"録音機が暴いた義実家" 第6話
それを百も承ので、母はわざと弓の古傷に塩を揉み込むような暴言を吐いているのだ。 「申し訳ありません……私が至らないばかりに、本当に申し訳ありません……」
弓の声はかすれ、刻みに震えていた。エプロンのが擦れるカサカサという音が聞こえる。おそらく弓は、母と妹のにち、々とをげて謝り続けているのだろう。私のでは度も見せたことのない、怯えきったさな声。その声を聞いた瞬、私の胃袋がギリギリと雑巾のようにひねりげられるような、い吐き気が込みげてきた。 「申し訳ありませんって、ではいくらでも言えるのよ。体ね、あんたはうちのたかしの稼ぎで、のうのうとべさせてもらっている分でしょうが。ちょっと、偉そうにしないでちょうだい!」
美穂の容赦のない言葉が続く。弓は度も、私に対しても実に対しても偉そうな態度など取ったことはない。むしろ、私に経済な負担をかけまいと、「所のスーパーでパートにようか」と何度も相談してきていたのだ。それを、「にいて、ナナのそばにいてあげてほしい」と止めたのは、でもない私なのだ。 「ごめんなさい……ごめんなさい……」
弓はただ、壊れた械のように謝り続けていた。反論すれば、さらにに油を注ぐことになると分かっているのだろう。
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嵐が過ぎるのを、ただひたすらを抱えて絶え忍ぶように。 「本当になんでたかしは、こんな孤児みたいな女を拾ってきたのかしらね。柄も何もない、ただの寄虫じゃないの」
母のその言葉に、私はデスクの端をく握りしめた。指の関節がくなり、爪がにい込んで血が滲みそうだった。
つい2、玄関で弓のを握り、「ゆみさんは私たちの自のお嫁さんよ」と優しく微笑んでいた母の顔が脳裏に浮かぶ。あの優しい笑顔の裏で、母はこんなおぞましい本性を隠し持っていたのか。私は38もこの女たちを「族」だと信じ、あろうことか弓に対して「仲良くしてくれ」としていたのだ。 「お母さん、もうこんな女、しちゃえばいいじゃないですか」
美穂が、まるで今の夕のメニューを決めるような、軽い調で言い放った。 「そうね。ナナちゃんがかわいそうだわ」 「お待ちください! それだけは……それだけは!」
突然、弓の痛な叫び声が響き渡った。ドサッという鈍い音がする。おそらく、に激しく膝をついたのだろう。座をしているのだ。 「私、もっと頑張りますから……! お義母さんや美穂さんに認めてもらえるように、何でもしますから! どうか、たかし君たちと引きさないでください……!」
嗚咽をもらしながら必に懇願する弓に、母はで笑ってこう言い放った。
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「もし、たかしにしでも今のことを告げしてみなさい。私たちがたかしを説得して、あんたなんかすぐこのから追いしてやるわ。血の繋がった私たちの言うことを、あの子が信じるに決まっているんだから」 「そうよ。お兄ちゃんに泣きついても無駄だからね! 私たちが『お義姉さんにいじめられた』って泣けば、お兄ちゃんは絶対にあんたを追いすわ」
なんという卑劣な脅迫だろうか。孤児として育った弓にとって、せっかくに入れた族を失うことは、よりも恐ろしいことだ。母と妹は、弓のその最の点を正確に見抜き、逃げを完全に塞いだで、彼女をサンドバッグのように痛めつけていたのだ。 「そうなったら、ナナちゃんの親権も絶対におには渡さない。おはまた、元の1ぼっちできていきなさい」 「嫌……! ナナだけは、ナナだけは……!」
弓の泣き崩れる声が、洗面所で声を殺して泣いていた彼女の姿と完全になった。たいに蹲り、自分のを塞いで涙を流していた妻。彼女は、私とナナを失わないために、この獄のような仕打ちを1だけで抱え込んでいたのだ。「自分がすればいい」と、を殺して。
私は両で顔を覆い、斎の暗ので声を殺して激しく泣いた。りよりも先に、激しい悔と、弓への申し訳なさが津波のように押し寄せてきた。
私はなんて愚かだったんだ。妻のSOSに気づかず、脳気に「親父の様子を見にこう」
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