"赤い口紅と信託離婚" 第5話
俺は1枚ずついた。
そこに写っていたのは、俺のらないのり子の顔だった。
結婚40、夫婦として共してきた表のに、この笑顔はなかった。
おそらく学代ののり子の笑顔なのだろう。
俺が会う、岡崎拓也に向けていた顔。
その顔が、40の今、再び写真のに現れていた。
俺は矢田さんに「ありがとうございます」とだけ返し、原先へ写真を転送した。
数分、返信が届いた。
「証拠確定。婚調ルート」
その夜、のり子は何事もなかったように帰宅した。
「集まり、楽しかったわ」
「何くらい来てたの?」
「7くらいかな。ゼミの同期と輩と、みんな元気そうで」
俺はキャベツの千切りを伝いながら聞いた。
のり子は嘘をついていた。
だが俺は声のさを変えなかった。
夕、所斎に入り、写真を鍵付きフォルダへ保した。
メモにく。
「妻と岡崎、都内ホテルで交流。写真4枚。矢田探偵撮済み。原先へ転送済み。婚調、完全証拠ルート確定」
あとは、俺の定退職を待つだけだった。
曜の午、俺はを取り、青信託へ向かった。
応接には、族信託契約、公正証の類、退職の振込先変更類が並べられていた。
瀬良さんが類を1枚ずつ読みげる。
委託者、川週郎。
受託者、青信託。
受益者、川週郎の単独指定。
指図権者も、川週郎の単独指定。
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信託財産は退職2200万円と預の部500万円。
計2700万円。
信託期は終、または本の申してによる解除まで。
婚調成までは、信託財産の切の引きしが能。
「これで最終に、奥様が窓にお越しになっても、お引きしは能となります」
俺はすべての類に署名し、実印を押した。
公証の認証もそので完した。
「川様、契約締結、おめでとうございます」
瀬良さんの声は、いつもよりし穏やかだった。
これで、のり子が俺の退職に触れる余は消えた。
退職は1222に雫商事から信託座へ直接振り込まれ、共通座には1円も入らない。
契約を終えた俺は、そので産会社へ向かった。
居は都内の1LDK。
賃は15万円。
引っ越しは1222、午2から午5。
のり子がしている帯に、俺個の荷物だけを移す計画だった。
残すのは、のり子の荷物、共具、台所用品、活に必なもの。
俺の所斎だけは完全に空にする。
帰宅途、駅ののでが止まった。
毎、のり子の誕には束を買っていた。
40、度も欠かさなかった。
今はどうするか。
し考えて、俺はに入らず通り過ぎた。
その夜、卓でのり子は言った。
「今はあなたの定退職と私の誕がなるじゃない。特別なにしたいわね」
「そうだな」
「退職が入ったら、旅も計画しましょう」
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その瞬、俺のは完全にえきった。
のり子の言葉の主語は、もう「私たち」ではなかった。
実質に「私」だった。
誕の1週。
のり子は夕、リビングのソファへ俺を誘った。
卓には、豚の角煮、菜ののおひたし、里芋の煮物が並んでいた。どれも、のり子が昔から作ってきただった。
「ねえ、週郎。1222、どうお祝いする?」
「どうしようか」
「昼は学代のゼミ仲とランチ会があるの。から予定が入っていて。夜は2でお祝いしましょう」
「いいよ。夜は好きなを予約しておく」
のり子は笑った。
「退職が入ってから、旅も考えましょうね」
その言葉を聞いて、俺はちがった。
「ちょっと仕事の準備があるから、所斎にいるよ」
所斎でパソコンをく。
画面には、原先から送られてきた婚調申のドラフトが表示されていた。
ホテルでの密会写真。
岡崎のSNS。
LINE通の記録。
共通座からの審な。
岡崎の勤務先と所報。
俺は1つずつ証拠を添付した。
類が完成したのは夜11だった。
添付資料のリストは48ページに及んだ。
ファイル名を確認し、順序をえ、必な注釈を加える。経理で培った理の癖が、そのまま申にも反映された。
原先に送信すると、すぐに返信が来た。
「確認完。当午に内容証郵便を発送する。奥様への配達は夕方17の見込み」
のり子が帰宅し、の空洞に気づき、ダイニングテーブルのを読んだ直に、内容証が届く。
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