みかん小説
本棚

"夫の知らない家" 第3話

でも、ここまで来たら見るしかなかった。

也のは、会社とは反対のへみました。

もう言い逃れはできません。

私はし距をけて、見失わないようについていきました。

幸い、曜の午はがそこまで混んでいなくて、逆に目たないくらいの流れでした。

分ほどって、宅に入ります。

見覚えのある町名。

レシートにあった所のくです。

指先がたくなりました。

也のは、細いをゆっくり曲がって、最に軒のので止まりました。

い壁。

古い階建て。

建物の横に、古びた自転。

図で見たと同じでした。

私はしれたところにを止め、ハンドルを握ったままけませんでした。

来てしまった。

本当に来てしまった。

也はをりると、インターホンも押さずにをけました。

そのきに、胸の奥がく沈みました。

慣れている。

初めて来たのきじゃない。

迷いもなく、ためらいもなく、自分のみたいに入っていく。

その数秒だけで、分すぎるほど分かってしまいました。

私はしばらくのにいました。

すぐにりて問い詰めることもできたはずです。

でも、できませんでした。

怖かったのです。

もしから若い女がてきたら。

もし子供がってきたら。

もし、私が番見たくない形の答えが、目のに現れたら。

広告

その、玄関がきました。

私は息を止めました。

てきたのは、若い女ではありませんでした。

代くらいの、柄な女の。

髪はく、痩せていて、歩き方もしゆっくりしている。

そのは玄関先にると、也に向かって何か言いました。

也はしかがむようにして聞き、そのの持っていた荷物を当たりのように受け取りました。

私は目を疑いました。

あのは誰。

母親。

親戚。

でも、聞いていた話と繋がらない。

也の母は、私たちが結婚するにくなっています。

父親も、もういません。

親戚付きいもくて、こんなの話は度もたことがない。

まして、あんなに用品を買って届けるような相なら、度くらい話にてもおかしくない。

なのに、私は何もらない。

也は、その、庭の奥に回って何かを運び入れていました。

その様子が、また変に自然でした。

に伝っているじじゃない。

いつもやっているのつき。

私はの窓をしだけけて、の方を見ていました。

すると、かすかに子供の声が聞こえました。

笑い声ではなく、いい声。

私は反射にを乗りしました。

次の瞬、玄関横の窓にさなが見えました。

違いありませんでした。

でも、見えたのはほんの瞬。

は歳か歳くらいでしょうか。

顔までは分かりません。

広告

ただ、背のいさなが窓辺を横切った。

それだけなのに、のが真っになりました。

子供がいる。

やっぱり、あの青いコップはこのの子供のものなんだ。

胸ので、いろんな考えが気に暴れしました。

隠し子。

の子。

それとも、もっと別の何か。

その、助席のスマホが震えました。

真帆からでした。

『ママどこ? コンビニくならアイス買って』

あまりにも普段通りの文面で、私はおかしくなりそうでした。

今、私は夫のもうつののにいて、らない子供のを見ている。

それなのに、娘はアイスを頼んでくる。

この常と目のの景が、あまりにも繋がりませんでした。

私は震える指で、

『あとで買う』

と返しました。

そのに、玄関のドアがまたきました。

今度は也がてきました。

そのろにっていたのは、さっきの配の女の。

そして、そのの元に、さな男の子がいました。

青いコップを胸に抱えて。

私は息をするのを忘れました。

男の子は也を見げて、何か言っていました。

也はしゃがんで、その子のを撫でました。

そのつきが、あまりにも自然で、あまりにも優しかった。

私は、その景を見たままけませんでした。

あれは、らない子供に向けるではない。

なくとも、初めて会う相じゃない。

何度も会っている。

何度も触れている。

そういうでした。

その、配の女のが太いの方を見ました。

私はとっさに顔を伏せました。

広告

おすすめ作品

リンクを共有

以下のリンクをコピーして友達と共有してください: