"箱根の盲点" 第8話
配膳完は2117分」
樋はメモを取りながら、自分の帳と照した。
『215分、ルームサービス注文。2118分、樋が部をる。2117分、ルームサービス完』
順序が噛みわない。
宮原は樋に話をかけるに、すでにルームサービスを注文していた。
先が戻ったら夜でもという提案は、そののいつきではなかった。
樋をにすことを最初から計画していたのだ。
そしてルームサービスが届いたのは2117分だ。
樋が部をた2118分の1分だ。
対応した従業員は宮原に料理を渡している。
つまり、2117分の点では宮原は確実に部にいた。
では2117分以はどうか。
樋は荘にもう1つ確認した。
館内の防犯カメラの無だ。
「2階の廊に1台ございます。フロントのモニターで確認できます」
「宮原さんの部のも映りますか?」
「映ります。客の扉が並んでいる廊ですので」
樋は荘を再訪する必があった。
3、樋は箱根に向かった。
荘の支配に事を説し、12の防犯カメラ映像の確認を依頼した。
支配は戸田と旧の柄で協力だった。
映像は鮮ではなかったが、刻表示は正確だった。
2117分、ルームサービスの従業員が宮原の部のにつ。
扉がく。
料理を渡す。
扉が閉まる。
2118分、樋が自分の部からて廊を歩いていく。
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階段をりる。
2120分から2130分、廊にの姿はない。
宮原の部の扉は閉まったままだ。
だが、それは当然だった。
宮原が部をるのに廊を使う必はない。
樋は館内図を確認した。
2階の廊の突き当たりに非常がある。
初にチェックインした、自分で確認していた。
非常の先は階段で、1階の従業員通用につながっている。
そして従業員通用からにれば、裏の坂を通って温泉にられる。
温泉から湯本館までは徒歩5分。
2118分に樋が正面玄関からた。
宮原は2118分以に非常からて裏を回り、湯本館に向かった。
件を済ませ、同じ経で戻る。
往復10分。
樋が駐と周辺を確認して戻った刻が2130分。
宮原には12分の猶予があった。
だが宮原は湯本館で何をしたのか。
樋は湯本館を訪ねた。
真帆に頼んで事務を見せてもらった。
父の遺品はほとんど片付けられていたが、机のに薬ケースが残っていた。
透のプラスチック製、曜ごとの仕切り。
は空だった。
「お父様の薬はどなたが管理されていましたか?」
「父が自分で毎週曜に1週分をケースに入れていました」
「薬はどこに保管していましたか?」
「事務の机の引きしです。鍵はかけていませんでした」
樋は事務を見回した。
2章で訪れたの記憶と照する。
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薬ケースは机のにあった。
戸田が席をした3分、宮原は部を見回していた。
あの3分だ。
宮原は戸田の薬ケースを確認した。
曜ごとに錠剤が入っている。
曜以の錠剤を、似た別の薬に入れ替える。
形とが似たさない錠剤。
それだけでいい。
戸田は毎晩確認せずに薬をむ。
几帳面に1も欠かさず。
曜の夜にんだのが、本来の脈の薬ではなく、臓に致命な作用をもたらす薬物だったとしたら――。
樋は机のにったまま目を閉じた。
全てが繋がった。
宮原が樋に依頼したのは尾者の調査ではなかった。
箱根に同する探偵が必だったのだ。
探偵と緒にいたという事実が、宮原のアリバイになる。
脅迫の封は宮原の自作だった。
尾者は宮原が雇っただった。
駐の審両はしなかった。
全ては樋を箱根に連れし、樋を部のにし、その12分で湯本館にくための仕掛けだった。
樋は帳をいた。
自分の字でかれた記録を見つめた。
『2118分 駐。2130分 異常なし。2133分 帰着 ルームサービス済み』
この記録は正確だ。
だが正確であるがゆえに宮原のアリバイを証してしまう。
探偵の記録が、犯の潔を裏付ける証拠になっている。
樋は帳を閉じた。
りではなかった。
自分に対する、失望だった。
宮原に話をかけたのは、全てを理し終えた翌の朝だった。
「お久しぶりです。先、何かございましたか?」
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