"浴室の鍵" 第11話
いじめで母を痛ぶって満したのか、達也はシャワーの温度をげ、適当に母の体を洗い始めた。
そして母を脱所の子に座らせた、ふとスマートフォンをに当てたのだ。
脱所のカメラの音声が達也のい声をはっきりと拾っていた。
彼は誰かに話をかけていた。
「ええ、はい。今もばっちりらせておきましたよ」
その声は私への報告ののように作られたの良いものではなく、たく事務な響きを持っていた。
達也は体誰と話しているのか。
次の瞬、話のスピーカーから微かに漏れ聞こえてきた相の声に私は全の血が凍りつくのをじた。
達也がスマートフォン越しに話しかけた相。
そのスピーカーから微かに、しかし確かに漏れ聞こえてきたのは私が25毎聞き続けてきたくしわがれた男の声だった。
「そうか、ご苦労だったな」
相は浩司だ。
私はパソコンの画面をい入るように見つめた。
臓が肋骨を突き破りそうなほど激しく打ち鳴り、鳴りがキンとのに響いている。
どういうことだ?
なぜ達也は母を虐待した直に浩司に報告の話を入れているのか?
「あのばあさん、もう完全にボケてて自分が何をされているのかも分かってないですよ。い湯をかけたら面いように鳴をあげてましたから」
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「そうか、ゆみ子のやつは気づいてないだろうな」
「ええ、おばさんは完全に僕を信用してますよ。バカみたいに『ありがとう、助かるわ』なんてげてきて、笑いこらえるのが変でしたよ」
画面のの達也が肩を揺らして品に笑う。
話の向こうの浩司も緒に声をてて笑っているのが分かった。
そのおぞましい笑い声が静まり返ったリビングに響き渡る。
25私は浩司の理尽な求にもたい言葉にも耐えてきた。
いつかしはが通いうが来ると信じて、彼の好みの料理を作り、綺麗にアイロンをかけたシャツを用し、波をてないようにきてきたけれど、彼にとって私というは都の良いだけの馬鹿な女でしかなかったのだ。
「おじさん、遺言のき換えの件はうまくいきそうですか?」
達也のその言葉に私ははっと息をんだ。
「ああ、ばあさんが完全に判断能力を失ったという実績さえ作れば、こっちの計画通りだ。ゆみ子から財産の管理権を奪って俺が成見になるはずをえている」
「さすがですね。あののと預全部に入ったら、約束通り俺への報酬も弾んでくださいよ。こんな臭いばあさんの相なんてい当じゃやってられませんからね」
「分かっている。ばあさんがく根をげて施設に入れば、そので施設代も払えるし残りは俺たちの自由だ。
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もうしの辛抱だ、しっかり頼むぞ」
話が切れる。
達也は「ああ、く消えねえかな、このクソばあさん」と吐き捨てながら母に乱暴にパジャマを着せ始めた。
私はパソコンの源を静かに落とした。
リビングの暗の、でソファに座り、井を見げた。
涙はもう滴もなかった。
あまりにも巨な悪と裏切りをにして私のは限界を超え、奇妙なほどにたく凍り切っていた。
夫の浩司と甥の達也。
そして急に財産の話を持ちしてきた義母。
彼らは最初からグルだったのだ。
母の持つ実のとわずかながら残された老の預。
それを奪うために浩司はわざと私から介護の協力を拒み、私を孤させ、疲労で参らせた。
そして救世主として達也を送り込み、密で母を虐待してともにらせ、判断能力を完全に奪おうとしていたのだ。
なんて恐ろしい男たちだろう。
の良を葬った欲な悪魔のような連だ。
「許さない」
暗ので私のからこぼれ落ちたその声は、自分でも驚くほどく、の底から湧きがってきたような響きを持っていた。
今まで誰かにりをぶつけたことなど度もなかった。
自分がすれば丸く収まるのだとそうい込んできてきたけれど、もうはしない。絶対に許さない。
私の尊厳を踏みにじっただけならまだ耐えられたかもしれない。
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