みかん小説
本棚

"支えを手放す日" 第14話

と言われたでしょう。

の契約もマンションと同じです。

いつか美奈がたい声でそう言っていた記憶が唐突に蘇ってきた。

孝志は慌ててスマートフォンのブラウザをき、自分のメールボックスを検索した。ディーラーからの契約関連のメール。そこには無常にもはっきりと記載されていた。

契約者名:美奈様

引き落とし座:美奈様名義

あいつ……

孝志はスマートフォンを握りつぶさんばかりの力で握りしめた。すら自分の名義ではなかったのだ。ローンの請求だけが来から自分に回ってくるように続きされ、所権は美奈にある。つまり勝に売ることすらできない。完全に負債だけを押し付けられた形だ。

どこまで俺を追い詰めれば気が済むんだ、あの女は。

孝志は誰にもぶつけることのできないりで体を震わせた。美奈は何から、いやもしかしたら自分がを作り始めた頃から、こののために完璧な準備をめていたのだ。自分の活基盤がどれほど美奈の信用に依しているかを正確に把握し、それを気に引き抜くタイミングを図っていた。

それが今だった。自分が番調子に乗り、自由だと笑いした瞬を狙って、全ての支援を断ち切ったのだ。

その再びスマートフォンが震えた。

広告

今度は着信ではなく、メッセージの通だった。画面に表示されたのは、先ほどまで孝志の座管理を担当していたからの事務な連絡だった。

孝志様。先ほどはおをいただきありがとうございました。美奈様からのご指示により、最のご報告となります。

をもって美奈様名義の全ての座と孝志様の座の紐付けは完全に解除されました。

また、孝志様がご使用になられていた美奈様名義の族カードのこれまでの利用細につきましては、弁護士の藤堂先を通じて来週にお元へ郵送される予定となっております。

藤堂先からの伝言をお伝えいたします。

あなたが族カードで決済されたとの旅費用、ホテル代、級ブランド品の購入代など、本来夫婦の活とは無関係の私につきましては、婚協議の際の為の証拠とし、すでに慰謝料の請求額に加算されております。詳細は内容証郵便にて通いたします。』

慰謝料。

その言葉の響きが、彼の残されたわずかな気力を完全に打ち砕いた。

婚する際、美奈は「慰謝料はで計算するから」と言って、とりあえず別れることだけを優先させた。孝志は気な美奈のことだから、どうせした額は請求してこないだろうとをくくっていた。

広告

だが現実は違った。美奈は自分がのために使った額を全て円単位で記録していたのだ。そしてそれを為の証拠として、額な慰謝料の請求に載せてきた。

元に現がないだけでなく、来からはマイナスの活。それに加えて何百万、あるいは千万い慰謝料の請求が、容赦なく自分に振りかかってくる。

終わった。

孝志はスマートフォンの画面からゆっくりと目をし、井を仰ぎ見た。もうる気力すら湧いてこない。自分がどれほど愚かだったか。美奈の沈黙を許しだと勘違いし、彼女の優しさに甘えてやりたい放題にきてきた結果がこれだ。

俺のは全部、あいつののひらのだったのか。

空港のアナウンスがどこかくで聞こえる。孝志はベンチにを投げしたまま、ただひたすらに自分が失ったもののきさに絶望するしかなかった。自分が笑っていたのは、美奈という頑丈なに乗っていたからだ。そのが抜け落ちた。今彼を待っているのは、底なしの暗へ落ちていく現実だけだった。

方、到着ロビーかられた空港のカフェテリア。

美奈に茶のカップを置き、ふーっとさく息を吐いた。

「お母さん、お疲れ様。」

向かいの席に座る娘の彩佳が、配そうでありながらしほっとしたような笑顔を向けた。

美奈は空港での最続きが終わるのを、このカフェで待っていたのだ。

「ええ、終わったわ。

広告

おすすめ作品

リンクを共有

以下のリンクをコピーして友達と共有してください: