量の料理を注文し、勝手にひまりへ支払いを押しつけたことだった。仕方なく立て替えたものの、返金を求めると渡されたのは、まさかのポテトチップスの空袋。しかも数日後、ぽて子は高級寿司店で新たな計画を立て始める。「ママ友なんだから払って当然」と言い張る一家に、ひまりが取った行動とは?因果応報|夫婦|真相|親子関係|金銭問題|修羅場1.2万字5 24 -
完結第10話
離婚して10年、元夫が鍵を替えなかった理由
二十二年間連れ添った夫・正彦の無口さに耐えきれず、四十八歳で離婚したみつ恵。それから十年後、正彦が脳梗塞で倒れたと娘から連絡が入る。入院に必要な荷物を取りに、かつての自宅を訪ねたみつ恵は、返しそびれた合鍵で玄関が開くことに驚く。なぜ十年も鍵を替えなかったのか。部屋には、昔と変わらない食器や、みつ恵が置いていったスリッパが残されていた。やがて見つけた一通の手紙には、二十二年間聞けなかった夫の想いが綴られていた。別れた二人は、もう一度向き合えるのだろうか。夫婦|第二の人生|介護|退職金|熟年離婚1.3万字5 35 -
完結第10話
父の葬儀中「飯を作れ」と怒鳴った夫に、参列者が…
父の葬儀で喪主を務める美穂のもとに、夫・健一から何度も電話がかかってきた。用件は「今すぐ帰って飯を作れ」という身勝手な要求だった。二十年間、夫の暴言と厳しい金銭管理に耐えてきた美穂。父との最後の別れさえ邪魔され、ついに参列者の前で夫の怒声が響き渡る。すると、最後列に座っていた一人の男性が立ち上がった。その人物は亡き父の教え子で、健一とも思いがけないつながりがあった。因果応報|怒り|夫婦|親子関係|修羅場1.6万字5 400 -
完結第12話
結婚23年目、35万円を渡した妻が持ち帰ったもの
結婚23年目、妻の三重が久しぶりに山あいの実家へ帰りたいと言い出した。夫は母親との時間を楽しんでほしくて、35万円を持たせて送り出す。数日後、三重が持ち帰ったのは、古い着物とアルバム、そして母親からの一通の手紙だった。封筒には「今まで言えなかったこと」と書かれていた。手紙を読み進めるうちに、夫は妻が長年胸にしまってきた思いを知る。何不自由なく暮らしていると思っていた23年間。人生逆転|夫婦|相続|第二の人生|親子関係1.2万字5 450 -
完結第12話
姑から受け継いだしゃもじ
昭和33年、山形の農家に嫁いだ19歳のふみ。見合い相手とは一度会っただけで、夫の家には厳しい姑・としが待っていた。朝4時半から始まる家事と農作業。台所も財布も姑が取り仕切り、ふみに自由はほとんどなかった。夫の出稼ぎ、子どもたちの成長、東京オリンピック、農村の暮らしの変化。長い年月を同じ屋根の下で過ごすうち、ふみは厳しい姑の知らなかった一面に触れていく。嫁として生きた女性が、次の世代へ何を残すのか。時代|歴史|昭和|嫁姑|夫婦1.2万字5 196