"十年目の数珠" 第6話
写真のの俊らしき物の隣につ男性は、を取れば田に似ているようにも見えた。
だが、確実ではなかった。
警察は田の族に連絡した。
田の妻と子どもたちは寺へ向かった。
数珠を見た瞬、妻はそのに座り込んだ。
「違いありません。夫のものです」
彼女は震えるで、茶の製の珠に触れた。さな属の飾りを見つめると、声を殺して泣いた。
10ぶりに見つかった夫の痕跡だった。
だがそれは、夫が最に泊まった部からではなく、僧侶の部のからてきた。
義弟の田にも連絡が入った。
田は阪から急いで野へ向かった。数珠を見ると、が震えた。
「なぜ俊尚の部から、義兄の数珠がてくるんですか」
田は警察に詰め寄った。
だが、警察にもまだ答えはなかった。
名古の吉田にも連絡が入った。
吉田は話を受けた、しばらく黙った。
それからい声で言った。
「私はりません。10のことを、なぜ今さら」
警察がを求めると、吉田は最初、拒否した。
「あの、私は何もしていません。取り調べを受ける理由はありません」
しかし警察は、過の記録を再検討し始めていた。
この再捜査は、野県警察本部へ移管された。たに担当となったのは、40代半ばの佐藤警部だった。
佐藤は、10の記録を細かく読み返した。
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最初に注目したのは、朝の目撃証言のい違いだった。
吉田は4半に裏のでを見たと言っている。
女性信者は410分に泉での音を聞いている。
俊は3半に田とすれ違ったと言っている。
すべてが事実なら、田は1のに寺のあちこちを歩き回っていたことになる。
だが、の参加者は誰も田を見ていなかった。
佐藤警部は、当の参加者と関係者を再び呼びすことにした。
最初に呼ばれたのは田だった。
田は阪から来て、10の夜を改めて話した。田が何度も寝返りを打っていたこと、夜2頃にトイレへったようだったこと、そのいつ部をたのかは本当に分からないこと。
田の証言は10とほぼ同じだった。
嘘をついているようには見えなかった。
佐藤警部は、田を主な容疑からした。
次に呼ばれたのは吉田だった。
吉田は弁護士を伴って現れた。表はく、最初からを隠さなかった。
「10にも分話しました。なぜまた同じことを聞かれるんですか」
佐藤警部は静かに資料をめくった。
「朝4半、あなたはどこで何を見たのか。もう度、詳しく話してください」
吉田は、トイレにって戻る途、寺の裏ので誰かが歩いていくのを見たと繰り返した。
暗くて顔は分からなかったが、体格が田に似ていた。
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佐藤警部は顔をげた。
「その、なぜ呼び止めなかったのですか」
吉田はしを置いた。
「散歩しているのだといました」
「朝4半、真っ暗な寺で、ですか」
吉田の眉がわずかにいた。
佐藤警部は、そこにさな違を覚えた。
その、当の女性信者の1が、10には話さなかったことを打ちけた。
彼女は失踪夜の11頃、トイレにった帰り、本堂の裏で男性2がい声で話しているのを聞いたという。
声ははっきり聞こえなかった。
だが雰囲気は険悪だった。
「の話をしているようでした。1が『責任は取れない』と言っていた気がします」
彼女は震える声で言った。
「今えば、田さんと吉田さんの声だったようにいます」
この証言によって、捜査はきくき始めた。
佐藤警部は、吉田を再び呼びした。
取調の机のには、古い記録、女性信者の証言、そして俊の部から見つかったの写しが置かれていた。
佐藤はまず、夜11の件を尋ねた。
「あの夜、田さんと話していませんか」
吉田はすぐに否定した。
「そんなことはありません。私はく寝ました」
「本当に?」
佐藤の声は静かだった。
吉田は線をそらした。
警察はさらに吉田の過の銭のきを調べた。
そこで、自然な入が見つかった。
198512。
田が失踪してから約2か、吉田の座に100万円を超えるが入されていた。
吉田は、別の取引先から受け取っただと説した。
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