みかん小説
本棚

"骨が覚えていた名前" 第4話

そして20075、その連絡も完全に途絶えていた。

族の誰も、捜索願をしていなかった。

もともと連絡がないだったため、きな異変とは考えなかったのだ。

警察は福岡にむ母親を訪ねた。

で見つかったの遺体が、娘である能性があると説した。

母親の顔から血の気が引いた。

刑事たちはDNA鑑定への協力を求めた。母親は震えるで同に署名した。

、結果がた。

致率99.9%。

利根川の葦原で見つかった骨遺体は、佐藤氏で違いなかった。

遺体発見から約3か、ようやく被害者の名らかになった。

元が分かったことで、捜査は次の段階へんだ。

誰が佐藤氏を殺したのか。

なぜ利根川の葦原に捨てたのか。

警察は佐藤氏のを調べ始めた。

佐藤氏は1978に福岡でまれた。幼い頃に両親が婚し、母親と2で暮らした。経済に余裕はなく、卒業はいくつもの仕事を転々とした。

堂の従業員、販売員、勤務。

どの仕事もくは続かなかった。

20歳頃、佐藤氏はより良い活を求めて京へた。そして伎町ので働き始めた。

2000半から半ばにかけて、伎町にはきなが流れていた。佐藤氏は容姿がっており、客の扱いもうまかった。気があり、1かに数百万円を稼ぐこともあった。

広告

しかし、その世界では支かった。

代、美容代、術費用。

競争が激しく、しでも美しく見せなければ客を呼ぶことは難しかった。

20063、佐藤氏は頬骨縮術を受けた。頬骨がていることを気にしていたからだった。の美容科で、約100万円をかけた術だった。

術は成功し、顔の輪郭はすっきりした。

彼女はらなかった。

その術跡が、に自分の元をらかにする決定がかりになることを。

佐藤氏の周辺を調べるで、警察は1の男にたどり着いた。

氏、34歳。

佐藤氏より4歳で、2006末から彼女と同居していた男だった。

氏は実業を自称していた。運営していたのは違法なインターネットサイトで、2000代半ばにはを稼いでいたという。の収益が億単位に達したこともあった。

があった頃の氏は、伎町で派に遊んでいた。佐藤氏の働くにも頻繁に通い、1かに1000万円以を使ったこともあった。

佐藤氏にになった氏は、ブランドバッグ、、アクセサリーを次々と贈った。

やがて2は恋関係になり、2006末から都内のマンションで暮らし始めた。佐藤氏はを辞めた。活費は氏がすべてした。

から見れば、幸せな同居活だった。

だが、2007に入ると状況は変わった。

警察による違法サイトへの取り締まりが化され、氏の事業は傾き始めた。

広告

収益は急減し、赤字に転落した。借も増えた。

がなくなると、2に争いがじた。

佐藤氏は以のようにを使いたがった。氏には、もうその余裕がなかった。

「どうして稼げないの」

佐藤氏が責める。

「事業がうまくいかないんだ」

氏が言い返す。

論は増え、は激しくなった。には掴みいになることもあった。

そして20075、佐藤氏は姿を消した。

警察は、佐藤氏が消えたの流れを調べた。

すると、審な記録が見つかった。

20075末、佐藤氏名義の座から、計600万円が数回に分けて引きされていた。

引きされた所は、伎町や周辺のATMだった。

それは氏がよく活していた域と致した。

さらに、佐藤氏が姿を消したも、携帯話料は約1支払われ続けていた。

支払っていたのは氏だった。

佐藤氏がきているように見せかけるためではないか。

警察はそう考えた。

もう1つ、自然な点があった。

20075末、佐藤氏の携帯話から母親へショートメッセージが送られていた。

「元気にしているから配しないで」

そのような内容だった。

母親は疑わなかった。もともと連絡がない娘だったからだ。

だが、警察は違う見方をした。

もしこの点で佐藤氏がすでにしていたなら、そのメッセージを送ったのは犯だったことになる。

族が捜索願をさないようにするための偽装だった。

広告

おすすめ作品

リンクを共有

以下のリンクをコピーして友達と共有してください: