"夫と義姉の忌まわしい一夜" 第20話
彼らのには私のたい笑い声がいつまでも響き渡っていたことだろう。
スカッとする最の瞬。私の完全なる勝利の瞬だった。
あの壮絶な復讐劇からが過ぎた。季節は巡り、桜のがしいを祝うかのようににっている。
私は拓也たちからに入れたあのきなのにっていた。かつては佐藤の栄華を象徴し、私にとっては屈辱の所でしかなかったこの。しかし今は違う。表札には佐藤ではなく、私のしい姓であるという真しいプレートが掲げられている。
「み咲、終わったぞ。」のから父が笑顔でてきた。私たちはこのをかけて、このを私のしいの拠点へとまれ変わらせたのだ。
のはすっかり様変わりしていた。義母の悪趣な調度品は全て処分され、るい差しが差し込む温かみのある空になっている。
そしてその階部分は私のを形にした所へと姿を変えていた。訪問護ステーション。私がたにちげた事業所の名だ。
あの事件の、私は勤めていた総病院を自ら退職した。くの同僚から引き止められたが、私の決は固かった。組織ので誰かの指示を待つのではなく、私自の信じる護を必としているたちに届けたい。そうくうようになったのだ。
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父が法な続きや経営の面で全面にサポートしてくれ、かつての同僚たちのから私の理に共してくれた数名がスタッフとして集まってくれた。嵐さんもそのだ。
「み咲さん、オープンのお祝いたくさん届いてますよ。」エプロン姿の嵐さんが嬉しそうに報告してくれる。事業所の玄関には域のクリニックやかつてお世話になった患者さんたちから送られた祝や観葉植物が所狭しと並んでいた。
「ありがとう、嵐さん。みんな本当にありがたいね。」
私たちは域に根ざし、病気や障害で自宅療養を余儀なくされている方々の元へ毎訪問している。薬の管理や体のケアはもちろん、にはただそばにいて話を聞くだけのこともある。病院というきな組織ではできなかった、に寄り添った温かい護。それこそが私が本当にやりたかったことなのだと、今の底から実していた。
「しかし本当に良かったのか?あの 2 をこのにませたままで…」リビングでコーヒーをみながら父がし配そうに言った。
拓也と霊子は今もこのの階のを借りする形でみ続けている。もちろん私に毎相通りの賃を支払いながら。ともまともな職にはつけず、雇いのアルバイトでその暮らしの活を送っていると聞く。
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かつてのプライドは見るもなく、私と顔をわせるたびにビクビクと俯くだけだ。
彼らにとって、自分たちが見してきた元嫁がとなり、そのの主としてくのから謝されながら仕事をしている姿を毎見せつけられることは、ぬよりも辛い罰なのかもしれない。
私は穏やかに微笑んで答えた。
「いいのよ、父さん。もうどうでもいいの、あのたちのことなんて。」
私のから彼らへの憎しみはもう消えっていた。いや、正確に言えば、憎む価値もないほど私の興の対象かられてしまったのだ。今の私にはもっと切にしたい々、守りたい未来がある。
その、ステーションの話が鳴った。
「はい、訪問護ステーションです。ああ、み咲、鈴だけど、覚えてるかな?」
話の向こうから聞こえてきたのは懐かしい声だった。
「鈴先、ご無汰しています。」
鈴先はあの学病院の研究に異し、今は穏やかな々を送っているという。
「君がステーションをちげたと聞いてね。お祝いを言いたくて。」
「ありがとうございます。先もお元気そうで何よりです。」
い会話の、話を切ろうとしただった。
「み咲さん」鈴先がし改まった声で言った。「あのはすまなかった。そしてありがとう。」
その言葉のを私は黙って受け止めた。
彼もまたあの事件を通して何かから解き放たれ、しいを見つけたのかもしれない。
話を切った、私は窓のに目をやった。の柔らかな差しが庭のを優しく照らしている。
かつて私のは暗くたい箱のに閉じ込められていた。だが私は自らのでその箱を壊し、のへと歩きした。
もちろん私がしたことが全て正しかったとはわない。くのを傷つけ利用したことも事実だ。その罪は私が背負っていくのだろう。だが悔はしていない。あの獄のような々があったからこそ、今の私がある。の痛みが分かる、本当のでいになれたのだから。
「み咲さん、そろそろ午の訪問のですよ。」嵐さんのるい声が響く。
「うん、今く。」
私はを羽織り、訪問バッグをに取った。玄関のドアをけると、温かいのが私の頬を優しく撫でた。
しい朝、誰のためでもない、私自のためのしいの始まり。私は空を見げ、くく息を吸い込んだ。
その胸に満ちるのは希望と、そして穏やかな幸福。
さあ、こう。私を待ってくれているたちの元へ。私は確かな取り、未来へと踏みした。
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