"置き去り嫁の南国裁き" 第15話
娘さんも素らしい方ですね」
義族たちが貧乏と呼んでいた々は、実は域で最も尊敬されていた真の支配者だった。
その事実を突きつけられた瞬、彼らの最のプライドは瓦礫と共に砕け散った。
「ああ……俺たちは何を、何を捨ててしまったんだ」
拓也が虚空を見つめながら力なくつぶやいた。
それから3のが流れた。
かつて毒が渦巻いていた都内の宅には、今、美しい公園がある。
神崎静記公園と名付けられたその所には、子どもたちが駆け回る芝広があり、かつて義族たちが最も屈辱をじた公衆トイレも、域の誇りとして清潔に保たれている。
「百さん。本当に素敵な所になりましたね」
隣で穏やかに微笑むのは真紀さんだった。
かつての怯えた表は消え、今は神崎グループの物流部でマネージャーを務める、自した女性の顔をしている。
「ええ。ここに来るたびにうの。更にしたのは古い建物だけじゃなくて、私のしみも全部だったんだなって」
私はベンチに腰をろし、ゆっくり目を閉じた。
に届くのは、子どもたちの笑い声と、に揺れる々の音だった。
その、スマートフォンが静かに震えた。
兄の健からの定期報告だった。
国の廃鉱で、拓也はすでに正気を失いかけているという。
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毎、空っぽのスコップをかしながら「百、今の飯は何だ」と独り言をつぶやいているらしい。
より子とリナは、きるために必でを運び、かつてあれほど嫌っていた質素な麦飯を、涙を流して奪いうようにべているという。
彼らにはもう、本へ帰る気力すら残っていなかった。
永の沈黙。
それが、彼らの選んだ結末だった。
私は報告を読み終えると、画面を消した。
復讐は終わった。
彼らがこれからかけてわうのは、肉体な苦痛だけではない。
世界で番、自分たちをそうとしてくれていたを、自らので獄へ追いやり、そのを永に失ったのだという耐えがたい。
それこそが、神崎が彼らにした本当の審判だった。
「百さん。そろそろきましょうか。お母様が待っています」
真紀さんの声に、私はちがった。
公園の入りにあるきな桜のので、母がっていた。
子ではなく、自分のでしっかりとち、柔らかな差しを浴びている。
「お母様」
母は私を優しく抱きしめた。
そのは温かく、しだけの匂いがした。母は今、神崎の広な農園で、再び野菜作りを楽しんでいるのだ。
「百、お帰りなさい。もう何も配いらないわ。あなたは分に戦った。これからは自分のために、そしてあなたを必としているたちのために、その命を使いなさい」
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「はい。お母様」
私は母の胸ので、静かに涙を流した。
義族への憎しみでも、失ったへの悔でもない。
正しくきれば、必ずは差す。
その当たりで、しかし最も尊い真実を噛みしめるための涙だった。
私は現、神崎再発基を運営し、経済、精神に困難な状況にある女性たちを支援している。
かつての私の絶望は、今、誰かのきる力に変わっている。
これ以の逆転劇が、にあるだろうか。
空を見げると、どこまでもく澄んだ青空が広がっていた。
義族たちは、もう2度と私のに現れることはない。
彼らはい異国のので、自分たちが捨てた本当の宝物に気づかぬまま朽ちていくだけだ。
「これからはに1度だけ会おうね」
あの、義母が放った言葉。
私はので、その言葉をそっとき換えた。
「これからは、永に会うことはないわ。私はあなたたちのいない、このあふれる世界で、最の幸せを掴むから。自腹で、自分の力でね」
私は母と真紀さんのを握り、歩、また歩と、輝く未来へ向かって歩きした。
背の公園からは、子どもたちの歓声ががった。
それは、しい代の幕けを祝う、最のファンファーレのように聞こえた。
― 完 ―
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