みかん小説
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"隠された十五年の物語" 第10話

両親が警察に話し損ねたままが過ぎたため、この装飾品のをるのは岸本夫婦と、女を最に見ただけだった。

「岸本さん」

黒田の声が急にさくなった。

「あんた、っとったんか?」

「私たちはずっと真相をりたかったんです。ずっとずっとりたかったんですよ、黒田さん」

いい沈黙が続いた。

テープので酒の徳利が畳に置かれる音が響いた。

次に聞こえたのは、すすり泣くような細くい声だった。

それは岸本の声ではなかった。

「あの子は……」

黒田の声はもう普段の張りがなく、喉の奥が震え、ほとんど言葉にならない細い息のような声だった。

「あの子は俺の父の畑の奥にある蔵のにいる」

「もう度、はっきり言ってもらえますか」

岸本の声はここでも決して相を急かさず、穏やかで丁寧だ。

だがその声の底には揺るぎない決が宿っていた。

黒田はしばらく嗚咽を堪えるように肩を震わせていた。

やがてもう度はっきりと言った。

「父の畑の奥の蔵だ。あそこに、あの子はずっといる」

テープはそこでい無音になった。

宅は再を止め、両でく顔を覆った。

い彼はかなかった。

肩がわずかに震えていた。

蛍灯の細い子音だけが、夜更けの警察署の廊にじじと響き続けていた。

平成、あの。

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の女は叔母のでナスの煮物、サバの塩焼き、若布の噌汁をべ、「ごちそうさま」とをわせて自転に乗ってをた。

その自転で待ち伏せていた男がの途で彼女を呼び止めた。

女は男の父の畑の奥にあるさな蔵へ運ばれ、そこに閉じ込められた。

それから、女はずっとその蔵のに眠っていた。

その真実を、岸本と静はものをかけ、ゆっくりとづき、所付きいをね、芸教で妻同士の言葉を交わし、釣り具先で孤独同士の話を交わし、ようやく目の、居に引っ越した、酒の席で真相を聞きした。

宅は机のの女の写真にもう度目を落とした。

桜のので穏やかに笑う美ちゃん。

「ようやく真相にたどり着いたぞ」

声が震えた。

翌、宅とは改めて、夫婦のの取りを町の民の証言と記録から丹に再構成した。

、引っ越し当。

朝く荷物を運び入れ、夫婦は所軒軒に作りの田舎饅を配り、丁寧に引っ越しの挨拶を済ませた。

黒田のにもで訪ね、「これからどうぞお見りおきを」とをげた。

黒田は懐こい笑顔で迎え、当のうちに妻が静を芸教の発表会へ誘った。

「来週末だけど、よかったらいらしてください」

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静は丁寧にお辞儀をし、「んで伺います」と答えた。

、夫婦はの細々とした荷物を片付けた。

側の窓を何度もけ、向かいの黒田宅を眺め、物置の入り、の往来、畑の隅の蔵の様子を、ノートにつつき留めていた。

昼、静は黒田の妻と連れって隣町の公民館でかれる芸発表会へかけた。

夕方まで戻らない予定だった。

当の夕方、は徳利を本持って黒田のを訪ねた。

「奥さんはかけていると聞いたので、男同士杯やりませんか」

黒田は懐こく彼をのへ招き入れた。

そしてその夜、あのカセットテープに録音された会話がわれた。

朝、夫婦は夜けにくの郵便局にち寄った。

窓の女性がはっきり覚えていた。

円切を量に購入した齢の夫婦がいたと。

あの朝、はみのある型封筒にノート、写真、カセットテープを納め、郵便でどこかへ送りしていた。

宛先は隣のの、に宅がるの古い記者の名だった。

岸本はそれからに戻り、

もうセット分の同じ記録とテープの複製を、何にも油で包んで錆びた菓子缶に納め、側のにそっと埋めた。

郵便で送ったもうセットが何らかの事で届かなかった、あるいは届いても誰かに握りつぶされたのための保険だった。

こうして全ての準備を済ませた昼がり、は茶卓に向かって最の茶を淹れた。

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