"青い門扉の三つ子" 第2話
3は同じ部で、布団を並べて眠っていた。正子は寝顔を確認し、襖をそっと閉めた。その、台所を片付け、溜まっていた洗濯を始めた。の夜のはたく、指先がかじかんだが、正子は慣れたつきで洗濯物を干していった。
夜10頃、洗濯を終えた正子は、子供たちの様子を見ようと部のにった。襖にをかけ、静かにける。
布団は、もぬけの殻だった。
3つとも、掛け布団が乱れたまま残っていた。けれど、そこにいるはずのさな体はなかった。
最初、正子はトイレにったのだとった。急いで廊を渡り、トイレの戸をけた。誰もいない。台所にもいない。押し入れのにも、庭にもいない。
胸の奥がたくなった。
玄関を見ると、戸がしだけいていた。内側からなら子供でもけられる構造だった。正子は裸のままにりかけ、慌てて靴を履き、へびした。
「優斗! 優馬! 優夜!」
正子の声が、のに響いた。
その声を聞いて、所の々の窓に灯りがともった。1軒、また1軒と玄関がき、寝着姿の民たちがにてきた。正子は泣きながら、同じ名を何度も叫んだ。
しかし、返事はなかった。
5歳の子供3が、真の夜に何の痕跡もなく姿を消した。夜1030分を過ぎる頃、正子の鳴のような声は、全体を揺らしていた。
通報を受けた川警察署の巡査が現に到着したのは、夜11頃だった。
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当初、警察はこの件を事件として扱わなかった。子供たちが自分でにたのだろう。くで迷っているのだろう。そう考えたのである。
だが、その夜の名古の気温は氷点7度までがっていた。着の寝着のままにいるなら、5歳の子供が何も耐えられる寒さではなかった。
正子は警察にすがりつき、捜索をく求めた。所の民たちも懐灯を持ち、や空きを探し始めた。
その、民たちの線が1の男に向いた。
の入でぼんやりっていたという男だった。
は当45歳だった。定職がなく、昼に眠り、夜になるとを歩くことがかったため、町内ではし変わったとして見られていた。その夜も、彼はの入にち、騒ぎを巻きに見つめていた。
「あの、普段から子供のくをうろついていた」
誰かが声で言った。その言はすぐに広がり、数の民が警察にを指し示した。
警察はを呼び止め、簡単な質問をした。は言葉を詰まらせながら、そのの夜は1で酒をんでいたと答えた。ところが、くのコンビニ員が、夜9から10頃までが内にいたことを証言した。
には、なくともその帯のアリバイがあった。
しかし奇妙なものは、子供たちの部の窓のにも残っていた。
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のに、の男性のものとわれるきな跡があったのだ。警察はその跡を記録したが、当の技術では正確な分析は難しかった。
跡は塀の方向へ続き、途で消えていた。
その夜の捜索は、結局何の成果もなく終わった。子供たちの痕跡は、どこにも見つからなかった。
翌朝、事件は別の方向へき始めた。
の向かいにむ渡辺子という50代の女性が、警察に報を寄せたのだ。彼女は震える声で、夜9頃、見らぬ男が子供のを引いて歩いていくのを見たと話した。
男は背がく、黒いジャンパーを着ていたという。ただし、子供が1だったのか2だったのか、あるいは3だったのかは覚えていない。夜だったため、顔もはっきり見えなかった。
証言は曖昧だった。けれど、警察は無できなかった。
その報が町に広がると、々は部のによる誘拐を疑い始めた。当、名古郊では児童誘拐に関する噂も流れており、民たちの恐怖は気に膨れがった。
ところが、そのの午、予もしない物が警察署を訪れた。
つ子の祖母、佐藤吉子だった。
吉子は取調の子に静かに座り、落ち着いた声で言った。
「実は昨夜、子供たちは私のに来ました」
警察官はわず聞き返した。
吉子は、夜8頃、3が自分たちだけで青い扉のを訪ねてきたと話した。
菓子をべさせ、テレビを見せたところ、眠たがったので夜9頃にへ送り届けたという。
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