"赤い口紅と信託離婚" 第6話
すべての報が連鎖するように、段取りは組まれていた。
1222の朝。
俺は所斎で最の確認をした。
居の鍵。
公正証の写し。
引っ越し業者、矢田探偵、原先、瀬良さんへの連絡予定。
そして、のり子宛ての。
万のインクは、のり子が若い頃に買ってくれたのインクを使った。
1文字ずつ、丁寧にいた。
「のり子。半、打ちけてくれるのを待った」
それが、最初の1だった。
午2。
引っ越し業者が来る。
俺はスマホで関係者全員に送った。
「予定通り実します」
数分以内に、すべての返信が揃った。
俺はリビングに座り、40暮らしたを見渡した。
窓の。
壁の結婚式の写真。
のり子が置いた彫りの亀。
そこにあったのすべてが、静かに幕をろそうとしていた。
午2、引っ越し業者の沢さんたちが到着した。
作業員は4。
平の午の宅は静かで、通りにはなかった。
俺は反リストをに、作業員たちを案内した。
所斎の本棚。
経理関連籍約300冊。
俳句関連籍。
個の類。
父から譲られた腕計。
結婚の両親とのアルバム。
触れてはいけないものも確に伝えた。
のり子の類。
共具。
キッチン用品。
テレビ。
ソファ。
器棚。
のり子の常に必なものは、すべて残す。
俺のものだけが、から抜き取られていった。
所斎の本棚が空になり、デスクが解体され、子が運びされる。
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には、40机が置かれていた角い跡だけが残った。
午430分、作業はすべて終わった。
沢さんがをげる。
「ご指示通りのものを、すべて搬いたしました」
俺はのを確認した。
所斎は完全に空だった。
寝の俺のクローゼットも空になっていた。
だがのり子のものは、何ついていない。
俺の痕跡だけが、このから消えていた。
ダイニングテーブルに、3つのものを置く。
きの。
信託公正証の写し。
婚調申の写し。
の最には、こういた。
「君が自分で選んだを、これからもきてほしい」
封筒を閉じ、テーブルの央に置いた。
玄関で靴を履く。
ドアノブにをかけた瞬、度だけ振り返った。
40んだ。
玄関。
廊。
リビングの戸。
壁の結婚式の写真。
のり子がハワイ旅で買った彫りの亀。
すべてが、瞬だけ脳裏を横切った。
だが俺はを向き、ドアをけた。
閉まる音は、っていたよりさかった。
タクシーに乗って居へ向かう途、スマホが震えた。
瀬良さんからだった。
「本、奥様より朝10に本窓の予約が入りました。ご主様の退職の件とのことです」
俺はく返した。
「お任せします」
午5半。
居に着いた。
部にはまだ段ボールが積まれていたが、ベッドと本棚だけは組みてられていた。
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午6。
のり子がに戻る刻だった。
数分、LINEが届いた。
「週郎、が……」
俺は続きを読まなかった。
通を切り、スマホを伏せた。
のり子は午6過ぎ、都内のホテルから自宅へ戻った。
帰りのので、彼女は岡崎とのの余韻に浸っていたという。
ホテルの窓から見た夕焼け。
岡崎の腕のみ。
次に会う約束を軽くにした岡崎の声。
それらをい返しながら、のり子は玄関の鍵をけた。
ドアをけた瞬、の空気が違うことに気づいた。
靴箱のに、俺の靴がない。
廊の壁にかかっていたさな油絵もない。
「週郎?」
返事はない。
リビングに入ると、所斎のドアがいていた。
その奥には、完全な空が広がっていた。
本棚も、デスクも、子も、カメラもない。
には、机が置かれていた跡だけが残っていた。
テレビはある。
ソファもある。
のり子の類も、化粧品も、アルバムも、そのままだった。
だが俺の痕跡だけが、から消えていた。
ダイニングテーブルに、3つのものが置かれていた。
のり子は封筒をに取った。
震える指での便箋をく。
最初の1を読んだ瞬、息を呑んだ。
「のり子。半、打ちけてくれるのを待った」
半。
その言葉が、過のすべてを塗り替えた。
夫が優しくなったとっていた。
退職の旅を提案した。
夕を伝うようになった。
すべてをっていた。
りながら、打ちけるのを待っていた。
便箋には、事実だけがかれていた。
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