"赤いドレスの代償" 第3話
菜々がまれ、健が独して今の部品メーカーをちげた、私たちの活はどん底だった。私はしでも計を助けるため、昼はスーパーのレジ打ちのパートにた。夜は菜々を寝かしつけた、健の会社の経理を無報酬で伝った。帳簿のつけ方から領収の理、への融資の類作成まで、会社の台を裏で支えたのは違いなく私だった。自分のなど何も買わず、すり切れた同じコートを着回し、菜々には作りのを着せた。
しかし、会社が軌に乗って従業員が増え始めた頃から、しずつ常の歯が狂い始めた。健の帰りは夜になり、私が丹精込めて作った夕は、たい卓のに放置される々が続いた。 ある夜、温め直した夕をすと、健はべただけで箸を投げ捨てた。 「こんなのい貧乏臭い飯、えるか! 俺はで何百万円というをかして稼いできてるんだぞ。誰のおかげでしのげて飯がえてるとってるんだ!」 彼に対するが音をてて崩れ始めたのは、そのだった。私に対する態度は、共に歩む妻から、ただの便利な政婦、あるいは見してもいいへと変わっていった。
さらに私を苦しめたのは、義両親の介護だった。健の父親が脳梗塞で倒れ、続いて母親もい認症を患った。
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健は「俺は社業で忙しい。男の嫁なんだから、おがで面倒を見るのが当然だろう。施設に入れるなんて勿体ない」と言い放ち、切の伝いをしなかった。
のお世話、夜の徘徊、認症の義母からのない暴言。「あんたみたいな貧乏がうちの健をたぶらかしたんだ、棒猫!」とおむつを変えるたびに腕を叩かれ、投げつけられる言葉は私のをしずつ削り取っていった。過労で私がをして倒れたも、健は「寄りの世話くらいでだらしがない。俺に移すなよ」と吐き捨て、別の部で寝た。
それでも私は、8というい、1で介護をやり遂げた。義両親が息を引き取るそのまで、健が病院や自宅に顔をしたのは数えるほどしかなかった。なぜそんな獄のような々を耐え忍ぶことができたのか。理由はただつ、菜々のだった。
私が疲れ果てて台所で隠れて泣いている、幼い菜々はさなで私の背をさすり、「お母さん、泣かないで。私がになったらお母さんを助けてあげるからね」と慰めてくれた。この優しい子から、どんな形であれ父親を奪ってはいけない。片親という理由で将来この子が肩の狭いいをしたり、結婚で相の親から利な扱いを受けたりすることだけは絶対に避けなければならない。
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そので、私は自分自のを殺し、物分かりの良い逆らわない妻を演じ続けてきたのだけれど、私のいも今で終わる。
無事に披宴がおきとなり、招待客たちが笑顔で帰につく、健と美は私に見向きもせず、さっさとタクシーに乗り込もうとしていた。 「おい、弓。俺たちはこれから美の親戚のところへく。おは1でで帰れ。今のご祝儀の管理は俺がやっておくから、余計なしはするなよ」 の窓から投げ捨てられたその言葉に、私はただ静かに無言で礼しただけだった。
夜、誰もいない暗くたいに帰り着いた。いつもなら夫の帰りを待ちながら1でため息をつくこのリビング。しかし今夜の私は、迷いなく寝の奥にある古い机へと向かった。引きしの奥く、厳に鍵をかけたさな箱がある。
私は何もらないただの専業主婦ではない。健は私が会社の経理からされて以来、会社のことも計のことも何も気づいていないと信じ込んでいる。だが、私はっていた。ここ数、会社の売が自然に減していること。健の個な座に毎所のが振り込まれ、それがすぐに別の座へ移されていること。そして元経理であるあの林美という女がそのの流れにく関わり、2で私の老資まで使い込んでいること。
私は箱をけ、に入っている分い茶封筒を取りした。
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