"浴室の鍵" 第6話
「ええ、お母さん、どうしたの?」 議にって母のの腕を見ると、そこには誰かにく掴まれたような赤黒い指の跡がくっきりと残っていた。 つやつではない。 背や太ももにも、入浴にはなかった自然なあざがいくつもできている。
「達也くん、これどういうこと?お母さんの腕にあざができているんだけど。」 私が振り返って尋ねると、達也は困ったように眉をげてため息をついた。
「だから言ったじゃないですか。おばあちゃん、お呂を嫌がって暴れたんですよ。僕も滑って転ばせないように必で支えたから、し力が入っちゃったのかもしれません。お寄りは皮膚がいから、しの力でもすぐにあざになっちゃうんですよね。」
まるで自分が苦労して世話をしてやっているのだ、と言いたげな態度だった。 母は私にしがみつくようにして、「い、怖い」とさな声で呟いた。 その震える体を抱きしめた、私の胸のの単なる違は、確な疑へと変わった。
その夜、私は寝でパソコンをいていた夫の浩司に声をかけた。 「あなた、しお話があるの。達也くんのことなんだけど。」
浩司は画面から目をさず、「なんだ、当てがりないとでも言ってきたのか」と面倒臭そうに答えた。
「そうじゃないの。達也くんがお呂に入れてくれるのはありがたいんだけど、お母さんの体に自然なあざが増えているの。
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それにお呂の度に内鍵をかけるのもやっぱりおかしいわ。申し訳ないけれど、達也くんにお願いするのはもうやめにしたいの。」
私がそう言った瞬、浩司はバンときな音をててパソコンを閉じ、私を鋭い目で睨みつけた。
「お、自分が何を言っているのか分かっているのか?ええ、せっかく俺がおの負担を減らしてやろうと達也を雇ってやったのに、その親切を裏切る気か。達也を疑うなんてがおかしいんじゃないか。」
浩司の鳴り声が寝に響き渡る。 「でもお母さんがお呂を怖がっているの。ボケたばあさんの言うことと、資格を持った介護師の言葉、どっちが正しいか誰が聞いても分かるだろうが。」
浩司はちがり、私を見ろして酷に言い放った。 「いいか?達也が気に入らないなら、からおの親をい施設にぶち込むぞ。俺のでそんな無駄な費をするのはごめんだがな。嫌なら度と俺の決めたことに文句を言うな。この恩らずが。」
浩司は私を乱暴に突きばし、リビングへとていった。 に倒れ込んだ私は、たいフローリングのでただじっと、自分の震えるを握りしめていた。
おかしい。絶対に何かがおかしい。 以の浩司なら、文句があるならおでやれ、と全部私に押し付けて終わりだったはずだ。
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それがなぜこれほどまでに、達也に介護を続けさせることに固執するのか。 そして達也はなぜ、私のではあんなに爽やかな青を演じながら、密で母にあざを作るような真似をするのか。
夫も義族も誰も信じられない。 このには私と母の方はもいないのだ。
25 、私はずっと波をてないように自分のを殺してきてきた。 鳴られても、義母に嫌みを言われても、私がすればいいと自分に言い聞かせてきた。 でももう限界だった。
私を粗末に扱うのは許せるけれど、私を杯に育ててくれた優しい母が、こんな訳の分からない暴力に怯え、尊厳を奪われることだけは絶対に許してはいけない。 私がお母さんを守らなきゃ、誰にも頼れないなら、自分で真実を突き止めるしかない。
私はからゆっくりとちがり、涙を拭った。 しみは静かでたいりへと変わっていた。
翌、私は母がデイサービスにっている隙を見て、隣町にある型量販へと向かった。 子をくかぶり、夫の目を盗んで溜めていたわずかなへそくりを握りしめて。 私がその購入したのは販のさな防型型カメラだった。 まさかそのさなレンズが、私の像を絶する夫たちのおぞましい計画を映しすことになるとは、このの私はまだるよしもなかった。
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