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"赤いドレスの代償" 第12話

「どういうことよ……?」 美の声がしだけ震えた。 「先ほど、あなたは健からプレゼントとしてもらったと主張されましたね。しかし、会社からあなたの座へ振り込まれたおの名目は、すべて架空のコンサルタント料や、しない架空の仕入れ先への支払いとして処理されています」

弁護士はキーボードを叩きながら、次々と証拠の類を画面に映しした。 「あなたが元経理であったことを利用し、会社の帳簿を改ざんして資を横領したな証拠です。これは単なる男女の痴話喧嘩ではなく、派な業務横領および詐欺罪にあたります。すでに々の監査チームが、過分の裏帳簿のデータ復元に成功しています」 「な……」 美の顔からさっと血の気が引いた。

「さらに」と、私は静かに言葉を継いだ。 「美さん、あなたは会社の資を自分の座に移したと言いましたね。でもそのおは今、あなたの座には1円も残っていませんよ」 「え……?」 美抜けな声をし、目を見いた。 「嘘よ! 私の座には健さんから巻きげたおと、弓さんから奪った老がしっかりと……!」

は慌てて自分のスマートフォンを取りし、のアプリをいて残を確認しようと指を震わせた。しかし、私は彼女の言葉を遮り、さらなる絶望を突きつけた。

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「あなたが私や健さんの目を盗んで、もう別の男性と密会していたこと。そして、その男性の指示で横領したおをすべて彼が用した投資座に送していたこと、私が気づいていないとでもったの?」

のスマートフォンを持つがガタりときな音をててに落ちた。応接に響いたのは、美から滑り落ちたスマートフォンがに転がった音だった。 「嘘……嘘よ! 彼が私を騙したっていうの!?」 美にへたり込み、両を抱えた。

彼女が密かに密通していた別の男性というのは、SNSでった自称若実業だった。甘い言葉と華やかな活をアピールするその男にすっかりになった美は、健から巻きげたおや会社の資を、すべて男の指定するの投資座へと送していたのだ。しかし、その男の正体は巧妙な投資詐欺グループの員に過ぎなかった。佐藤ホールディングスの調査チームがの流れを追った結果、その座はすでに凍結され、男も方をくらましていることが判したのだ。

「私のお……私のしいマンション……私の完璧なが……!」 美を叩き、子供のように声をげて泣き叫び始めた。

その無残な姿を見ろしながら、健の顔にはりとも絶望ともつかない歪んだ痙攣がっていた。

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自分より遥かに若い美しい女にされていると信じ、になっていた55歳の男のプライドは、完全に々に打ち砕かれた。彼は罠罠と震えるで美を指差し、鳴り声をげた。 「このふざけた女が! 俺を騙して、俺の会社のまでの男に貢いでいたのか! おのせいで俺の会社は、俺のは終わりだ!」

は美に掴みかかろうとしたが、弁護士の背に控えていた屈なスーツ姿の男性たちに静かに制止され、ソファに押し戻された。

普通ならここで自分の愚かさに気づき、私に対して座でもして許しを乞う面だろう。しかし、26常に自分を正当化し、私を見すことでしか自尊を保てなかったこの男は、信じられないた。極限まで追い詰められたことで、彼のの卑劣な本性が完全に暴を始めたのだ。 「ふざけるな! 俺は悪くない! 俺は社だぞ! こんな女の戯言で、俺がすべてを失うなんてあり得ない!」 健は血った目で私を睨みつけると、突然狂ったように笑いした。 「わははは! そうだ! 弓、おは俺の妻だ! そしてあの5000万円の借の連帯保証だ! 契約にはおの実印がはっきりと押してある! 跡だっていくらでも言い逃れできる! 美を横領したとしても、からを借りた責任は連帯保証のおにもあるんだ!」

彼はがり、応接のインターホンを乱暴に叩いた。 「おい! 役員たちを全員今すぐこの応接に呼べ! それから顧問弁護士のもだ! 急げ!」

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