"椿の家を守った母" 第4話
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完結第13話
お湯を奪われた嫁
真冬の夜、義母から「安月給の嫁には水で十分」と風呂を禁じられた真理子。三年間、家計と家事を支えながら侮辱に耐えてきた彼女は、その日を境に生活費の負担をすべて停止する。 月九万円と無償の家事が消え、夫と義母の暮らしはたちまち崩れ始めた。そんな中、真理子は床下から亡き義父の黒革の手帳を発見する。 そこには、彼女の生活を守るために遺された二千万円の信託と、虐待があれば義母の居住権を失わせる誓約書が隠されていた。しかも夫は、その金を三年間にわたり遊興費へ流用していた。 お湯さえ惜しんだ親子に突きつけられる、凍結された口座と刑事告訴の可能性。沈黙を捨てた真理子は、奪われた金だけでなく、自らの尊厳と人生を取り戻すため、静かな清算を始める。因果応報|嫁姑|修羅場1.9万字5 352 -
完結第14話
1000万円のハワイ旅行を贈ったら、私だけ家族から外されました
亡き夫との夢を叶えるため、息子一家と両家の親が参加するハワイ旅行に一千百二十万円を支払った静江。ところが出発直前、息子の健太から「行くのは妻の両親だけ。もう連絡しないでほしい」と告げられる。六年間続けてきた住宅ローン援助や孫の送迎まで当然のように扱われていた静江は、息子の希望どおり、すべての支援を打ち切った。 息子夫婦がハワイを満喫している間、静江のもとに旅行代理店から精算書が届く。そこには、健太が二か月前から母を旅行者名簿から外し、「重度の認知症と末期癌の疑いがある」と虚偽の申告をしていた記録が残されていた。 さらに義弟からの電話で、健太が静江を判断能力のない高齢者に仕立て、成年後見人として財産管理権を握ろうとしていることが判明する。狙われていたのは、資産価値八千万円の自宅と三千万円の老後資金。しかも計画には、嫁とその父親、虚偽の診断書を作った医療関係者まで関与している疑いがあった。 静江は弁護士と任意後見契約を結び、正常な認知機能を証明する診断書と旅行代理店の通話記録を確保する。そして帰国した息子夫婦を待っていたのは、止められた送金、返送された孫の荷物、そしてホテルのテーブルに並べられた逃げ場のない証拠だった。家族旅行から排除した母が、自分たちの計画をどこまで知っているのか――二人がそれを理解した時、作り上げた“幸せな家族”の姿が崩れ始める。嫁姑|親不孝|親子関係2.2万字5 870 -
完結第16話
退職金を狙った息子夫婦と、亡夫の最後の記録
三十八年勤めた病院を退職した夜、久美子は息子夫婦から一枚の振込用紙を差し出された。 金額は、退職金の全額にあたる千八百万円。 「孫の将来のため」と迫られた久美子は署名を拒み、亡夫が残した通帳を調べ始める。すると、死後も三年間続いていた謎の送金と、《健太には知らせるな》という赤い文字が見つかった。 さらに孫本人は、息子夫婦が語る私立高校も医学部も望んでいなかった。 家族のために用意されたはずのお金は、いったい誰の借金を埋めていたのか。亡夫の署名が入った二通の承諾書、銀行へ持ち込まれた偽の委任状、そして貸金庫に隠された最後の手紙。 久美子が送金を止めた瞬間、息子夫婦が長年隠してきた金の流れが、静かに崩れ始める。親不孝|絶縁|親子関係|退職金|金銭問題1.1万字5 830 -
完結第13話
娘夫婦に貸した愛車を「名義変更して」と言われた日
67歳の修司が、娘夫婦へ半年だけ貸した愛車。返却を求めると、婿は当然のように言った。 「もう僕の名義に変えてもらえませんか」 だが車はすでに420万円で査定され、600万円を超える新車の下取りに使われようとしていた。さらに、娘夫婦へ貸した住宅資金1000万円も、返済されたはずの30万円が一度も届いていない。 調べるほど現れる、消えた500万円の投資、偽造された「300万円返済済」の記録、そして亡き妻名義の借用書。 家族への援助は、いつから「もらって当然の財産」に変わったのか。修司は車の鍵だけでなく、自分の人生を決める権利まで取り戻そうとする。親不孝|絶縁|親子関係|金銭問題1.9万字5 629 -
完結第22話
四十九日の遺言
夫の四十九日を終えたその日、静江は三十一年間暮らした家と弁当店から追い出された。 義弟が突きつけた遺言書には、店も住居もアパートもすべて彼へ譲り、妻には何も残さないと記されていた。署名も実印も、確かに亡き夫のものだった。 途方に暮れる静江が夫の古い携帯を起動すると、一件だけ音声が残されていた。 『遺言が出ても、家を取り返そうとするな。先に地下室の電気メーターを見てくれ』 存在しないはずのメーター。その裏から見つかったのは、結婚前の静江の名が記された領収証と、土地の所有者を示す記録だった。 ところが調査を進めるうち、遺言書には差し替えられた紙の痕跡が見つかり、八室あるアパートからは二室分の家賃が二十年間も消えていたことが判明する。 そして亡き夫の端末には、義弟の不正だけでなく、静江が最も知りたくなかった“三十一年間の沈黙”が残されていた――。相続|親不孝2.6万字5 627 -
完結第11話
両親を亡くした私が旅行から帰ると、実家が消えていた
両親を相次いで亡くした美穂に、夫・雅也が突然、一週間の温泉旅行を贈った。初めて見せた思いやりを信じて家を空けた美穂だったが、帰宅すると、思い出の詰まった実家は跡形もなく解体されていた。 雅也は土地を売り、その金で義実家を二世帯住宅にするつもりだった。しかし美穂が遺産を相続したというのは、三人の勝手な思い込みだった。名義変更前の家を無断で壊し、所有者の承諾書まで偽造した疑いが浮上する中、美穂は両親の思い出を奪った夫と義両親への反撃を始める。因果応報|嫁姑|夫婦|金銭問題1.7万字5 1017 -
完結第17話
三日待て――命を懸けて起爆盤を粉砕した現場主任、120人を救い500億の黄金を暴く
奥羽鉱業・黒竹事業所で23年無事故を守り抜いてきた発破主任の酒井誠一は、ある朝、巨大な黒蛇の夢と坑道の異様な臭気から「発破を三日待て」と直訴する。しかし、工期短縮と300万円のボーナスに目が眩んだ現場監督・高木は酒井を即刻解任し、発破を強行しようとする。起爆まであと数秒、酒井は職を賭して大ハンマーで起爆装置を叩き壊した。 「狂人」と罵られ資材庫に監禁された酒井だったが、本社保安部長の介入と手帳に残された緻密な記録によって、高木の日報改ざんが白日の下に晒される。そして約束の三日目の朝――全坑内員120名が退避を完了した直後、山は地獄の咆哮とともに大崩落を起こした。九死に一生を得た男たちが崩落断面で目撃したのは、神の導きか、500億円の超高品位金鉱脈だった。職場逆転|因果応報3.2万字5 253 -
完結第14話
今日でクビだ」黒蛇の夢を信じて280万円の起爆装置を壊した俺。3日後、127人が退避した直後――山が崩れた
黒竹鉱山で24年間働く発破主任・酒井誠一は、黒蛇から「3日だけ待ってくれ」と告げられる夢を見る。第4区画の異臭、増えた湧水、変化した岩の反響にも危険を感じ、発破の延期を求めるが、高木監督は彼をその場で解任。さらに、同じ地点で繰り返されたガス警報まで日報から消されていた。工程を3日短縮すれば、高木には80万円の報奨金が入る。午後2時、未署名の確認表を無視して起爆準備が始まる中、酒井は工具箱からハンマーを取り出した。仕事も生活も失う覚悟で手に入れた3日後、127人の運命と山に眠る秘密が動き始める。因果応報2.0万字5 211 -
完結第12話
入院中、母が勝手に老人ホームへ送られていた
交通事故で一週間入院した菜緒は、母・春江と連絡が取れないことを夫・健太に訴える。しかし健太は「元気にしている」と嘘を重ね、退院後に実家へ向かうと、母は姿を消し、家財や通帳、土地の権利証まで段ボールに詰められていた。 健太は、足の悪い春江に「娘は長期入院し、家も売る」と吹き込み、無断で老人ホームへ入れていた。目的は実家を売却し、残金を自分たちの生活に使うことだった。施設の隅で「娘に捨てられた」と泣く母を見つけた菜緒は、虚偽による入居契約の無効を主張し、その場から母を連れ帰る。 菜緒は直ちに、八年間続けてきた義父母への月十五万円の送金と家族カードを停止し、自分名義の定期預金三百五十万円も安全な口座へ移す怒り|夫婦|親不孝|金銭問題|修羅場1.7万字5 1408 -
完結第17話
母に追い出された私が、介護を手放すまで
三年間、要介護の母・一枝の家事と介護を一人で背負ってきた由美子は、「大好きな長男夫婦と暮らすから出ていけ」と追い出される。彼女は反論せず、通院、服薬、食事、排泄介助まで記した冷蔵庫の予定表だけを外し、新しい生活へ踏み出した。 由美子が消えると、兄・秀樹夫婦は介護の重さと毎月約九万円の費用に直面する。さらに秀樹が母の定期預金三百万円を、不倫相手への手切れ金として使い込んでいた事実も判明。義姉マリは耐えきれず家を出て、秀樹は汚物の処理すらできないまま妹へ泣きつく。 しかし由美子は、母と兄の身勝手な要求を拒み、実家からの電話を着信拒否にする。兄弟姉妹|親不孝|裡の顔|介護2.6万字5 1526