みかん小説
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"雪夜の妻" 第7話

「母さん、由美には絶対に借のことを気づかせるなよ」

の苛ったような声が流れます。

「分かっているわよ。あんな鈍な女、どうせ何も分かりはしないわ。美穂さんと結婚するに、さっさと追いしましょう。借は全部あの女に押し付ければいいのよ」

子の酷な笑い声が、静かな応接に響きました。

「ああ。婚届さえかせればこっちの勝ちだ」

音声が終わり、部にはい沈黙が落ちました。

祖父は湯呑みを持つ刻みに震わせていました。静かなりが、その表から伝わってきます。

弁護士も言葉を失ったように、私を見つめていました。

「由美、おはこれを1で抱えていたのか」

祖父の優しい声に、私はさく頷きました。

「はい。途半端に問い詰めれば、健は必ず証拠を隠して嘘をつくといましたから」

私が黙って耐えていたのには理由がありました。

彼らがどれだけ私を騙し、どこまで陥れようとしているのか。その全てをる必があったからです。

ただ泣いてすがるような無力な妻でいるつもりはありませんでした。

私には守らなければならない桜と、お腹のさな命があったからです。

「由美様、これだけの証拠があれば、ご主を詐欺や文偽造で訴えることは能です。すぐにきましょう」

弁護士が力く言いました。

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しかし私は再び首を横に振りました。

「いいえ。まだ彼らを法律で裁くことはしません」

私の言葉に、祖父と弁護士は議そうな顔をしました。

「健は今、美穂という偽物の令嬢の嘘を信じきり、自分が勝ち組だとになっています。会社も自分の実力できくなったと勘違いしています」

私は元のUSBメモリーを指先で静かになぞりました。

「彼が1番切にしているのは、社という分と周りからの賞賛です。だからこそ、その全てが嘘だったと気づかせなければなりません。彼自の愚かさで全てを失う過程を、しっかりとわってもらいます」

鳴り込んで警察に突きすのは簡単です。

しかしそれでは、健は運が悪かったとしかわないでしょう。

自分がどれほどで、どれほど残酷なことをしたのか。

それをるまで、私は引くつもりはありませんでした。

祖父は私の目をじっと見つめた、静かに頷きました。

「分かった。由美の好きにしなさい。グループは、おの決断を全力で支援する」

「ありがとうございます、おじい様」

「由美様、最初の反撃として、の朝1番でご主の会社に対する当グループからの支援を全て止します。の融資枠も凍結させましょう」

弁護士が元の資料をめくりながら言いました。

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「ええ、お願いします」

の会社は、末の支払いができなくなるはずです。

そこで彼は美穂に泣きつくでしょう。5000万円の資を頼むために。

しかし偽物の令嬢である美穂に、そんなせるはずがありません。

彼らの嘘と見栄は、お互いを潰しうことになります。

私はがり、窓のを見ました。はやみ、青空が広がっていました。

私のも、この空のように澄みきっていました。

もう、義母の嫌に怯えることも、夫の顔をうかがうこともありません。

その、テーブルのに置いていた私のしいスマートフォンがく震えました。

画面を見ると、1通のメッセージが届いていました。

送り主は、昨私がた直に連絡を取ったある物でした。

「奥様、ご指示の通り、例の類は佐藤社のデスクの裏に仕込みました。社はまだ何も気づいていません」

その文面を読み、私はさく息を吐きました。

はまだりません。

自分の会社ので、すでに私に方しているがいることを。

そして自分の元が、音をてて崩れ始めていることを。

スマートフォンに届いたメッセージの送り主は、健の会社で経理を担当している田という若い社員でした。

さんは、健が会社をげたばかりの頃に入社した、真面目で誠実な青です。

私が毎のためにお弁当を作り、会社へ差し入れにっていた頃、田さんはいつも「奥さんのご飯、本当に温かくて美しいです」

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