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"寿司屋で暴かれた嫁" 第9話

美咲さんがに来れば「ありがとうね」と笑顔で迎え、施設の話をされれば「パンフレットだけもらっておくわ」とやんわりかわしました。

美咲さんの目を見るたびに胸が締めつけられましたが、顔にはさないように努めました。

68きてきた経験が、こういうに役につのかもしれません。若い頃なら取り乱していたでしょう。でも今の私は、嵐が来ても慌てず、軒先で宿りする方法をっています。焦ったら負けだということを、が教えてくれていました。

裏では、田さんと本さんの助けを借りて、着実に証拠を固めていきました。

田さんはNPOを通じて、名古と福岡の被害者族に連絡を取ってくれました。名古の被害者は70代の男性で、すでに被害届をしていましたが、捜査はんでいない状態でした。福岡の方は80代の女性で、ご族が代理で対応してくれました。

皆、犯が捕まることをく望んでいました。

本さんは阪から自分のケースの証拠式を送ってくれました。佐々美奈名義の名刺、息子とのメッセージのスクリーンショット、女が使っていた話番号の記録。几帳面な元教師らしく、すべて付順にファイリングされていました。

私は自分が見つけた偽造免許証の写真、登記簿のコピー、サプリの成分分析の結果をまとめました。

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さらに、美咲さんがこの数かにした財産に関する発言を、覚えている限りノートにしました。付、所、そのの状況。記憶が鮮なうちに、できるだけ細かく。

11の第2週、私は1で弁護士事務所を訪ねました。

の雑居ビル3階にあるさな事務所です。以、法律相談でお世話になったことがある岸本先という50代の女性弁護士でした。

集めた証拠を全部テーブルに広げ、最初から順を追って説しました。岸本先は1つ1つ確認しながら、折メモを取りました。

「田さん、これだけの証拠があれば、詐欺および印私文偽造の容疑で刑事告訴できる能性は分にあります。複数の被害者の証言が揃っているのがきいです」

「本当ですか」

「ええ。ただし警察をかすには、できるだけくの客観証拠を揃えた方がいい。偽造文の現物が押さえられればベストです。今のところ写真しかありませんので、写真データと緒に被害届をしましょう。の被害者の方にも、改めて正式に被害届をしていただけるよう、お声がけいただけますか」

「はい。田さんと本さんに伝えます」

岸本先は最に言いました。

「田さん、このの相は、追い詰められると姿を消すことがあります。証拠を集めているは、相に悟られないことが最もです。

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できますか」

「できます」

即答でした。

自分でも驚くほど、迷いはありませんでした。

11半ば、すべての準備がいました。田さんの被害届、本さんの証拠資料、名古と福岡の被害者族の証言。岸本先がそれらを取りまとめ、管轄の警察署に提してくれました。

警察からは、内容を精査のうえ捜査をめるとの回答がありました。岸本先によれば、複数の都県にまたがる連続詐欺の疑いがあるため、本格な捜査に入る能性がいということでした。

あとは、浩司の目を覚まさせること。

これが1番難しいことでした。

話で何を言っても聞くを持たない浩司を、どうやって真実に向きわせるか。

田さんと相談し、1つの計画をてました。

「節子さん、証拠を全部、浩司君の目ので見せるしかない。言葉じゃ伝わらなくても、物を見れば嫌でも分かる。それに、被害者のたちに直接会ってもらおう。の声を聞けば、さすがの浩司君も目が覚めるだろう」

「でも、美咲さんがいたら、浩司は聞かないわ」

「だから同じに呼ぶんだ。逃げをなくす」

11、私は浩司に連絡しました。

「久しぶりに3でご飯をべましょうよ。うちで鍋でもしない?美咲さんも緒に来てちょうだい」

浩司は「施設の話でもする気?」と警戒しましたが、私は穏やかに笑いました。

「そんな話じゃないわ。ただ、緒にご飯がべたいだけ」

話を切ってから、田さんに連絡しました。

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