みかん小説
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"双子の消えた春" 第12話

老いた刑事と、疲れ果てたの男。どちらの顔にもみが刻まれていました。

「ゆっくりでいい。話したいことを、話したいように話してくれ。私はそれを聞くだけだ」その穏やかな言葉に、週の固く結ばれていた元がかすかに緩みました。そしてぽつりぽつりと、まるで堰き止められていたが溢れすように、週はあのの本当の来事を語り始めたのです。

「あれは。週まれて初めて双子の弟たちに会いに京へきました。きっかけは週がある、自分の母、信夫さんと若きに別れたあの女性から全てを聞かされたことでした。自分の父が今もきていること。そしてその父には、自分と血のつながった双子の弟たちがいること。

迷ったと言います。会うべきか、会わざるべきか。今更名乗りて、平穏に暮らしているたちの庭を乱していいものか。けれどもどうしても目会ってみたかった。血を分けたたったの弟。そのってしまった以、もうらなかった頃には戻れませんでした。そこで週は、双子がちょうど学に入学した頃を見計らって、誰にもられず京へ向かったのです。

「弟たち、也君と達也君は」週は声を震わせました。「最初は驚いていました。

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突然らない男が自分たちの兄だと名乗ったのですから当たりですけれど、すぐ目に涙が滲みました。あの子たちは本当に優しい子たちでした。最初の戸惑いが過ぎると、双子は週を温かく迎え入れてくれたのだと言います。

あのすりガラスの扉のさな喫茶、捜査員が唯がかりとしたあので、は何度も会いました。刻な顔をしていたのは喧嘩をしていたのではありませんでした。お互いのまれやこれまでのを恐る恐る打ちっていた、初めて血を分けた兄弟が距に戸惑いながらもを通わせっていたのです。

「兄さん」と、週は声をこらえました。「あの子たちは私のことを兄さんと呼んでくれたんです。まれて初めて私は誰かに兄さんと呼ばれたんです。きてきた週にとって、それがどれほど胸にしみる言葉だったか、取り調べの笠原刑事には痛いほど伝わってきました。

そして入学式を目に控えたある、双子の方から週にこんな提案をしたのだそうです。「兄さん、俺たち、入学式の、兄さんの暮らしている町に遊びにきたいんだ」

は驚きました。入学式の事なにそんなことをしてはいけない、両親がどんなに配することか。けれども双子は譲りませんでした。

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「遅れるくらいなら何とでもなる。でも兄さんと族として過ごすは、今を逃したらもうないかもしれない。俺たちは兄さんのことをもっとりたいんだ。父さんや母さんにはいつかちゃんと話す。でもそれまでにまず俺たち兄弟だけで、本当の族としてどこかへかけてみたいんだよ」

その真っすぐな言葉に週はとうとう首を縦に振りました。入学式のその朝、宿をた双子は学へはかず、の週む町へと向かったのでした。誰にも告げず、たっただけの、さやかなけれどにとっては何よりも切な族旅のために。

ここまで聞いて、笠原刑事は静かに訪ねました。「それで、也君と達也君は今も、そのあなたの町に……」

は答えませんでした。机に両をつき、く俯きました。その肩が刻みに震え始めました。そして絞りすように週は続けたのです。

「そので楽しいを過ごしました。私の働くを見せ、辺を歩き、さな堂で緒に事をしました。双子は子供のようにはしゃいでいた。週まれて初めて族というものの温かさをった。それは週番幸せなでしたけれども、その帰りのことでした。

夕暮れのの細い、私が運転するで双子を駅まで送ろうとしていたその途

それはほんの瞬の来事でした。カーブのでした。対向が突然センターラインをはみして向かってきた。

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