"70 円扱いされた 31 万仕送り~贔屓する義両親との決別" 第12話
俺にくれよ。
指を差しながら荒々しく声をあげ、急に逆切れする息子。
私のでは優しい態度であったが、嫁のだとひどい勝な男のようである。
こんな息子の姿は今までらなかった。
今度は私に指を指し、声を張りげた。
を引きすなって言うけどさ、片親で寂しいいばかりさせてたんだからくれるのは当然だろ。
欲しいものがある。いつもに来たらくれてたじゃないか。ただの ATM が文句を言うな。
今度は私がぽかんとをけてしまった。
確かに寂しいいはさせているとい、できるだけ息子の願いは叶えてきた。
しかし私は息子にとって便利な ATM だったらしい。
あの優しい表は全て偽りだったのだ。
息子の本性に完全に呆れてしまった。
そうわれているのなら私はもう容赦しない。
浮気までしてお母さんにそんなこと言うなんて信じられない。私とは婚してください。もう息子とはえないわ。今まで勝に持っていったお全部返してもらうから。もちろんかほさんにも返しなさいよ。
2 してきっぱり告げると今度は息子が慌て始めた。こんな事態に発展するのは困るのか。目に涙を溜めて勢いよく首をに振り、すがりつくように私と息子嫁を交互に見ている。
違う、違うんだよ。これには訳があるんだ。
広告
まだ言い訳するつもりなのかとが息子ながら腹たしい。振り振りをしながら言い訳し始める息子は、捨てられた子犬のような目をしていた。
母さんはらないだろうけど、父さんが事業に失敗しておに困っているんだ。だから俺は父さんのためにを持っていってるんだよ。
何を言いすかとえば、今度は元夫を引っ張りしてきた息子に再び呆れてしまう。あら、そうなの?らなかったわ。じゃあ今から本に聞いてみるわ。
え、平然とした私に対し揺した息子の声。
息子に構わずスマホを取りすと、ためらいなく元夫へ話をかける。婚した元夫の名をせば私からの追求を切り抜けられるとったのだろう。息子は私と元夫が仲で婚したとっているようだが、夫とは円満婚だ。私が歩障害になったことをっているくらいには元夫とは々連絡を取りっている。
私だけど、あなた事業に失敗しておに困っているんだって。
いや、こっちは順調だよ。誰だそんなことを言っているのは?
達也よ。あなたがおに困っているらしいから、あなたのためをって私のおを座から引き抜いて渡していたんですって。
どういうことだ?
慌てる息子を横目に今までのことを全て話すと、元夫がりを潜めた声で唸った。
広告
なんだって、事は分かった。会社でも達が悪さしていないか徹底に調べてみるよ。
そういった元夫の言葉に息子は顔面蒼になる。
内のでもこんなに問題を起こしているのだ。会社でもバレたらまずい祥事でも起こしているのではないだろうか。
すまない。僕がちゃんと社員としてもとしても教育できていればこんなことは起こらなかった。かほさんにも本当に申し訳ない。達には責任持って賠償させるよ。
頷いて元夫との話を切った。ただ元夫のせいだけではない。これは違うんだよ。お願い、許して母さん。
まだ私にすがりつく息子に、これ以甘やかしてはいけないとく睨みつけた。
事なお嫁さんを裏切って、自分がおを抜いていたのをのせいにするなんて恥をりなさい。達、あなたとは絶縁よ。
もう甘い汁は吸わせない。
言い訳もできず、許されもしない現状に絶望した息子はがっかりと肩を落とし、に座り込んでしまった。
こうして息子との騒は幕を閉じたのである。
その息子夫婦の婚が成した。弁護士を通じて、座から引きしたおを私に返すこと。息子嫁の仕送りから抜きしていた分を毎入することを約束させたのだ。
息子嫁も息子と浮気相から慰謝料を請求し、きっちりおを受け取ることになったそうだ。
元夫の調べによると、社の息子だということにふんぞり返り、の社員に仕事を任せ、ろくに仕事をしていなかったのが全てバレて解雇されたらしい。
広告
おすすめ作品
-
完結第12話
娘の遺した手紙
娘の葬儀を終えたその夜、43歳の佐藤陽子は夫から家を追い出された。 「もうお前を置いておく理由はない」 20年間支えてきた夫から浴びせられた冷たい言葉。さらに夫は、亡くなったばかりの娘の保険金を手に入れようとしていた。 しかし、夫が知らなかったのは、陽子が何も持たない専業主婦ではなかったこと。 祖父から受け継いだ700億円規模の資産、そして夫の裏切りを暴くために動き始めた秘密の調査。 やがて明らかになる、娘の死に隠された真実。 最後まで母を思い続けた娘が残した一通の手紙が、止まっていた家族の時間を動かし始める――。夫婦|親子関係1.8萬字5 60 -
完結第10話
捨てられた妻の逆転相続
十年間、義母の介護を一人で背負い続けた妻・恵子。 しかし、四十九日の法要が終わった直後、夫から告げられたのは「もう君の役目は終わった」という冷たい離婚宣告だった。 家族のために尽くしてきた年月を、ただの「役目」としか見ていなかった夫と息子。 何も言い返さず家を出た恵子だったが、翌日、誰も知らなかった一通の封筒が加納家で見つかる。 そこに記されていた亡き義母の最後の意思が、家族の運命を大きく変えていく――。嫁姑|夫婦|介護1.4萬字5 418 -
完結第9話
捨てられた妻の逆転人生
30年間家族を支え続けた妻・美智子に、夫は突然「もうお前は必要ない」と離婚届を突きつけた。 専業主婦として何も生み出していないと思われていた美智子は、何も言い返さず家を去る。 しかし翌朝、夫が残された古いファイルを開いた瞬間、30年間隠されていた衝撃の真実が明らかになる。 会社を支えていた取引先、危機を救った技術、築き上げた成功――そのすべての裏側には、誰にも知られず夫を支え続けた美智子の存在があった。 「家政婦」と呼ばれた妻が、本当は誰よりも会社と家族を守っていた理由とは。 そして、すべてを失った夫が初めて気づいた、取り返せない30年間の後悔とは――。因果応報|夫婦|熟年離婚1.4萬字5 1187 -
完結第12話
家賃55万の置き土産
夫の家族と13年間暮らしてきたまゆ子は、ある日突然、義母から告げられる。 「里帰り出産で長男夫婦が来るから、あなたは明日までに出ていって」 家族のために尽くしてきたはずだった。血のつながらない息子にも、義母にも、夫にも、ずっと気を遣ってきた。けれど義母にとって、まゆ子はもう“用済み”の存在でしかなかった。 しかも夫は出張と偽り、別の女性と会っている疑いまで浮かび上がる。 翌日、まゆ子は言われた通り家を出ることにした。 ただし、何もかも置いていくつもりはなかった。 月55万円の家賃を払っていたのは誰なのか。リビングを埋める家具家電を買ったのは誰なのか。 まゆ子が引っ越し業者に告げた一言で、義母たちの“幸せな同居計画”は静かに崩れ始める――。兄弟姉妹|親子関係1.8萬字5 350 -
完結第10話
退職祝いは離婚届
38年間、仕事一筋で家族を支えてきた黒田俊夫。 退職祝いの夜、彼は妻・真由美に言った。 「これからは、二人でゆっくりしよう」 しかし、その言葉を聞いた真由美は笑わなかった。彼女が静かに差し出したのは、白い封筒に入った離婚届だった。 若い頃に交わした旅行の約束。何度も後回しにされた夫婦の時間。「退職したら」「落ち着いたら」「今度こそ」と言われ続けた38年。 俊夫にとっては、これから始まるはずの老後だった。けれど真由美にとっては、もう待ち続ける時間の終わりだった。 妻はなぜ、夫の退職の日を選んで家を出たのか。 そして俊夫は、妻がいなくなった家で初めて、自分が見てこなかったものに気づいていく――。夫婦|第二の人生|熟年離婚1.5萬字5 711 -
完結第11話
私を変えた元嫁
老舗和菓子店「宮本屋」を守ってきた宮本美津江は、一人息子の結婚相手・梨奈を初めて見た時、心の中でこう思った。 「この子なら、教えれば変えられる」 靴の揃え方、挨拶、お辞儀、言葉遣い、店での立ち居振る舞い。美津江はかつて自分が姑に教え込まれたように、嫁である梨奈を“宮本屋にふさわしい人”へ育てようとした。 最初は頼りなかった梨奈も、やがて店の顔となり、若女将として客に愛される存在になっていく。売上も伸び、雑誌やテレビにも取り上げられ、美津江は誇らしげに言った。 「この子は、私が育てたのよ」 けれどその言葉は、少しずつ梨奈の心を傷つけていた。 そんな中、息子・拓海の裏切りが発覚する。梨奈は家を出て、宮本屋を去る決意をするが、美津江が最初に心配したのは、嫁の心ではなく店の未来だった。 梨奈は本当に、美津江に育てられただけの嫁だったのか。 そして、宮本屋に残された美津江は、梨奈のいない店で初めて、自分が何を奪い、何を見落としてきたのかを知る。 嫁を変えようとした姑と、自分の人生を取り戻そうとした元嫁。 これは、家族でも他人でもない二人の女性が、衝突の末にもう一度向き合っていく物語。嫁姑|第二の人生1.6萬字5 134 -
完結第11話
捨てた料理の代償
義母・美智子と同居しながら、穏やかに暮らしていた奈々子。 ところが、お盆になると義妹の杏奈夫婦が突然帰省してくる。連絡もなく家へ上がり込み、食事を当然のように食べ、手伝いもせず、さらには義母へ金まで借りようとする二人。注意されるたび、杏奈は奈々子を「他人」扱いし、実家を乗っ取った嫁のように責め続けていた。 そして迎えたお盆の夕食。 食卓に並んだ料理を見た杏奈は、皆の前で言い放つ。 「他人が作った食事なんて、汚くて食べられない」 さらに翔太まで調子に乗り、料理を捨てようとする。 しかし、その料理には杏奈夫婦が知らない“ある秘密”があった。 閉じられていた和室の襖が開いた瞬間、杏奈の顔色は一変する。 翌朝、この家を出ていくことになったのは、「他人」と呼ばれた奈々子ではなかった――。兄弟姉妹|嫁姑1.7萬字5 2734 -
完結第11話
22年目の母席
7歳の時から、美緒を育ててきた高瀬京子。 血のつながりはなくても、熱を出した夜にそばにいたのも、弁当を作ったのも、卒業式や成人式に付き添ったのも、すべて京子だった。美緒もまた、いつしか彼女を「お母さん」と呼ぶようになっていた。 しかし結婚式を前に、22年間ほとんど姿を見せなかった実母・麗子が現れる。 実の母親という分かりやすい肩書。結婚祝いの200万円。そして、相手方の家族が求める“普通の形”。 やがて美緒は、京子に告げる。 「今回は、麗子さんにお願いしたい」 さらに結婚式当日だけは、自分を「京子さん」として扱ってほしいと頼まれた京子。22年間積み重ねてきた日々は、たった一言で母親の席から外されてしまう。 本当の母親とは、産んだ人なのか。それとも、そばに居続けた人なのか。 娘の結婚式を前に、京子が初めて自分の傷と向き合う、静かな家族の物語。因果応報|親子関係1.7萬字5 1536