みかん小説
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"双子の消えた春" 第14話

、捜査本部で見切りを告げられたあのと同じように。けれどあのとは違って、今度こそもう希望にすがることはできないのでした。

その晩、夫婦は声をげて泣いたと言います。こらえてきたしみがついに堰を切って溢れしたのです。隣の部にまで聞こえてくるその泣き声を、坂巡査は玄関のち尽くしたまま、ただ聞いていることしかできませんでした。

それからしばらくの、夫婦は塞ぎ込んで過ごしましたけれども、というものは議なものです。最もしみの底で、ほんのしずつ夫婦のに別のいが芽え始めていました。それは也と達也が最にどんなを過ごしていたのかということでした。

ある子さんがぽつりと信夫さんにこう言いました。「ねえ、お父さん、あの子たちはじゃなかったんですね。最にあの子たちにはお兄さんがいてくれた。で笑ってを見て、ご飯をべて。あの子たちはちゃんと族と緒にいたんですね」

その言葉に信夫さんの固く閉ざされていた表がわずかに揺らぎました。双子は見らぬ所でぼっちで消えたのではなかった。血を分けた兄と共に幸せなを過ごし、その最まで族に囲まれていた。

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それは夫婦にとってただつの救いでした。

そしてもうつ、夫婦の胸にはずっと引っかかっていることがありました。週のことでした。腹違いとはいえ、信夫さんの息子、双子にとってはたったの兄。その週が今もたったれない罪の識を抱え込んできているというの。信夫さんは考え込みました。週む気持ちが全くなかったと言えば嘘になります。あの子が双子を誘いさなければ、あの提案を断っていれば、そうう気持ちはどうしても消えませんでしたけれども、その方で信夫さんには分かってもいたのです。番悪かったのは週でも双子でもない、その隠し続けてきた自分自ではなかったか。

「もし自分がもっとく全てを打ちけていれば、週を堂々と族として迎え入れていれば、あの子たちはこそこそと隠れてうことも、誰にも告げずにかけることもなかったはずだ。私のせいだ」信夫さんはつぶやきました。「私が臆病だったから、あの子たちを苦しめ、週を苦しめ、そしてこんなことに」

子さんは夫のその背にそっとを置きました。「お父さん、もう誰のせいかなんて言うのはよしましょう。あの子たちはきっとそんなこと望んでいません」そして子さんはこう続けたのです。

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「それより週さんに会いにきましょう。あのも私たちの息子なんですから」

信夫さんはしばらく妻の顔を見つめていました。そしてゆっくりとく頷いたのでした。

桜が再び咲き誇る、信夫さんと子さんはのあの辺の町へと向かいました。週は全てを警察に語った勤めたに事を打ちけ、警察の捜査に協力していました。事故の責任をどう問われるのか、その先を彼は静かに待っていました。のどこかでずっと待ち望んでいたその

が暮らすさな古いアパート。その戸に信夫さんと子さんがった、戸をけた週は両親の姿を見てそのに崩れ落ちそうになりました。「お父さん、お母さん」これはまれて初めて週にする言葉でした。ずっとでだけ呼んできたその言葉、けれど決して面と向かって呼ぶことが許されないとっていたその言葉。

はそのに両をつき、額を面に擦りつけました。「申し訳ありません。私のせいで也君と達也君を…… どうか、どうか私を罰してください」面にひれ伏したまま、週は謝罪しました。分の悔としみがその痩せた背から溢れしていました。

信夫さんはしばらくそのひれ伏した息子を黙って見ろしていました。

そしてゆっくりとしゃがみ込み、その震える肩にそっとを置いたのです。

、初めて父がその名を呼びました。

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