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"正月、娘を家政婦扱いした義実家――私が下した決断" 第4話

玄関の査定と、消えたお客様扱い

ガチャリと玄関の引き戸をけると、の向こうに腕を組んだ初老の女性がっていました。 賢の母親――姑のトメでした。

「遅いじゃないの。何だとってるのよ」 番、労いの言葉でも歓迎の挨拶でもなく、突き刺すような鋭い叱責がんできました。

「申し訳ありません、お義母さん。速が事故渋滞で混雑していまして……」 私がをげると、姑はあからさまにを鳴らしました。

「末はやることがほどあるんだから、もっとくをればいいだけの話でしょう。段取りが悪い証拠よ」 発を決めたのも、朝寝坊して準備を遅らせたのも、すべて運転していた賢でした。 けれど、姑のたい線は、真っ直ぐに私だけを射抜いていました。

「母さん、腹減ったー! なんかうもんない?」 賢は母親の言を気にする様子もなく、靴を脱ぎ散らかしてスタスタと廊をがっていきました。

「ちょっと、賢! 荷物は!?」 「いのはからろしといてくれよなー」 トランクに積まれた量の荷物を私と美咲に丸投げし、賢はあっというに茶のの奥へと消えていきました。

ため息を押し殺し、私は美咲と緒にい荷物を玄関へ運び入れました。 美咲は緊張で顔を張らせながら、姑のでぺこりとくお辞儀をしました。

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「おばあさん、初めまして。美咲です。よろしくお願いします」 学らしい、精杯の礼儀正しい挨拶でした。

しかし、姑はそのから歩もかず、細めた目で美咲のの先から元までをねっとりと舐め回すように見つめました。 その品定めするような無慮な線に、美咲の肩がピクリと張ります。

「ふーん……本当に連れてきたのねぇ。あなたが、あの『連れ子』ね」 「連れ子」という単語を、まるで汚らわしい異物でも指すかのようなトーンで吐きしました。

「……はい」 美咲の消え入りそうな声を聞いた瞬、私はたまらず娘のにち塞がりました。

「お義母さん、美咲は私の娘です。今から数、お世話になります」 私のい差しに、姑はフンと元を歪めました。

「別に追い返したりしないわよ。女の子なら、しは台所仕事の役につでしょうしね」 歓迎の欠片もない、労働力としての値踏み。

姑は玄関に積まれた私たちの荷物を顎で指図しました。 「その荷物を置いたら、ゆり子さんはすぐに台所へ来なさい。美咲さんは客の座布団を並べて、お茶を配ってちょうだい」

「あの……着いたばかりですし、まずはがって親戚の皆様にご挨拶を……」 「そんなのでいいわよ! 親戚は毎顔をわせてるんだから! ほら、くしなさい!」

無を言わさぬ剣幕で背を向けられ、私たちは顔を見わせるしかありませんでした。

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茶のの襖の隙からは、すでに勢の親戚が集まって酒盛りをしている賑やかな声が響いていました。

賢の兄夫婦やその子どもたち、叔父や叔母らしき親戚が所狭しと座になっています。 賢はそのにどっかりと座り、すでにビールグラスを傾けて笑いしていました。

ふと義兄の妻――義姉と目がいましたが、義姉は気まずそうにスッと線を逸らし、うつむいてしまいました。 部のは、男性陣の声と、タバコの煙、アルコールの匂いで充満していました。

私たちが挨拶をする隙など、最初から用されていなかったのです。 荷物を隅の納戸へ押し込むと、私はエプロンを締め、美咲のえ切ったをキュッと握りしめました。

「丈夫だからね、美咲」 「うん、お母さん……」

そうに頷く娘を連れて、私たちは戦のような台所へとを踏み入れました。

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