"十五年の我慢、裏切った家族に裁きを" 第10話
私が反撃するための力な武器はこれで完全に揃った。
翌朝、私は誰にもき先を告げずを乗り継いで都内の法律事務所へと向かった。
そこで私を待っていた物が静かに机に置いた枚の類が、この歪んだ族を完全に崩壊させる最の切り札になるとは、このの夫たちはまだるよしもなかった。
都内の繁華からしれた静かな、緑が眩しい通りを歩きながら私は自分の取りが驚くほど軽いことに気がついていた。
15 、私のは常に鎖で繋がれているような覚だった。
しかし今、私ののには彼らの首に巻きつけるためのたくて鋭い鎖がしっかりと握られている。
古いけれど確かなのある雑居ビルの 4 階、そこにある法律事務所のな製のドアを押しけると、く古いとコーヒーのりが漂ってきた。
受付の女性に案内されて通された相談は無駄な装飾の切ない実務で落ち着いた空だった。
静かに回るエアコンの音が細やかに響いている。
「佐藤ゆみさんですね。お話で伺っております。」
こう言って静かにをげたのは 50 代半ばのベテラン弁護士、先だった。
髪混じりのショートヘアにのメガネをかけた穏やかな顔ちの物である。
昔からのの紹介で、婚問題や族トラブルにいと聞いて密かにこの事務所に連絡を取っていたのだ。
広告
「本はどのようなご相談でしょうか?お話ではご主の倫による婚についてと伺っていますが。」
先の穏やかな声に促され、私は膝のに置いていたきめのトートバッグをけた。
から取りしたのはさ 5 センチほどに膨れがった冊のクリアファイルである。
私はそれに傷つない事務机の央に両で静かに置いた。
「夫から正式に婚を切りされました。20 歳のが妊娠したから今すぐ別れてほしいと、座までされました。」
私の淡々とした言葉に先は細やかに眉を顰めた。
「20 歳のですか?ご主は 48 歳とお聞きしていますが、随分と齢差がありますね。」
「はい。そして夫は私をから追いし、このを売却してとしいマンションにむ計画をてているようです。さらに私の実の娘ではない、夫の連れ子の娘まで私に押し付けようとしています。」
私はを交えず、ただ事実だけを静に述べた。
そしてテーブルののクリアファイルを先の方へと押しした。
「ここに私がこのヶで集めた全ての証拠が入っています。」
先は無言でファイルを受け取り、ゆっくりとページをめくり始めた。
静かな内にの擦れる音だけが規則正しく響く。
最初のページにはあの 35 万円のネックレスの領収のカラーコピー。
広告
続いて夫の隠し座の通帳の全ページを撮した写真。
毎である鈴美という名義の座に活費が横流しされている履歴に、赤いマーカーで丁寧に印をつけてある。
「なるほど。ご主は活費を削ってこちらに貢いでいたわけですね。」
「はい。会社の業績が悪いという嘘を理由に私の活費を 10 万円も減らしていました。全ては自分のを養うための実でした。」
さらにページをめくると、夫との々しいメッセージのやり取りを撮した写真が何枚も続く。
そこには私をのかからない便利な事代と呼び、しい活を見るの勝な言葉がはっきりと残されている。
先のが止まったのは、娘と夫、そしてが裏で繋がっていることを示すメッセージの画面だった。
「これはご主の娘さんも倫相と直接連絡を取っているということですか?」
「ええ、娘は私が作った夕を写真に撮り、彼らに送って笑っていました。夫から価なブランドバッグを買ってもらうことを条件に、倫を隠蔽し、応援していたんです。」
その事実をにする、私の胸の奥が細やかに痛んだ。しかしもう涙はなかった。
裏切りのしみはすでにたい氷のような覚悟へと変わっていたからだ。
「最には今朝録音したばかりの義母の音声データが入った記録媒体もあります。
広告
おすすめ作品
-
完結第10話
隠し子を知っていた55歳妻
結婚30年。55歳の律子は、61歳の夫・正典から突然「好きな人がいる」と告げられる。相手は34歳の女性。そして2人の間には、3歳の男の子までいた。しかし律子は驚かなかった。「れん君でしょう? 1年前から知っていました」。夫の顔から血の気が引く。離婚届を差し出されても、律子は微笑んで「離婚しません」と拒否した。夫への愛が残っていたからではない。この1年間、弁護士への相談、財産や年金の確認、仕事探しまで、誰にも知られず自分の人生を立て直す準備をしていたからだ。30年間、自分の人生を夫の都合で決められてきた妻は、最後の別れの日だけは自分で選ぶと決めていた――夫婦|不倫1.4万字5 48 -
完結第13話
離婚後に生まれた息子
10年間の不妊治療の末、「子供もできなかった」と姑に責められ、夫・健一から離婚を告げられた38歳の由美。ところが離婚から2週間後、最後に受けた治療が実っていたことが判明する。由美は悩んだ末、元夫には知らせず、実家で1人の男の子を出産した。それから1か月。離婚から10か月後のある日、玄関に現れたのは健一と、彼が再婚する28歳の美香だった。「来月、結婚式をするんだ」と招待状を差し出そうとした健一。しかし、由美の腕に抱かれた赤ん坊を見た瞬間、その笑顔が消える。「その子……まさか俺の?」。10年間「子供を産めない妻」と責められ続けた由美の人生が、そこから大きく動き始める。夫婦|真相|修羅場2.0万字5 3701 -
完結第13話
閉じ込められた臨月の妻
妊娠38週、予定日まであと12日の加奈。夫が海外出張へ出た2日後、突然訪ねてきた義両親は「様子を見に来た」と言いながら、家事や学歴を責め続けた。そして義母に促され、家庭用サウナの中を確認しようと入った瞬間、背後で扉が閉まる。外側には南京錠。スマートフォンまで奪われた。「私たちから息子を奪った罰よ」。そう言い残し、義両親は5泊7日の温泉旅行へ出発した。水もなく、いつ陣痛が始まってもおかしくない密室。しかし加奈には、義両親が知らないことがあった。このサウナは、かつて一級建築士だった加奈自身が安全設計に関わった機種だった――。嫁姑|親子関係|修羅場2.0万字5 694 -
完結第12話
娘の結婚式で夫は愛人を新しい妻と紹介した
52歳の由美は、27年間連れ添った夫・剣一との夫婦関係がすでに壊れていることを知りながら、一人娘・美穂の結婚式までは何も起こさないと決めていた。ところが披露宴の最中、剣一は180人の招待客を前に、34歳の愛人・理香を「これからの妻になる人です」と紹介する。会場が凍りつき、娘が青ざめる中、由美は怒鳴りも泣きもせず、静かに立ち上がって拍手した。「あなたの本性を、私が説明する手間が省けました」。すると突然、新郎の父・誠が由美の前まで歩み寄り、深く頭を下げる。「これまで、本当によく耐えてこられました」。そして彼が口にした「準備はできています」という一言に、夫の表情が変わった――。人生逆転|不倫|熟年離婚1.8万字5 1080 -
完結第10話
ブラックカードを止めた10分後
結婚5年目、38歳の小百合は夫・拓也から離婚を突きつけられた。拓也が選んだのは、35歳の女医・玲子。「5年間も専業主婦で楽できたんだから十分だ」「これからは自分で稼げ」と笑う夫と義家族は、小百合を“1円も稼げない女”だと思い込んでいた。離婚届に判を押したその日、拓也は玲子を連れて両親との祝いの席へ向かう。小百合は何も言い返さず、玄関が閉まってから10分後、カード会社へ1本の電話をかけた。「家族カード3枚、すべて利用停止にしてください」。その夜、高級レストランで45万8000円の会計を前に、拓也一家が初めて知ることになる。自分たちが当然のように使っていた“豊かな生活”は、いったい誰のお金で成り立っていたのか――。人生逆転|夫婦|不倫1.5万字5 1689 -
完結第12話
面接官の誤算
夢だった大手企業の最終面接。 24歳の小館達郎は、人事の仕事に憧れ、努力を重ねてようやく最終面接までたどり着いた。だが、中央に座っていた人事部長は、彼の学歴や家庭環境を見下し、面接の途中で冷たく言い放つ。 「低学歴の貧乏人は、面接する必要なし。不採用で決まりだな」 母子家庭で育ち、必死に支えてくれた母への思いまで踏みにじられた達郎。悔しさをこらえながらも、彼はその場で言い返さず、静かに会社を後にした。 しかし1か月後、達郎は再び同じ会社へ呼び出される。 案内されたのは、あの日と同じビルの役員会議室。そこには人事部長の佐野、社長、そして達郎のよく知る一人の男が座っていた。 達郎の姿を見た瞬間、佐野の顔色が変わる。 あの日の「不採用」は、ただの終わりではなかった。 一人の応募者を見下した面接官が、会社全体に隠されていた問題を暴き出すきっかけになる――。真実|修羅場1.8万字5 471 -
完結第12話
団地に残された17通
毎朝5時、誰よりも早く団地へ来て、廊下も階段もごみ集積所も黙って掃除してきた61歳の藤本志津江。 13年間続けてきた仕事は、ある日突然、31世帯の署名によって終わりを告げられる。理由は「住民の生活をのぞいている」「勤務時間外に声をかけすぎる」というものだった。 志津江は反論しながらも、自分の善意が誰かにとっては重荷になっていたことを知る。 そして契約終了が決まった直後、清掃用具庫から見つかったのは、長年誰にも届かなかった17通の手紙だった。 その中には、15年前に団地で起きた火災と、当時責任を負わされた元管理人、そして亡くなった女性が残したはずの言葉が含まれていた。 志津江は本当に住民を見張っていたのか。 17通の手紙は、なぜ用具庫に残されていたのか。 そして、団地が長年隠してきた火災の真相とは――。因果応報|人生逆転|真実1.8万字5 383 -
完結第10話
父の葬儀の日_夫は愛人を車に乗せて去った
48歳の由美は、3年間ほぼ1人で父を介護し、78歳の父を見送った。ところが葬儀の帰り、20年連れ添った夫・浩司は、愛人と思われる女性を助手席に乗せたまま、喪服姿の由美を雨の駅前で車から降ろす。「俺だって1日付き合って疲れてるんだ」。由美は泣かず、父が亡くなる2日前に渡してくれた古い革鞄を開いた。中にあったのは、1通の手紙、弁護士の名刺、そして夫の会社に関する資料。手紙の最初には、「浩司君に、私の通帳も印鑑も渡してはいけない」と書かれていた。なぜ父は、娘の夫をそこまで警戒していたのか。由美は父が最後に残した手がかりを追い始める。夫婦|親不孝|金銭問題|修羅場|不倫1.5万字5 573 -
完結第6話
帰宅した夜、夫の嘘を知った
里帰り出産を終え、生後2ヶ月の息子を抱いてようやく自宅へ戻った美咲。夫・直人との3人暮らしが始まると思っていたその夜、隣人が突然玄関を叩いた。「毎晩毎晩、夜中までいい加減にしてください」。さらに「ご主人には前にも2回注意しました」と告げられ、美咲は耳を疑う。この2ヶ月、美咲は一度も家に帰っていない。では、隣人が何度も見かけた“妻らしき女性”は誰だったのか。問い詰められた直人は「会社の後輩が1度泊まっただけ」と説明するが、翌朝、隣人の証言によってその嘘も崩れ始める。出産のため家を離れていた2ヶ月間、自分の家庭で何が起きていたのか――美咲は静かに真実を確かめ始める。嫁姑|夫婦|不倫8.8千字5 1594