"骨が覚えていた名前" 第1話
2008114、午1045分頃。
茨県稲敷の利根川沿いでは、首都圏央連絡自の事がめられていた。現にはの音が響き、油圧ショベルが背のい葦原を切りいていた。
を操作していた田氏は、ふと奇妙な所に気づいた。
そこだけ葦が自然に沈み込んでいた。ほかの所とは違い、面の形もわずかに乱れているように見えた。
田氏はすぐにを止めた。エンジン音が静まると、葦がに擦れる音だけが残った。彼は慎にをめ、で葦をかき分けた。
その瞬、のからい破片が見えた。
最初は物の骨かとった。だが、形が違った。見慣れないはずのものなのに、田氏の背にたいものがった。
彼はそれ以触れず、すぐに警察へ通報した。
やがて稲敷警察署の刑事たちが現へ到着した。稲敷警察署はそのの4に署したばかりで、この事件は彼らが担当する最初の凶悪事件となった。
葦原のに横たわっていたのは、完全に骨化した遺体だった。
肉片は残っていなかった。骨だけが無惨に残されていた。周囲には類が散乱していた。のニット、トレーニングパンツ、タオルが2枚、そしてい柄のある黒いブラジャーも見つかった。
蓋骨のそばには、い髪の毛が落ちていた。茶に染められ、さは約40cm。
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太いウェーブがかかっており、するしに美容へっていた能性があると見られた。
さらに遺体のくから、旅用の鞄が見つかった。遺体を運ぶために使われたものと考えられた。
だが、奇妙な点があった。
靴がなかった。
類も着もタオルも鞄もある。それなのに、靴だけがない。
刑事たちは葦原を見回した。そこはが気軽に入れる所ではなかった。葦はさ2mほどまで伸び、まともなもない。裸でここまで歩いてくることは、ほとんど能だった。
誰かが遺体を運び込み、ここへ遺棄した。
現を見た刑事たちは、そう判断した。
警察は、犯現と遺棄現は別だと考えた。
被害者は裸にい状態で見つかっていた。それは、見らぬで突然襲われたというより、自宅か、それにい慣れた空で事件に巻き込まれた能性を示していた。
もし見らぬ相に殺害されたのなら、常の延のような姿で発見されるとは考えにくい。
さらに犯は、この利根川流域の理をよくっていた。
現へくには、狭い未舗装を5kmほどまなければならない。し油断すれば迷ってしまうような所だった。部のが偶然たどり着ける所ではなかった。
それでも犯は、遺体を苦労して運び込んだあと、面を掘って埋めることはしなかった。
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ただ葦のに放置してちっていた。
誰もここまで来ない。
犯には、そう確信するだけの勘があった。
もし速の事がなければ、この遺体は永に見つからなかったかもしれない。
遺骨は科学警察研究所へ送られ、精密な司法解剖がわれた。
結果、被害者は20代半から30代半の女性で、は160cmと推定された。推定期は20074から5の。遺体発見のおよそ16かだった。
の葦原は湿度がく、通気性も悪い。そのため腐敗がくみ、骨化もんだと考えられた。
しかし因は分からなかった。
遺体は完全に骨化しており、内臓も失われていた。首を絞められたのか、鈍器で殴られたのか、刃物で刺されたのかを確認する方法はなかった。
骨折の痕跡も見つからなかった。
報告には、因詳と記された。
それでも警察は、殺の能性がいと見ていた。裸では入り込めない葦原。遺体のそばにあった旅用鞄。通りのない所への遺棄。
自ら命を絶つために、女性が裸で葦原の奥まで入ったとは考えにくかった。
問題は、被害者が誰なのか分からないことだった。
顔は判別できず、指紋も残っていなかった。分証や携帯話も見つからなかった。
警察が得た報は、20代半から30代半、160cm、茶髪のウェーブヘア。
それだけだった。
捜査チームは、まず現周辺を徹底に調べた。
葦原を何度も捜索し、見落とされた証拠がないか確認した。
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