"十七年目の「ただいま」" 第4話
すぎて顔は判別できません。私はちがり、両をきく振りました。
「静?」
に乗せて声をしました。しかし、はゆっくりと背を向け、川の向こう側の森のに消えていきました。元のは湿って滑りやすく、私は慎に歩きながらの方へ向かいました。けれど、距はあまりにく、息が切れました。に着く頃には、の姿は完全に消えていました。胸がざわつき、を握るに力が入ります。
夜、私は百通目となるをきました。蝋燭のので、ペンを握るは震えていました。
「静。を受け取ったわ。、待っていたね。お母さんも、ずっと待っていた。毎、あのので待っているから、あなたが帰ってくるまで。」
をき終えると、に座り込み、く息を吐きました。涙が頬を伝い、を握る指先まで濡れました。という歳が、のでようやく形を変え、静に届くことを願いました。私は夜、荷物をまとめました。古いカバンに写真、便箋、着替えを入れました。、封印されていたの扉を、私はようやくこうとしていました。
翌朝、騨きのバスに乗り込みました。窓のに流れる景を見ながら、胸が鳴ります。い域、古い寺の跡、そこで静はを過ごしていたのかもしれません。
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く先は未で、恐怖と期待が交錯します。
到着、元の郵便局での差や所を確認しましたが、詳細はでした。私は諦めず、町の々に写真を見せながら、静の方を尋ねました。ほとんどのは首を横に振り、無関に通り過ぎました。夕方、旅館に泊まることにしました。女将さんに事を説すると、をほどった古い寺の跡を教えてくれました。「昔はさな寺があったんです。々、変わったがんでいました」とのことでした。
翌朝、険しいを登り、廃墟となった寺の跡に到着しました。半壊した本堂、焼け焦げた柱、荒れた段。息を切らせながらも、私は目を凝らしました。その、杖をついた代ほどの老僧が現れました。
「どなたかな?」
私は振り返り、くをげました。
「私は、方の娘を探しています。写真をご覧ください」
老僧は慎に写真を受け取り、目を細めました。
「この子が本当にあなたの娘さんですか?」
「はい、そうです」
老僧はため息をつき、私を廃墟の本堂に案内しました。「ここでの子が暮らしていました。しかし、千百に姿を消してしまいました」と告げました。
胸が締め付けられるように痛みます。息が詰まるいで、私は記帳を取りしました。ページをめくるが震えました。
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最初のページには、たどたどしい文字でこうかれていました。
「千百。今から笑みとしてきなければならない、と言われた。でも私は静だっ……」
涙が溢れました。、静はこの所で必にきていたのです。に帰りたい、母に会いたい。しかし、恐怖が彼女を阻んでいました。記の最には、こうかれていました。
「お母さん、ごめんなさい。でも、もうし待ちなさい」
そして本名、島静と記されていました。
私は記帳を胸に抱きしめ、ちがりました。
「静……あなたはきていたのね」
、れていたをいながら、私は決しました。静のもとへく。すべての真実を確かめるために。
「1974に、千津という女性が、私の夫について何か届けをしていませんか」
私がそう尋ねると、飯警部の表がわずかにばりました。
彼は古い記録を取りし、黙ってページをめくりました。は黄ばみ、端がし傷んでいました。
「ありました」
い声でした。
「千津さんは当、あなたの夫・武弘さんによる静さんへの暴力を疑っていました。証拠は分でしたが、彼女は『このままではあの子が壊れる』と訴えていたようです」
私は子の背を握りしめました。
静の写真の裏にあった言葉。
「昨の夜、に誰がいたかってるよ」
それは、千津がからの様子を見ていた、というだったのかもしれません。
「では、静は……」
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