みかん小説
本棚

"深淵に沈んだ家族" 第7話

声がくなった。

「触らぬ神に祟りなし、ということもある。君の族は、もういない。らかに眠らせてやるじゃないか」

「どういうですか」

「尋ねない方がいい質問もある。掘り返さない方がいいもある」

その声は、ほとんど囁きだった。

「脅しているんですか」

「違う。親切な助言だよ。君には良い仕事もある。せっかく築いた平穏を、何かが乱すことになったら残だ」

は事務所へ消えた。

その瞬、イヤホンから黒田警部の声が聞こえた。

「捕まえました。敷かられてください。突入します」

私がを渡り終えるに、背のドアが斉に閉まる音がした。

警察両が販売を囲む。

事務所の窓の向こうで、鈴達也が話を握っているのが見えた。顔は青く、必に何かを話していた。

田所捜査官が私の横に来た。

「よくやってくれました。最の言葉で分です」

その、鈴オートの捜索は6続いた。

ファイルの箱、ハードディスク、帳簿、隠し棚。

すべてが運びされた。

夕方、田所がラップトップバッグをに戻ってきた。

「見つけました」

彼はマニラフォルダーをき、1枚のを私に渡した。

そこには、私の族の報が記されていた。

森本達也、子、サラ、エナ。

所。

報。

、1998815

、岩県龍泉洞、緑川キャンプ

ルート、国4号線。

広告

襲撃点、国4号線127kmポスト。

保険価格、450万円。

私はを握るが震えた。

族は偶然消えたのではなかった。

予定通りに止められ、予定通りに奪われ、予定通りに殺されたのだ。

達也は、ったよりく崩れた。

警察署の取り調べで、彼はすっかり老け込んで見えた。数まで脅すように笑っていた男が、今はの入ったコップを震えるで持っている。

方通の鏡の向こうから、私はその姿を見ていた。

田所捜査官と黒田警部が向かいに座っている。隣には鈴の弁護士がいた。

田所は最初に尋ねた。

「何族を殺した」

は弁護士に目を向けた。

弁護士がさくうなずく。

「43族」

はかすれた声で言った。

計で、112です」

私は腹を殴られたような衝撃を受けた。

数字として聞くには、あまりにもすぎた。

112

親、子ども、祖父母。

すべてがのために消された。

「どうやってやった」

黒田警部が尋ねた。

はぽつぽつと話した。

自分が標を選んだこと。

良い保険に入っていて、れた域へで旅する族を探したこと。

その報を川署へ流したこと。

川の部が、交通違反や両点検を装って族をさせたこと。

族は警察官を疑わない。

その、彼らは森のの古いへ連れてかれた。

「そこで……」

は言葉を失った。

田所が淡々と言った。

広告

「殺された」

はうなずいた。

保険担当者の川正美は、数週に盗難または事故として請求を処理した。保険会社は支払い、は鈴川、川ので分けられた。

総額は約8億円。

私は吐き気を覚えた。

私の族の命は、彼らにとって保険請求の項目にすぎなかった。

「遺体はどこだ」

田所が図を広げた。

は震える指で、陥没穴からへ約30kmれたを指した。

川のです。古い林の先にあります。があって……」

私は拳を握り締めた。

族は、くに埋められていた。

翌朝、捜査隊は現へ向かった。

私も同した。

川のは、ほとんど崩れていた。腐った壁の柱と苔むした根の残骸。台と煙突だけが、折れた歯のように残っている。

法医学者の幸子博士が、レーダーで周囲を調べた。

「複数の異常があります。の遺体と致する能性があります」

発掘は慎められた。

昼過ぎ、布の断片がた。

あせた青い布。

母が発の朝に着ていたウィンドブレーカーを、私はした。

次に、さな属のジッパー。

そして午2頃、博士が静かに言った。

「骨があります」

私はそのち尽くした。

20族がどこかできているかもしれないと、希望に反して願ってきた。

だが今、から現れたものは、疑いようもないの証拠だった。

最初にたのは成女性の骨だった。

は162cmから168cm。

母は165cmだった。

次に、よりさく繊細な骨。

広告

おすすめ作品

リンクを共有

以下のリンクをコピーして友達と共有してください: