"蜂蜜先生の救命列車" 第10話
医者が選ぶのは、救う択だ」
話の向こうで、鷲尾が言葉を失った。
その、救急隊員の1がスマホをこちらに向けていることに気づいた。
「もしかして、配信しているんですか?」
隊員はし気まずそうにうなずいた。
「ええ。今話題の蜂蜜先の勇気あるに、称賛のコメントが次々届いています」
スマホ画面にはライブ配信が映っていた。
蜂蜜先だ。
お願い、受け入れてあげて。
何をびびってるんだ、救急センター。
コメントが流れ続けている。
松医院が特定され、病院には話が殺到しているらしかった。
しばらくして、話の向こうの鷲尾が折れた。
「分かった。この状況を何とかしてくれ。患者は受け入れる」
こうしては再び松医院の救急来から術へ直した。
俺は詳しく問診をした、急いで術着に着替えた。
鷲尾と共にう共同術。
診断通り、は虫垂炎を起こしていた。
俺は国境なき医師団で何度も経験してきた順で、速やかに術をめていく。
鷲尾は途から、ほとんど言葉を失っていた。
すべてが終わり、計を確認する。
幸い、軽症から等症の虫垂炎で、必以に体力を奪うことなく処置できた。
俺は袋をし、術をた。
廊のベンチに、鷲尾が座り込んでいた。
で顔を覆っている。
「具でも悪いんですか」
俺が声をかけると、鷲尾はくつぶやいた。
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「完敗だよ、蜂蜜先」
俺は眉をげた。
「勝ち負けの話ですか」
鷲尾は顔をげた。
「君を侮っていた。君の技量のでは、私の技量なんて子どもの遊びだ」
俺は静かに首を振った。
「鷲尾先。勝ちだの負けだの、そういうのをやめませんか。俺たちがしなければならないのは、患者を救うことです。それ以のはがありません」
鷲尾はいため息を吐いた。
「そののないに、私は囚われていたんだ」
彼はちがり、くをげた。
「この救急センターには、君の医療技術が必だ。どうか緊急医療指導を引き受けてほしい。正式な依頼だと考えてくれていい」
復帰してすぐに、このような待遇を受けることになるとはわなかった。
だが、俺はもう迷わなかった。
自分の功績などどうでもいい。
俺の技術が継承され、しでもくの患者が救われるなら、それはばしいことだ。
「分かりました。お引き受けします」
俺は鷲尾にを差しした。
「これで、俺たちのわだかまりもなしにしてもらえるとありがたいです」
鷲尾は俺のを握った。
「もちろんだ。これからはもっと謙虚な気持ちで、患者とも同僚とも向きう」
彼とは、最のバディになれそうだ。
それから3ヶが経過した。
俺は松医院の来と救急センターの双方で、救急責任者に就任していた。
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方都で救命医療が充実している所はくない。
俺がこの町にいることで、救急来を訪れた患者の命がしでもく助かればいい。
そう考えながら、毎に袖を通している。
松院はすっかり俺を頼りにするようになり、々元局のワイドショーにも演するようになった。
そのの紹介名は、やはり蜂蜜先だった。
SNSでの蜂蜜先の気も続いていた。
最初は、のに名もらぬ青が画を投稿したことから始まったさな騒ぎだった。
しかし今では、松医院が公式アカウントを作り、「蜂蜜先の今をきる方法」というタイトルで、応急処置や救急医療の識を発信している。
材のない所で、どう応急処置をするか。
血糖の、庭にあるもので何ができるか。
分補や症対策。
AEDの使い方。
そうした識を分かりやすく伝える画は、った以に反響があった。
俺は毎朝、自転で病院に通っている。
救急治療と来診療で、々は非常に忙しい。
それでも、は満たされていた。
あるの休憩、からメッセージが届いた。
俺はすぐに話をかけた。
は元気な声で言った。
「先、部活やめてきました」
「ずっと続けてきたことだろう。悔はないのか」
「全然。勉と部活を両できるほど、医へのは簡単じゃないとうから」
の声には迷いがなかった。
「お母さんを助けるためにも、国の医学部にく。
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