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"赤いドレスの代償" 第18話

義理の妹である恵子が、センスで元を隠しながら嫌な声で笑った。 「全くだ! 親父とお袋の財産をしでも分捕ろうって腹積もりなんだろうが、そうはいかないぞ。おみたいな悪女には、1円とも渡さないからな!」 義弟の浩司も私を睨みつけながら、吐き捨てるように言った。

私は彼らの暴言に反論することなく、静かに部の末席、仏壇から所に正座した。浩司も恵子も、義両親がきている、このに顔をしたのはに1度のお正だけだった。義父が倒れ、義母がい認症になってのお世話が必になっても、「俺は自分の族を養うのに忙しい」「私は嫁にだから、男の嫁が面倒を見るのが当たりでしょう」と言い放ち、介護をすべて私1に押し付けた。私が過労で倒れそうになりながら、夜に徘徊する義母を泣きながら探し回っていた、彼らは何伝おうとはしなかった。それなのに、両親がくなり「1億円以の遺産があるかもしれない」と聞いた途端に、こうして目を輝かせて集まってくる。そのあまりにも浅ましい姿に、私はりよりもれみをじていた。

がわざとらしく咳払いをして、親族たちを見回した。 「俺の会社は、この女の裏切りによってきなダメージを受けた。だが、俺には田男として、親父とお袋が残してくれたこの広敷がある。

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そして何より、お袋がぬまで誰にもけさせなかった、あの庫があるんだ」

がって弁を振るうと、親族たちの目のが変わった。彼らは皆、義母が昔から「このには先祖代々の財産が眠っている」と誇らしげに語っていたのを信じ込んでいるのだ。 「浩司、恵子。俺は男として今、ここで遺産の全額を相続する。だがしろ、おたちにもしは分けてやるつもりだ。俺はこれからしい事業をげて、再び族を引っ張っていくからな!」 「さすがはお兄ちゃん! 頼りにしてるぞ!」 「兄貴、頼むよ!」 浩司と恵子がを叩いてぶ。その異様な狂の、健は私を見ろし、傲な笑みを浮かべた。 「さあ弓、おの公処刑のだ。全員の庫をけ、俺が真の財産をにする瞬を見せてやる。そしてその婚届にサインし、慰謝料も財産分与もすべて放棄すると誓え!」

は私を顎で指し、がるよう促した。親族たちがゾロゾロとがり、義母が使っていた奥の寝へと向かう。私は静かにそのろをついて歩いた。廊を歩きながら、私は軋むの音を聞いていた。この廊を、私は毎回と往復した。義母の汚れたシーツを洗い、べこぼしを拭き取り、罵倒されながらも懸命にきた8の記憶が、このの至るところに染みついている。

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奥の寝の隅に、黒くな鉄の庫が鎮座していた。さが腰の辺りまである、かなり古い代物の庫だ。 「お袋がくなった、俺が密かに鍵とダイヤルの番号をき留めたメモを回収しておいたんだ。さあ、いよいよご対面だぞ」 健が震えるでダイヤルを回し、鍵穴に古い真鍮の鍵を差し込む。親族たちが息をんで見守る、ガチャンとい音がして、庫の扉がゆっくりとかれた。

「おお……!」 浩司と恵子がを乗りす。健の顔は、これから目にび込んでくるであろう札束のの延べ棒を像して、だらしなく緩んでいた。しかし、扉が完全にかれた瞬、健きがピタリと止まった。 「な、んだ……これ、は……?」

庫の暗く、そしてほとんど空っぽだった。札束も、塊も、価な宝も、何つ入っていない。そこにあったのは、茶に変した古い封筒が、たった2つだけだった。 「嘘、だろう……? は……財産はどこにあるんだ!?」 健はパニックになり、庫のを入れて奥まで探ったが、やはり何もなかった。

「お兄ちゃん、とりあえずその封筒をけてみてよ! の通帳やの権利が入ってるはずよ!」 恵子が焦ったような声で叫んだ。健は震えるで1つ目の封筒をけ、に入っていた数枚の類を取りした。それは確かに、この敷の産登記簿謄本だった。

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