"雪夜の妻" 第6話
彼のには分い類の束が置かれていました。
それは健の会社に対する、切の取引と支援を完全に打ち切るための続き類でした。
「佐藤健氏の会社は、現額の借入を抱えています。々がを引けば、末には違いなく資が枯渇し、渡りをすでしょう」
弁護士の言葉は淡々としていましたが、その内容は健にとって致命なものでした。
「それともう1つ、由美様にどうしてもお伝えしなければならない事実があります」
弁護士はそう言うと、1枚のコピー用を静かに私のに差ししました。
「実はご主は、美穂という女性の嘘以にも、ご自できな罪を犯していらっしゃいました」
その用を見た瞬、私はわず息を呑み、言葉を失いました。
健の嘘は、私がっていたよりもはるかにく、そしておぞましいものだったのです。
弁護士が差しした1枚のコピー。
そこには「連帯保証 佐藤由美」という文字がはっきりとかれていました。
額の欄には、3000万円という数字が並んでいます。
借主は健の会社。貸主はではなく、名も聞いたことがない融業者でした。
「ご主は会社の運転資を作るために、裏で利の借をしていました」
弁護士の静かな声が、応接に響きます。
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「その際、由美様のお名を勝に使い、連帯保証に仕てげていたのです。もちろん、これは派な犯罪です」
私はその用を見つめました。
署名の跡は、らかに健のものでした。健が「由美」という字をく、「美」の側がしねる癖があります。6の夫婦活で、何度も見てきた夫の字でした。
もし私がこの事実をらないまま婚届をしていれば、私は娘を抱えたまま、突然3000万円という額の借を背負わされていたのです。
健と子は、私をの夜に追いしただけではありません。
私のこれからの全てを壊そうとしていました。
祖父は眉にいしわを寄せていました。
「由美、すぐに警察に相談しよう。こんな男は絶対に許しておけない」
りに震える祖父の声を聞きながら、私は静かに首を横に振りました。
「丈夫です、おじい様。警察には、まだきません」
私はそう答えると、元に置いていた自分のバッグを引き寄せました。
昨夜、ので桜の着替えと緒に持ちした、古びた黒いバッグです。
私はそのからさなポーチを取りしました。ポーチのには、私の古いスマートフォンと黒いUSBメモリーが入っていました。
それらを静かにテーブルのに置くと、弁護士がし驚いたような顔で私を見ました。
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「由美様、それは……」
「私がこの1ヶ、しずつ集めていた証拠です」
私は落ち着いた声で答えました。
健の嘘に気づいたのは、1ヶのことです。
ある、私が洗濯をしようと健のスーツのポケットを確認した、奥から1枚のレシートがてきました。
そこには、私の旧姓と今の名、2つの印鑑を特注で作った履歴が印字されていました。
私はそれを見て、い違を覚えました。
普段使っている印鑑は、全て私が自分で管理しています。健がわざわざ私に内緒で私の印鑑を作る理由など、1つもありません。
そのから、私は静かにき始めました。
健が夜にお呂に入っている、彼の鞄や斎を調べました。そして引きしの奥に隠されていた、見慣れない分い契約の束を見つけたのです。
それが、この3000万円の借の連帯保証に関する類でした。
そこには特注で作られた私の印鑑が、すでに真っ赤に押されていました。
私はその類を、全て古いスマートフォンで撮しました。のため、USBメモリーにもデータを移してあります。
「由美様、ご自でここまで調べておられたのですか」
弁護士は目を見張りました。
「はい。それだけではありません」
私はスマートフォンの画面を操作し、1つの音声ファイルを再しました。
数の夜、健と子がリビングで話していたの会話です。
私は録音アプリを起したスマートフォンを、ソファの隙に隠していました。
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