"消えた子役の日記帳" 第4話
こうして、最のページにかれていたさな文字は、母親の目にさえ届かないまま眠ることになった。
子は実の弟、正にその箱を託した。
「正……うちの翔太が帰ってきたら、必ず渡してね」
子のは、力なく弟のを握っていた。
翌の、子は息子のさえらないまま息を引き取った。
寂しい葬儀には、黒監督から送られた供が1つ置かれていた。
そのを見た健は、拳をく握りしめた。
正は姉の遺品の箱を押入れの袋にしまった。
そしていので、その箱のを忘れていった。
子がこの世をってから12が流れた平成12、老に差しかかった正は引っ越しの準備をしていた。
押入れの袋を理していた、に古いの箱が触れた。
「これは……」
蓋をけると、あせた翔太の装といズック靴の片方が入っていた。表の擦り切れた絵記帳と、止まった腕計も綺麗に並んでいた。
正は絵記帳をゆっくりめくった。
そして、子が最まで見ることのできなかった最のページにたどり着いた。
ページの隅に、さな文字がかれていた。
「監督のおじちゃんが倉庫で怖いことをした。誰にも言っちゃいけないって言われた」
そのには、さらに別の言葉があった。
「おじちゃんがおをこっそりカバンに入れてた。
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見つかったかもしれない」
正のが震えした。
そして、最にたどたどしい文字で、い文が残されていた。
「ママに会いたい」
正はそのに座り込んだ。
15止まっていたが、気に逆回しされたようだった。
正は、その夜ほとんど眠れなかった。
布団に入っても、翔太の絵記帳の最のページがまぶたの裏に浮かんだ。
「監督のおじちゃん」
その言葉が示す物は、1しかいなかった。
正は古い聞記事を引っ張りし、当の報を読み返した。そこには若きの黒孝志監督の写真が何度も載っていた。翔太を配して涙を見せる姿。懸賞をすと訴える姿。世から称賛されていた姿。
正は震えるで聞を握りしめた。
翌、正は記帳をに警察署を訪ねた。
しかし、窓の若い警察官は困ったような顔をした。
「これはもう15に終わった事件です。それに、子どもの落きだけでは……」
「落きじゃない。姉の子が残した言葉です」
正は必に訴えた。
だが、そのではまともに取りってもらえなかった。
それでも正は諦めなかった。当事件を担当していた刑事を探し回り、ようやく定をに控えた健にたどり着いた。
は記帳を受け取ると、しばらく何も言わなかった。
最のページを読んだ瞬、その差しが揺れた。
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15、胸の奥に刺さったままだった事件が、目のに戻ってきたのだ。
「これを、もっとく見つけていれば……」
はく呟いた。
すぐに再捜査の検討が始まった。
は記帳の跡と作成期の鑑定を、京都府警の科学捜査研究所に依頼した。さらに、緒に発見された翔太の腕計が何何分で止まっているのか、改めて調べた。
保管庫の奥に眠っていた当の黒監督の供述もかれた。
計が止まっていた刻は、黒が「会議で打ちわせをしていた」と主張したとなっていた。
は、疑いの糸をようやく握った。
さらに、脅されて姿を消した警備員の佐藤の方も追った。佐藤は故郷で老衰のため寝込んでいたが、まだきていた。
はもう1つの能性にも目を向けた。
事件当、本編の最初のシーンを撮していたカメラの未使用フィルムが、テレビ局の資料庫に残っているかもしれない。
もしそこに、黒と翔太の姿が映っていれば。
はすぐにいた。
方、物監督となっていた黒孝志は、テレビ局の幹部から1本の話を受けた。
「昔の失踪事件が、また蒸し返されているらしい」
黒の表は変わらなかった。
しかし受話器を置いた、彼はすぐに脈と弁護士をかし始めた。
記帳のと、正の辺が密かに調べられた。
かつてのアリバイ証言者たちには、もう度裏をわせるよう図が送られた。
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