"古い風呂敷の遺言" 第3話
すると義母はさく呟いた。
「由美、私は今どこにいるのかしら」
胸が痛んだ。
「本ですよ。今はお正です」
「お正……子どもたちは来たの?」
「はい。居にいらっしゃいます」
義母は寂しそうに目を伏せた。
「そう。でも、どうして誰もここに来てくれないの?」
私は答えられなかった。
そのの昼、義兄たちはまた数枚写真を撮り、すぐに帰る支度を始めた。
「嫁の実にも顔をさなきゃいけないから」
実に滞したは、たった2ほどだった。
その半は写真撮とスマートフォンを見ているだった。
彼らが帰った、私は義母のを握った。
義母は窓のを見つめたまま言った。
「子どもたちは、もう帰ってしまったのかい?」
「はい」
「そう。みんな忙しいからね」
その声には寂しさがにじんでいた。
その夜、に戻ると夫が言った。
「由美、兄貴たちにあまり直球で言わない方がいい」
私はわず顔をげた。
「じゃあ私は嫌な気持ちになっていないとうの?」
「介護費を1円もさないで、写真だけ撮って帰るのが親孝なの?」
夫は目をそらした。
「仕方ないだろ。俺たちは末っ子夫婦なんだから」
私はもう何も言わなかった。
言い返しても、結局は同じだった。
その夜、私は族グループに投稿された写真を見た。
「お義母さんをしっかりお世話してきました」
そんな文章と緒に、男の嫁が義母のを握る写真が載っていた。
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コメント欄には称賛の言葉が並んでいた。
私はスマートフォンの画面を消した。
作られた親孝の姿と、現実のたさ。
そので、私のはしずつ削られていった。
正が終わってから約1かのことだった。
夜2。
私は寝で浅い眠りについていた。
その、隣の部から苦しそうな呼吸音が聞こえた。
慌ててび起き、義母の部へ向かう。
義母はベッドので肩をきくさせながら息をしていた。
顔も悪い。
私は額にを当てた。
もかった。
すぐに救急を呼び、夫を起こした。
真夜の横浜のを救急のサイレンがり抜けていく。
学病院へ到着すると、義母はすぐに処置へ運ばれた。
医師の診察が終わり、私は説へ呼ばれた。
医師はカルテを閉じて言った。
「肺炎がかなりしています」
「入院治療が必です」
私は頷き、そのまま入院続きをめた。
その、義兄たちにも連絡した。
男は話で言った。
「分かった。朝にはく」
次男も同じような反応だった。
夜の病院に残された私は、処置のの子に腰をろした。
計を見る。
午3を過ぎていた。
兄たちは眠っている。
夫も疲れ切っていた。
けれど、なぜか私だけがここにいる。
そんな虚しさが胸に広がった。
翌朝9頃になって、ようやく義兄夫婦たちが病院へ現れた。
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しかし、彼らが最初ににした言葉は義母の容体ではなかった。
「入院費用はいくらくらいかかるんだ?」
次男の嫁が真っ先に尋ねた。
私は疲れた声で答えた。
「まだ詳しくは分かりません」
すると男が言った。
「ちゃんと調べておいた方がいいな」
そのも待で続いたのは、財産の話ばかりだった。
「母さんの通帳はどこにある?」
「何か隠していないだろうな?」
「で揉めると面倒だからな」
私は唇を噛み締めた。
義母は今も病で苦しんでいる。
それなのに彼らのにあるのは財産だけだった。
そのの午。
義母は般病棟へ移った。
義兄たちは病をひと通り眺めると、すぐに帰る支度を始めた。
「母さんのこと頼むぞ」
そう言い残し、全員帰っていった。
病に残ったのは私だけだった。
私は義母の寝顔を見つめながら、静かに涙をこらえた。
その夜、病院の売でおにぎりを買った。
1で夕を済ませる。
その、スマートフォンに通が届いた。
病院への払い費用50万円の引き落としだった。
私はメモ帳をいた。
付。
用途。
額。
すべて記録した。
領収の写真も保した。
なぜか分からない。
けれど、この記録がいつか必になる気がした。
義母は退院した。
それから約2か。
2024の正がやってきた。
のる朝だった。
私は夜の夜勤で疲れ切っていた。
それでも夫に促され、義実へ向かった。
玄関をけると、すでに30い親戚が集まっていた。
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