"産後の私に義母の世話を押しつけた夫の絶縁宣言" 第3話
私の母に頼めばいい
翌朝、千鶴さんはくから台所にっていた。
「レナさん、お噌汁のがし濃いわね。私、血圧がいの」
「分かりました。次はくします」
「あと、洗濯物は私の分も緒にお願いね。着替えを持ってきたから」
「千鶴さんの洗濯は、ご自分でなさってください」
「何ですって?」
「今は港の授乳と陽向の世話でがせません。洗濯物まで引き受けられません」
千鶴さんは、元を固くした。
「お嫁さんなのに、義母の洗濯もしてくれないの?」
「お嫁さんであるに、産で、の子どもの世話をしています」
「子育てなんて、みんなやってきたことよ」
「そうですね。だからこそ、今の私に無理をさせないでください」
千鶴さんは返事をせず、悠に話をかけた。私は聞こえないふりをして、港を抱いたまま寝へ移った。
しばらくすると、悠から話が来た。
「母さんが、おにきつく当たられたって言ってるぞ」
「昨も同じ話をしたよね。千鶴さんは、伝いではなく泊まりに来ているの」
「母さんはを痛めてるんだよ」
「をひねっただけなら、で休めると言っていたわ。ここでは私に事も洗濯も頼んでいる」
「げさだな。母さんは孫を見てくれているだろ」
「港を抱いたのは、昨、数分だけよ」
「そのに事ができたんじゃないのか」
「あなたは、私のが何本あるとっているの?」
広告
話の向こうで、悠が黙った。
「今、あなたのお母さんに来てもらえないか。母さんがいるんだから、そっちのお母さんも来たらいいだろ」
「私の母に、千鶴さんの世話までさせるつもり?」
「世話っていうほどじゃない。料理をしめに作ればいいだけだろ」
「母は、陽向の迎えと夕を伝う約束だったの。港の授乳に陽向を迎えにき、帰ってから事をべさせてもらう。その、私は港を見て、し休む予定だった」
「母さんがいたら、そんなの必ないだろ」
「あなたは、母に来てもらう必がないと言って断ったのよね」
「そうだよ。母さんが来るから」
「なのに今度は、母を呼んで、千鶴さんの事を作らせるの?」
「そこまで言うなよ。みんなで助けえばいいだろ」
「助けいというのは、に全部押しつけることじゃない」
私は、話を切った。
昼過ぎ、陽向はソファで絵本を読んでいた。千鶴さんは、私に昼の追加を頼んでいる。
「ご飯のおかわりをお願い」
「炊飯器にあります。ご自分でよそってください」
「レナさん、私はを痛めているのよ」
「しひねっただけだとおっしゃっていましたよね」
「そんな言い方をしなくてもいいじゃない」
私は、返事をしなかった。港を抱き、授乳を続けた。
千鶴さんは、悠にまた話をかけた。
「レナさんのお母さんに、私の分も事を作ってもらうよう頼んでちょうだい」
その言葉が聞こえた瞬、私は決めた。
このに、母を呼ぶことはできない。
広告
おすすめ作品
-
完結第15話
15年無給で働いた若女将を追い出した老舗旅館の末路
老舗温泉旅館「鶴の湯」に嫁いで15年。若女将の美里は一度も給料を受け取らず、料理から接客まで休む間もなく働いてきた。ところがある日、義母と夫はSNSで人気を集める若い女性を新しい若女将に迎え、美里を「時代遅れ」と追い出してしまう。長年守ってきた味も、常連客との約束も、彼らには何の価値もなかった。しかし、美里が去った翌朝から、旅館では思わぬ問題が次々と起こり始める。15年間、あの宿を本当に支えていたのは誰だったのか。職場逆転|人生逆転|嫁姑|第二の人生2.2万字5 76 -
完結第15話
離婚半年後、元義母が私の新居を奪いに来た
離婚から半年。十歳の娘ユアと新居で暮らし始めたゆいのもとへ、元義母の智恵子が引っ越しトラックを連れて現れた。「今日から同居ね」と一番広い部屋を使おうとする智恵子は、その家を息子が買ったものだと信じ込んでいた。実際には、ゆいが自分の収入で購入した家だった。離婚の事実を告げても引き下がらず、今度は不倫を疑い始める元義母。さらに、元夫が隠していた裏切りまで明らかになり、ようやく手に入れた母娘の平穏な暮らしが脅かされていく。嫁姑|裏の顔|絶縁|金銭問題|不倫2.0万字5 289 -
完結第15話
正月、娘を家政婦扱いした義実家――私が下した決断
43歳のゆり子は、13歳の娘・美咲を連れて再婚した。しかし、結婚前は優しかった夫の賢二は、家事を押しつけ、娘の食事まで平気で奪うようになる。 迎えた初めての正月。夫の実家へ帰省した母娘を待っていたのは、休む間もない家事と姑からの冷たい仕打ちだった。さらに元旦、親戚の子どもたちがお年玉をもらう中、美咲だけが「他人だから」と仲間外れにされてしまう。人生逆転|嫁姑|夫婦|第二の人生|絶縁|親子関係1.9万字5 371 -
完結第15話
夫の出張中に義両親が居座った――電話で判明した正体
夫の海外出張中、蒼井の家に突然やってきたのは、十年ぶりに顔を合わせる義両親だった。「息子から同居の許可をもらった」と言い張る二人は、家の料理を食べ尽くし、蒼井や娘のメイの服まで勝手に着て破いてしまう。追い出そうとしても、二人は居座るばかり。頼みの夫は電波の届かない場所にいて、連絡も取れない。そんな中、ようやく夫から電話がかかってくる。ところが、蒼井の訴えを聞いた夫は、思いもよらないことを口にした。厚かましい訪問者に振り回された母娘の、騒がしくも痛快な逆転劇。嫁姑|夫婦|絶縁|修羅場1.4万字5 220