みかん小説
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"双子の消えた春" 第1話

桜が咲き誇るの 4 のことでした。野のさな町からの若者が京へと旅ちました。卵性の双子の兄弟です。幼い頃から町の自で、揃って名学に格し、あのしい暮らしへの希望に胸を膨らませていました。

だが学の入学式のそのの朝、宿をていった度と々のに姿を見せなかったのです。駅にも式の会にも、がそこを通った痕跡はどこにもありませんでした。まるで朝のに溶けて消えてしまったかのように。

警察は懸命に方を追いましたけれども、がかりは何つ見つからないまま、季節は巡り、は流れていきます。そして 16 、すっかり髪になった両親が胸の奥にしまい込んでいたある真実をぽつりとにした、止まっていた計が再び静かにき始めるのです。

これは族のさな秘密とつのしい来事を巡る物語。い沈黙の果てにようやくたどり着いた本当の真相のお話です。どうぞ最までごゆっくりお付きいください。

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野県のさな町がありました。

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方をなだらかなに囲まれ、町の真んを浅い川が流れています。になると川辺の桜並斉にをつけ、町が柔らかな桃の霞に包まれるのでした。

町のには古くからの商がありました。決してきくはありません。の狭いが肩を寄せうようにして並んでいます。野菜をのように積んだ、鍋やざるがぶらがった先で聞を広げているタバコ。夕方になると豆腐のラッパがプープーとのんびりした音を響かせて通りを抜けていきました。

平成の初めの頃です。世のはまだどこか昭の名残りを引きずっていました。バブルの景気はとうに終わりかけていましたが、この町のような所には元々派な景気浮揚のなどほとんど吹いてはいなかったのです。々は変わらず田畑を耕し、け、季節と共に静かに暮らしていました。

れには田んぼと畑が広がっています。その階建ての古い団棟ポツンとっていました。古びた団です。コンクリートの壁はに黒ずみ、の階段は登りりする度に鉄の音がカンカンと鳴りましたけれども、どののベランダにも洗濯物が干され、夕暮れにはどこからともなく噌汁の匂いが漂ってきます。そこには確かに々の暮らしがありました。

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その団というんでいました。父親の信さんは町のさな真面目に働いてきたです。数はなくで笑うことも滅にありませんでしたが、その分約束は必ず守る芯の通った物でした。母親の子さんは所のスーパーでパートの仕事をしながらのことを切り盛りしていました。柄でいつもこまめに体をかしている世話好きなでした。

そしてこの夫婦には自の息子がいました。双子の兄弟です。兄が也、弟が達也。は本当によく似ていました。顔ちも声も、笑ったの頬にできるえくぼまでそっくり同じです。所のさえしょっちゅう取り違えるほどでした。

也の方がほんのわずかに背がく、達也の方がでしたが、それもよくよくっているでなければ気づかないくらいの差でした。「どっちがどっちだかさっぱりわからんよ」商たちは笑いながらそういったものです。すると双子は顔を見わせていたずらっぽくにっこりと笑うのでした。

は幼い頃からそれはもう評判の子供たちでした。でもでもテストといえばいつも位に名が並んでいます。それでいて勉ばかりの堅苦しい子ではありませんでした。

には川で魚を追いかけ、にはに栗を拾いにき、寄りの荷物を見かければさっと駆け寄って運んでやる。

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