"洞窟に残った少年の声" 第6話
。
彼女は記事を分けて投稿し、実のテープの部も音声ファイルとして公した。
最初の反応はかった。
だが、数、投稿はオンラインコミュニティに共され、急速に広まり始めた。
「この声、本当に子どもじゃないか」
「22にこんな事件が?」
「渡辺浩司が関わっているなら問題だ」
「田実の真実をらかにしろ」
ハッシュタグは検索位にがり、テープのコピーはネットに拡散された。
渡辺浩司側はすぐに声をした。
「悪ある噂と捏造された証拠により、公を貶める為であり、法措置を検討する」
けれど、度漏れした声は、もう止められなかった。
その夜、子の部のチャイムが鳴った。
ドアのには70代の老がっていた。
「斎藤正と申します。1987、ドラマ『』で撮監督補佐をしていました」
老はさな箱を抱えていた。は震え、声もかすれていた。
「これを22、隠し持っていました」
箱のには、古い8mmフィルムと型カメラが入っていた。
「あの、私は個にバックショットを撮っていたんです。監督が自然な面を好むだったので」
斎藤は喉を鳴らし、続けた。
「実君が消えたその瞬まで、私は撮っていました。渡辺浩司と監督が言い争う姿。実君がそれをテープレコーダーで録音する姿。そして、あの子が自分のバッグを岩の隙に隠す姿まで」
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子は息をのんだ。
実は偶然、証拠を残したのではない。
自分のに何かが起こると予し、図に残したのだ。
フィルムを現像すると、映像は奇跡に残っていた。
そこには、岩に隠れ、さなテープレコーダーを握る実の姿が映っていた。たちの会話を録音し、周囲を警戒している。やがて彼は自分のバッグを岩の隙へ慎に押し込んだ。
最の面で、実はカメラの方を見た。
唇がさくいていた。
子は何度も映像を止め、読み取ろうとした。
「もし僕が戻れなかったら、真実を話してください」
11歳のは、自分の運命をっていた。
子はその映像をネットに公した。
本が衝撃に包まれた。
実のテープと8mmフィルムは、1で100万回以再された。では追悼集会がかれ、国会にはろうそくを持った民が集まった。
「真実をらかにしろ」
「田実の声を無するな」
実のさな声は、22のを越えて、本に響き始めていた。
2009925、国会の公聴会には、記者と民が詰めかけていた。
ドキュメンタリー『実の最の証言』が放送されてから3。本が22の事件の真相を求めていた。
午10、渡辺浩司文部科学臣が入した。
普段の堂々とした姿はなかった。顔は悪く、肩は落ち、晩で老け込んだように見えた。
委員が厳粛な声で言った。
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「証は、198757、京都・清寺で田実君が失踪した事件に関し、真実を証言する義務があります」
渡辺は乾いた声で答えた。
「私はその事件について、記憶が定かではありません」
野党議員の佐々守がを乗りした。
「証は当、清寺の撮現にいましたか。はい、いいえで答えてください」
「……はい」
「なぜ現にったのですか」
「文化コンテンツ事業の察です」
佐々議員は資料を掲げた。
「証は田実君の実の父親ではありませんか」
会が瞬、静まり返った。
渡辺の顔が青ざめた。
「それは事実無根です」
「では、DNA鑑定に応じますか」
渡辺が答えに詰まった、そのだった。
傍聴席から女性の声が響いた。
「嘘をつかないで」
全員が振り返った。
そこにいたのは林だった。
病院から抜けし、ここまで来ていた。警備員が止めようとしたが、は震えるでちがり、叫んだ。
「渡辺浩司。あなたが実の父親だって、私はっている。1982、造所であなたが私にしたことを全部覚えている」
会は騒然となった。
記者たちのカメラが斉にへ向けられた。
は涙を流しながら続けた。
「私の夫をなせたのも、私を精神病院へ追いやったのも、そして私の息子まで奪ったのも、あなたよ」
彼女の声は絶叫にかった。
「私の息子を返して。私の実を返して」
はそのに崩れ落ちた。
22以押し込めてきたしみ、り、罪悪が、すべて涙となって溢れていた。
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