"雪に閉ざされた 6 人の高校山岳部" 第9話
しかしここでが暮れてしまい、くの集落で休むことにしました。
午 9 、集落の公衆話から跡発見の報を警察に報告。
続きの捜索は翌朝朝にうことに決めます。
1 10 の夜、跡の報を受け取った警察は同捜索会議をきます。
直ちに現へ発すべきだとの声ががりましたが、遭難防止のため翌朝に発することを決定しました。
当は公式の捜索最終にあたり、さらに 60 の員を投入して捜索を実施することにします。
跡周辺に次々と捜索隊が派遣されました。
刻は午 5 30 分。ジープに乗って現へ向かいます。
集落で休んでいた捜索隊も、跡を追ってむことにしました。
この頃 J さんは、ひたすら A さんの跡を追ってんでいました。
「この先に A がいる、この跡さえ追えば」と乱にいのを歩き続けます。
周囲に民が見えていましたが、J さんにはそれを気にする余裕などありません。
ただひたすら跡だけを見つめ、歩歩していました。
午 12 30 分、J さんの体力はついに限界に達し、まっすぐ歩くこともできない状態に追い込まれました。
休める所を探そうと、さなのへ移し、そのに座り込んでしまいます。
その、どこからかの話し声とをかき分ける音が聞こえてきました。
広告
J さんは無で音のする方向へ声をげました。
声に気づいた捜索隊員が J さんにづき、元確認をったところ、方のだと判しました。
J さんは続けて声をげ、このくにもう仲がいるはずだと告げました。
両は凍傷で変し、濡れた靴はカチカチに凍り固まっていました。
両の覚は完全に失われ、棒のように直した状態です。
隊員は J さんにマッサージを施し、「もう丈夫だ」とひたすら励まし続けます。
マッサージをしながら隊員が事を聞くと、J さんはおそらく 3 がまだのに残っており、そのうち 2 のいる所には赤い布を結んだストックがててあると話しました。
隊員は J さんを担ぎ、急いで病院へ向かってんでいきました。
残りの隊員は、の者救の報告を受け、途切れず続く跡を追うことにします。
J さんは病院へ緊急搬送され、命は取り留めました。
岩頂へ到達した 6 午 11 から数え、98 ぶりの還となります。
13 30 分、この還のらせが広まると、い命力にびの声が次々とがりました。
J さんの救、残り 4 の方メンバーを捜索するため、鰺ヶ沢署は鍋森や沢筋に捜索隊を派遣し、沢沿いをに捜索をいます。
救援に駆けつけていた弘学岳部は旦し、料と装備を補充した、期捜索に備え種巻代にベースキャンプを設営しました。
広告
当初は当で公式捜索を打ち切る予定でしたが、ながかりが発見されたため、翌はさらに 100 以の員を投入することに決定しました。
消防団員の F さんも再び捜索に加わろうと決し、岩神社からへ入り、頂付で岳会の隊員と流しました。
1 11 、このは計 150 の捜索隊を率い、J さんの証言を頼りに方者を探します。
そして沢沿いの岩で、部員たちが最初にビバークした痕跡を発見します。
種巻代でビバークをしながら捜索を続けていた弘学岳部は部員を増員し、頂から沢沿いへ捜索範囲を広げて探していました。
方、対策本部は当初の岩神社から登るメイン登周辺ばかりを必に探していたため、予期せぬ発見現に呆然としました。
台方面は管轄が異なるため、対策本部を移転し、麓元の台学で救助隊の管理をうことにします。
警察官、自隊、各消防団が続々と応援に駆けつけました。
この発された報には、「奇跡の還」というきなトップ見しで J さんの救が掲載されました。
搬送先の病院には 200 い取材記者が殺到し、病院側は対応に追われる状況となります。
また朝聞は遭難対策本部の対応をく批判しました。
弘学岳部、田県側の捜索隊、ヒュッテに滞していた 4 までも、側方面を点に探すべきだと数見をげていたにもかかわらず、本部はそれを聞き入れず、百沢方面ばかりに員を集させ、単なる戦術が無駄に終わったと指摘しました。
広告
おすすめ作品
-
完結第13話
夫が毎日3回トイレを磨く理由
結婚五年。紗季は、温厚で家事にも協力的な夫・玲央と、四歳の娘・莉乃と平穏に暮らしていた。ただ一つ奇妙だったのは、夫が毎日三回もトイレを掃除し、誰にも触らせなかったこと。 ある日、法医学者の親友・美代子が、トイレの排水設備から人間の歯と古い血痕の痕跡を発見する。調査を進めると、この家では六年前、玲央と同棲していた婚約者が突然姿を消していた。夫婦|真実|真相1.5万字5 163 -
完結第23話
母の小さな食卓
三年ぶりに実家へ帰った直人は、母の誕生日の食卓に、ご飯と味噌汁、漬物しかないことに驚く。冷蔵庫もほぼ空なのに、玄関には弟へ渡す高価なりんごが三箱も積まれていた。 さらに母の通帳には、弟へ毎月八万円を送った記録が残されていた。弟ばかりを優先する母への古い不満がよみがえるが、その金は、直人が失業した三年前から、息子・悠人の学費として渡されていたものだった。裡の顔|親子関係|修羅場2.8万字5 354 -
完結第12話
産後5日、家を売られた私の人生やり直し
出産から5日後、生まれたばかりの娘を抱いて帰宅した美緒を待っていたのは、家具も家電も消えた空の部屋だった。夫はマンションを売り、妻の預金860万円を持ち出し、愛人との新生活へ逃げていた。さらに、美緒の署名を偽造した離婚届まで提出されていた。 結婚指輪を売って実家へ帰る切符を買った美緒は、駅で妻の最期に間に合わないと嘆く老人へ、その切符を譲ってしまう。 数日後、老人は企業グループの創業者として美緒の前に現れた。しかも夫が盗んだ金で設立した会社は、老人の会社へ1億2000万円の出資を求めていた。 すべてを奪って勝ったつもりの夫は、まだ知らない。自分の会社の命運が、捨てた妻の手元に集まり始めた証拠によって左右されることを夫婦|裡の顔|金銭問題1.7万字5 3996 -
完結第16話
夫の不倫相手の娘を9年育てた私の離婚
「離婚します。息子2人は連れていきます」 そう告げた雪に、夫と義母は11歳の理子まで連れて出ろと言い放った。だが理子は、雪の親戚の子ではない。夫が不倫相手との間にもうけ、9年前に雪へ押しつけた実の娘だった。 血のつながらない理子を母として育ててきた雪。ところが夫は、再び理子の実母と関係を持ち、3人の子どもをすべて雪に背負わせて「自由」になる計画を進めていた。 しかし二人は知らなかった。雪と理子の間に法的な親子関係がないことが、彼らを逃げ場のない立場へ追い込む最大の切り札になることを。嫁姑|夫婦|真相|ATM扱い|親子関係2.4万字5 431 -
完結第20話
祖父の土地を勝手に道路にされたので、自販機を置いた
建設コンサルタントとして働く雪は、祖父の私有地が無断で舗装され、完成間近のタワーマンションの進入路として使われていることを知る。 開発を主導していたのは、学生時代から雪に異常な執着を見せていた川端武郎。彼は土地を「事実上の道路」として申請し、所有者の承諾がないまま建築確認を通していた。怒り|祖父母と孫|裡の顔|修羅場2.1万字5 186 -
完結第14話
赤ちゃんの声が聞こえる姪が、夫の嘘を見抜いた日
生後一か月の息子を見た六歳の姪・美久は、「赤ちゃん、お父さんにひどいことをしないでって言ってる」と告げる。その言葉に、夫・徹だけが激しく動揺した。 育児をせず、暴言を重ねる夫に違和感を抱き始めた亜鳥。やがて美久が書斎で見つけた封筒から、亜鳥を被保険者、徹を受取人とする高額な生命保険の書類が発見される。 さらに調べると、徹には隠していた借金と別の女性がいた。夫婦|真実|真相|親子関係1.4万字5 617 -
完結第12話
夕飯のカレーを笑った友人が、私のレシピを欲しがった
「夕飯にカレーなんてありえない。家族がかわいそう」 友人・真理子の何気ない一言に傷ついた由美子。ところが後日、その真理子から文化祭で出すカレーのレシピ作りを頼まれる。 試作、材料計算、衛生管理まで担った由美子だったが、完成した料理はいつしか「真理子の家庭の味」として紹介され、自分の名前だけが消されていた。さらにそのレシピは、公民館の料理講座でも真理子の実績として使われようとする。 由美子は初めて「大丈夫」と笑って引き下がることをやめ、自分が担った仕事を記録とともに伝える。これは一皿のカレーをめぐる争いではない。親切と友情の陰で軽く扱われてきた女性が、自分の努力と暮らしに境界線を引き直す物語。怒り|裡の顔|修羅場2.3万字5 268 -
完結第10話
31年間、母が捨てなかったマットレスの秘密
31年間、両親が頑なに使い続けてきた古いマットレス。中央は大きく沈み、父の腰痛も悪化していたが、母はなぜか買い替えを拒み続けていた。 息子のデイヴィッドは、両親を旅行へ連れ出した隙に新しいものと交換しようとする。ところが搬出業者から、「お母様を寝室へ入れず、まず一人で確認してください」と切迫した電話が入る。 マットレスの下から現れたのは、古い手紙や小さな靴、写真、ぬいぐるみ。そこには両親が31年間、息子にさえ存在を明かさなかった幼い娘・グレースの記憶が封じられていた。 娘を失った悲しみから逃げるため、名前すら口にしなくなった父。そして誰にも見つからない場所で、毎年娘へ手紙を書き続けた母。古い寝台が取り払われた日、沈黙の下に閉じ込められていた家族の時間が、ようやく光の中へ戻り始める。ミステリー|真実|真相|親子関係1.5万字5 545 -
完結第15話
午前2時17分、亡き妻が病室を訪れる
午前2時17分。夜勤看護師の由衣は、面会時間を過ぎた病棟で黒いコートの女性を目撃する。 女性が立ち止まったのは、家族との連絡を拒み続ける71歳の患者・久世修一の病室前。だが受付記録にも防犯カメラにも姿はなく、乗り込んだエレベーターからも忽然と消えていた。 修一は女性の特徴を聞くと顔色を変え、10年間疎遠だった娘へ連絡してほしいと頼む。やがて判明したのは、黒いコートが10年前に亡くなった妻・美佐子のものと同じだったこと。そして彼女が息を引き取った時刻も、午前2時17分だった。 妻の最期に間に合わなかった父と、その父を許せなかった娘。再び同じ時刻にエレベーターが開く夜、10年間止まっていた家族の時間が静かに動き始める。ミステリー|夫婦|真実|真相1.4万字5 118 -
完結第20話
妻のスマホに残っていた半年先の「2名様」
妻の美和を亡くして半年。直人は解約できずにいた妻のスマートフォンから、6日後に迫ったレストランの予約を見つける。 予約したのは、亡くなる12日前。日時は何の記念日でもない土曜日の夜で、人数は「2名」。相手を知らされていなかった直人は迷った末、店へ電話をかける。 そこで告げられたのは、美和が封筒を預けていること、そして彼女が来られない場合も、直人だけで料理を食べてほしいという願いだった。 最初の一皿を食べ終えた時、ようやく渡された妻の手紙。そこに記されていたのは別れの言葉ではなく、残される夫が一人でも暮らしていけるように用意された、最初の「練習」だった。夫婦|真相1.9万字5 1947