"録音機が暴いた義実家" 第21話
修おじさんがゆっくりとを伸ばし、その類をに取った。
分い老鏡をかけ直し、数秒、無言で類に目を通す。その、おじさんの眉のシワはどんどんくなり、持っているの端がかすかに震え始めた。 「……なんだこれは」
修おじさんの声はく、しかしの底から響くようないりに満ちていた。 「毎数万円、ボーナスには30万円も引きし、この振り込み先の『タカハシサチコ』というのは、義姉さん、あなたですね!」
おじさんが鋭い線を向けると、母は「ひっ」と息を呑み、顔を両で覆った。 「修おじさん、それだけじゃありません」
私はさらに、1枚のプリントアウトされた用をテーブルの央に置いた。 「これは、妹の美穂がSNSに投稿していた写真です。通帳から5万円が引きされた翌、美穂は作のブランドバッグを買ったと投稿しています。30万円が引きされた直には、泊数万円の級旅館で、母さんとで豪華な事を楽しんでいる写真がアップされていました」
親戚たちのから、「えっ、嘘でしょう……」という、信じられないものを見るような声が漏れ始めた。 「母さん、美穂。あんたたちは弓に『を継ぐための指導料』だの『将来の同居のための貯』だと言いがかりをつけて、弓が独代からしずつ貯めてきた切なおを脅し取っていた。
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そしてそれを、自分たちのブランド品や旅のための遊興費として、湯のように使っていたんだ!」
私の静かな、しかし刃物のようにたい言葉が広に響き渡る。 「さらに、このだ」
修おじさんが、忌々しそうにそのを掲げた。 「『婚の際は親権をすべて譲渡する』『慰謝料として現500万円を支払う』……これはただのいじめや嫌がらせではない。確な殺すらじる悪質な恐であり、完全な犯罪だ!」
元支であるおじさんのからた「犯罪」という言葉。それは、これまで世体だけを取り繕ってきた母にとって、刑宣告も同然だった。 「違う! 違うのよ、修さん!」
母はにいつくばるようにして、修おじさんの元にすがりついた。 「ゆみさんが、ゆみさんが『自分から使ってください』って言ったのよ! 私たちは無理やりなんて……」 「『私から払わなければ嘘をついて追いす。ナナちゃんを取りげる』と、脅されました!」
これまでずっと私のろに隠れて震えていた弓が、初めてはっきりとした声で反論した。その声には、もう以のような怯えはない。私のをしっかりと握りしめ、を向いている。 「この嘘つき! 孤児のくせによくもそんなデタラメを!」
美穂が顔を真っ赤にして叫んだが、その直、ターン! という鋭い音が広に響き渡った。父の雄がちがり、美穂の頬をい切り平打ちしたのだ。
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「……お父さん?」
美穂は頬を押さえ、信じられないという顔で父を見げる。父は全をワナワナと震わせ、目には涙を浮かべていた。 「おたち……おたちなんて恐ろしいことを……! ゆみさんがどんないで、どんないで私に減塩のおかずを作ってくれていたか……! おたちは、のがないのか!!」
温で、これまで度も声を荒げたことのなかった父の激。それは母と美穂にとって、何よりも恐ろしい現実だった。父は崩れ落ちるように座り込み、 「すまない、たかし……ゆみさん……私が甲斐ないばかりに……」 と、両で顔を覆って号泣し始めた。
親戚たちも、完全にりと軽蔑の表を隠さなくなっていた。 「ゆみさん、いつもヨレよれのコートを着てたじゃない。自分のも買わずに、あんな女たちにおを絞り取られてたなんて……」 「鬼畜よ。のやることじゃないわ」
30からの酷烈な線が、針のむしろとなって母と美穂に突き刺さる、そのだった。 「ちょっと! どういうことですか!?」
座に座っていたさゆりが、ヒステリックな声をげてちがった。彼女は母の腕を力任せに振り払い、りで顔を歪ませていた。 「さっきから聞いていれば、おを脅し取っていた!? 慰謝料をぶんだくって婚させる!? お義母様、あなた私に何て言いましたか? 『弓は実で借まみれだからく別れさせて、さゆりさんを迎えたい』って言ったじゃないですか!!」
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