"浴室の鍵" 第12話
しかし彼らは私の切な母をおのために傷つけ、その命とをもてあそんだのだ。
絶対にあなたたちを獄に落としてやる。
私は両をく握りしめ、爪が肉にい込んで血がにじむのをじた。
泣いて逃げすつもりはない。
に任せて今すぐ浩司を問い詰めれば彼らは必ず言い逃れをし、証拠消しにかかるだろう。
戦うなら逃げを全て塞ぎ、息の根を止めるほど完璧な準備をしなければならない。
私はちがり、夫の寝の扉を静かに見据えた。
彼らが欲しいのが財産なら、その証拠は必ずこののどこかにあるはずだ。
まずは浩司の斎から全てを洗いざらい暴きしてやる。
私の静かな反撃がついに幕をけようとしていた。
翌の昼がり。
浩司は会社へ、達也は別の訪問先へっており、のには私とベッドで横になる母だけだった。
私は浩司が絶対に私を入らせない斎のドアのにっていた。
浩司の斎は普段は鍵がかけられている。
しかし私はっていた。
浩司が酔っ払って帰ってきた夜、スーツのポケットから鍵束が滑り落ち、それをリビングの棚の奥に無造作に放り込む癖があることを。
私は夜のうちにその鍵束から斎の鍵をこっそり抜き取っておいたのだ。
カチリとさな音をててドアがく。
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部のはタバコと古い類の匂いが入り混じった、浩司特の嫌な空気が漂っていた。
私はゴム袋をはめ、指紋を残さないように慎に机の引きしをけていった。
必ずあるはず、母の財産に関する類か、達也とののやり取りの証拠が。
番の引きしには会社の類や名刺が乱雑に入っていた。
段目、段目と探り、番のい引きしをけた、私の目はあるものに釘付けになった。
見覚えのない黒いのファイル。
それをそっと引き抜いてくと、には信じられない類が何枚も挟まれていた。
「偽の遺言……」
わず声が漏れた。
ここにあったのは佐々清、私の母の全財産及び産を女の夫である本浩司に管理を任し、は全額を譲渡するという内容の遺言の案だった。
母の署名欄には母の跡を真似た自然で歪な文字がかれている。
付は空欄になっていたが、隣には母の実印まで添えられていた。
母の実印は私が母の部の引きしの奥に隠しておいたはずのものだ。
いつのに盗みしていたのだろうか。
さらにページをめくると母の預通帳のコピーと浩司名義の別の通帳がてきた。
浩司の通帳の入欄を確認して私は再びりでが震えた。
ここにはに2回、達也の名義で5万円ずつが定期に振り込まれていたのだ。
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介護の伝いへの当てという名目にしては自然な額とタイミング。
これは違いなく母を虐待しらせるための報酬だった。
どこまでも腐っている。
私は急いでスマートフォンを取りし、全ての類、通帳のコピー、そして偽の遺言と実印の写真を枚ずつ撮した。
元の状態に寸分違わず戻し、引きしを閉める。
浩司に気づかれるわけにはいかない。
彼らが完全に油断し、勝利を確信しているその瞬を狙って全てを叩きつけなければがないのだ。
証拠を確保した私はそので再び診療所へと向かった。
林先に昨夜の画を見せると先は顔を真っ赤にして激し、「これは犯罪です。すぐにでも警察に」と声を荒げた。
「先、お気持ちは痛いほどわかります。でも今警察にけば夫たちは勝に鍵をかけた甥が暴しただけだと、責任をなすりつけるはずです。私は夫も義族も全員を逃すつもりはありません」
私の静かな、しかし氷のようにたい声を聞いて林先は息をみ、そしてく頷いてくれた。
先の紹介状と母の傷の診断、そして私が集めた全ての証拠を持って、私はついに弁護士の事務所の扉を叩いた。
事務所で迎えてくれた弁護士は髪混じり、の鋭い50代の男性だった。
彼は私が提した画、録音データ、類の写真にじっと目を通し、やがて太いペンを机に置いた。
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