"四十九日、電話を切った妻" 第4話
「あなたが私を見し、毎のように傷つけていたに、私は自分のを守る方法を探していたの」
私は次々と証拠を見せていった。
ただし、完璧なものではなかった。削除されずに残っていた写真は数枚だけ。顔がはっきり映っているものはなく、私は苦労してプリントアウトした画像を封筒から取りした。
「この写真は、お母さんの入院に撮られたもの。付を見ると、お母さんが覇斗に会いたいと言っていた、まさにそのよ」
剣造さんの表が段と険しくなる。
「妹が苦しんでいる、おは女と遊んでいたのか」
「これは仕事の付きいだ」
覇斗はで言った。
私はすぐに次の資料をした。
「LINEのやり取りも部見つけたけれど、くは削除されていて、完全ではありません」
私はスマートフォンを相馬に渡した。
「相馬さん、残っている部分だけでも読みげてもらえますか」
相馬は画面を見て、顔をしかめた。
「これは……読むのも嫌な内容ですが」
「お願いします。皆さんにってもらいたいの」
相馬はい息を吐き、画面を見ながら読み始めた。
「『千尋のやつ、まだ気づいてないみたいだ』……そのは削除されているようです。次は、『あいつは本当に使えない』……こちらも文章の途で切れています」
部の空気がさらにくなった。
私はさく頷いた。
「完全なやり取りは復元できなかったけれど、断片に残っているものを見ただけでも、私への侮辱な内容がかったの」
剣造さんの箸が音をてて落ちた。
「覇斗。これは本当におがいたのか」
「らない。そんなものは偽物に決まっている」
覇斗は顔を背けた。
私は領収の束を取りした。全てが揃っているわけではない。現で支払われたものは記録がなく、相名義で支払われたものもあるらしい。それでも、級レストランでの事代、ホテル代、見覚えのないクレジットカードの細が残っていた。
「支払い先の詳細が分からないものもいです。でも、これだけでも分おかしいといました」
私は1枚1枚、机のに並べていった。
相馬が類を見ながら呟く。
「それだけでも相当な額ですね」
覇斗は突然ちがり、机を叩いた。
「部だけ切り取って、勝な推測で話を作るな」
私は線をそらさなかった。
「じゃあ、なぜあなたのスマートフォンから、こんな写真やメッセージが見つかったの? 完全には削除しきれていなかったのよ」
最に私は、ジュエリーの領収を取りした。額の部は読めなくなっていたが、額な宝飾品を購入したことはらかだった。
「この領収、お母さんがくなる頃に購入されているわ。額ははっきり読めない。でも、額な宝飾品を買ったことは違いないでしょう」
相馬がく言った。
「兄さん、これは言い逃れできませんよ」
覇斗は追い詰められていた。
だが、次の瞬、彼の表が変わった。
恐れや焦りではない。き直りだった。
「浮気は認めてやる」
部にいた全員が凍りついた。
「でも千尋、おのことは認めない。事も遅いし、収入もない。俺にとって邪魔ななんだよ。使えるだけが評価される。それが社会ってもんだ」
私は言葉を失った。
覇斗はさらに続けた。
「俺は理に判断しているだけだ。千尋は専業主婦で、俺に何のメリットももたらさない。サラは違う。もいいし、美で、俺のキャリアにもプラスになる」
「キャリアにプラス?」
相馬がちがった。
「兄さん、あなたはとしておかしい。結婚は契約じゃない。しうことです」
「? そんな非効率なものに価値があるのか」
覇斗はで笑った。
「俺は数字で判断する。収、学歴、社会位。それがの価値を決めるんだ」
剣造さんがく言った。
「おの母親も、そうやって価値を判断されていたのか」
覇斗は瞬だけ言葉に詰まった。
けれど、すぐにき直った。
「母さんは俺にとって負担だった。病気がちで医療費もかかる。俺のキャリアの邪魔になることもあった。正直に言えば、もっとく施設に入れるべきだった」
その瞬、部が凍りついた。
私は義母の遺を見た。
そこには、いつものように優しい笑顔があった。
このは最まで、を損得でしか見ていない。
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