"置き去り嫁の南国裁き" 第7話
私はタブレットの画面を閉じた。
真紀さんは、あまりの来事に言葉を失い、呆然と私を見つめていた。
「百さん……これから、どうするの?」
「彼らには、私が用した最のステージで、をかけて罪を償ってもらいます」
私は空っぽのクローゼットの奥から、1着のドレスを取りした。
それは、私が神崎のとしてきるにだけ袖を通す、のシルクドレスだった。
「真紀さん。の便で、私も現へ向かいます。彼らの顔を直接見て、最のお別れを言わなければなりませんから」
私の瞳にはもう、迷いも、かつてのも残っていなかった。
ただ、燃え盛るような復讐の志だけが、静かに宿っていた。
国の夜は、肌にまとわりつくようなな気を含んでいた。
級ホテルの裏にある、窓ひとつない簡素な造りの部。そこは、神崎が現当局と協力して管理する特別拘置だった。
「くそっ! あの百の野郎、よくもはめやがったな!」
拓也がコンクリートの壁を力任せに蹴った。
数までのセレブ気取りは消えていた。級スーツは汗と埃で汚れ、髪も乱れている。
「拓也、どうにかしなさいよ! 私、こんな汚いところに1秒だっていられないわ!」
より子が切り声をげた。
リナは爪を噛みながら震えている。
「お母様、もう終わりよ。あの男、百さんの兄だって言っていたじゃない。
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神崎グループを敵に回したら、本でもどこでもきていけないわ」
「うるさい、黙れ!」
拓也の目に、濁ったが宿った。
彼は靴底に隠していた予備の型スマートフォンを取りした。現警察のボディチェックですら見抜けなかった、ギャンブル依の彼が常に持ち歩いていた最の命綱だった。
義父の夫がかすれた声で尋ねた。
「誰に話するつもりだ」
「昔、こっちの裏ビジネスでりった奴がいる。さえ積めば、どんな汚い仕事でも引き受ける連だ」
拓也の元が歪んだ。
「百が俺たちをここに閉じ込めているに、本に残っているあの女をさらってやるのさ」
「まさか……」
「ああ。百の母親だよ。あの婆さんは今、病みがりで実に1きりだ。警備なんてザルだろう。あの婆さんを質に取れば、百も兄貴も、俺たちに座して謝るしかなくなる」
より子の顔に、醜悪な笑みが戻った。
「いいわね。あんなな嫁の母親なんて、どうせ使い捨ての具でしょう。百さんには、自分たちがどれだけ愚かなことをしたか、たっぷりいらせてあげなきゃね」
彼らは自分たちの罪を棚にげ、なおも私をのとして扱おうとしていた。
拓也は暗号化されたチャットアプリをき、い文面を打ち込んだ。
「本。神崎の老女1を拉致しろ。
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報酬は成功報酬で3000万円」
そのメッセージは、すぐに既読になった。
同じ頃、神崎のプライベートジェットので、私はを赤く染める夕を眺めながら茶をすすっていた。
「お嬢様。ネズミがきしました」
方にっていた佐藤弁護士が報告を入れる。
私の元のタブレットには、拓也が送信したメッセージがリアルタイムで表示されていた。
「そうですか。やはり母を狙いましたか」
私は何も驚かなかった。
彼らなら、追い詰められれば必ず卑劣な段にる。
5緒に暮らして、嫌というほど見てきた彼らの本性だった。
「兄様には連絡を?」
「はい。健様からは、予定通りすべての罠を起させろとの指示をいただいております。現、お母様のご実周辺には、神崎グループの特任警備チームが配置されており、蚊1匹入り込む隙もありません」
私はティーカップをソーサーに戻した。
指先ひとつ震えていなかった。
だが胸の奥では、凍てつくようなりが渦巻いていた。
かつて、拓也は親戚の集まりで私を馬鹿にして言った。
「お、卒だろう。英語しゃべってみろよ」
本当の私はの学をび級で卒業し、4か国語を操る学位を持っていた。それでも黙っていた。
義母は、私の母を侮辱した。
「百さん、あなたの母親もきっと卑しい育ちなんでしょうね。
病気なんて、が貧しいからなるのよ」
そのも、私は沈黙を守った。
母がどれほど慈しみく気い女性であるか、こんな卑しいたちに説する価値すらないとっていたからだ。
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