"赤い口紅と信託離婚" 第7話
同窓会の。
の変化。
共通座からの審な。
岡崎拓也との関係。
そして、退職2700万円が青信託の族信託に入り、受益者が俺1に指定されていること。
のり子がで引きしを試みても、拒否されること。
婚調を申してたこと。
今の連絡はすべて原先を通すこと。
のり子は子に崩れ落ちた。
テーブルのには、証拠の写しもあった。
ホテルの写真。
SNSの履歴。
審な記録。
付、刻、所、額。
すべてが並んでいた。
夫は見ていなかったのではない。
見ていた。
すべてを見たうえで、何も言わなかったのだ。
ドアベルが鳴った。
内容証郵便だった。
のり子はちがることができなかった。
配達員が数回ベルを鳴らし、封筒を郵便受けに入れてっていく。
のは、完全な静寂に戻った。
聞こえるのは、計の音と、のり子の泣く声だけだった。
翌朝10。
のり子は青信託の本窓にっていた。
眠れなかったのだろう。化粧はしていたが、目のには濃い隈があった。
受付で名乗ると、奥の応接に案内された。
そこに現れたのは、瀬良祐さんだった。
「奥様、本はお越しいただきありがとうございます。ご主様の案件を担当しております、瀬良と申します」
のり子は祈るように湯呑みを両で包んだ。
「主の退職が昨振り込まれる予定だったはずです。
広告
でも共通座には入っていません。確認したくて」
瀬良さんは資料を広げた。
「ご主様の退職は、昨の朝、当の族信託座に全額振り込まれております。計2700万円です」
のり子の顔から血の気が引いた。
「それを共通座に移していただけますか。私が引きす必があります」
瀬良さんは穏やかに首を横に振った。
「申し訳ございません。こちらは族信託契約に基づき、受益者として川週郎様お1が指定されております。奥様には引きし、及び運用指示の権限がございません」
「私は主の妻です。40連れ添った妻です。それでも引きせないのですか」
瀬良さんの声は変わらなかった。
「申し訳ございません。契約、奥様であっても引きしは能です」
のり子の指が震えた。
湯呑みを置こうとして元が狂い、茶がしこぼれた。
「主は、本当に私からすべてを取りげたんですね」
瀬良さんはしを乗りした。
「失礼ながら、ご主様は奥様から何も取りげてはおりません。ご自の退職をご自で管理する判断をされたということです」
その言葉は、責めではなかった。
ただの事実だった。
だからこそ、のり子にはく刺さった。
のでは、普通の午が続いていた。
隣の窓では、別の客が定期預の相談をしている。
子ども連れの母親が入を確認している。
広告
世界は何事もなく回っていた。
のり子だけが、そので崩れていた。
をた、のり子は駅のホームで岡崎にLINEを送った。
「拓也、話したいことがある。今会える?」
返信が来たのは夕方だった。
「悪い。今は仕事で無理。でもいい?」
以なら数秒で来ていた返信だった。
そのい文面に、これまでにはなかった距があった。
翌、駅のカフェで会った岡崎は、話を聞き終えると顔を曇らせた。
「じゃあ、退職はのり子のものにならないってこと?」
「調で財産分与を請求すれば、いずれは……」
「それ、何かかるの?」
岡崎はくため息をついた。
「正直、俺も銭に厳しいんだ。退職が今すぐ使えないなら、2の計画は難しいかもな」
のり子のが凍った。
「私たち、しいを始めようって言ったじゃない」
岡崎は目をわせなかった。
「悪い。しばらく会えなくなる」
そう言って席をった。
岡崎は、自分のコーヒー代すら払わずにっていった。
1週が過ぎた。
岡崎からの返信は途絶えた。
LINEは既読にもならず、話はすぐに留守番話へ切り替わった。
7目、のり子は岡崎の自宅マンションを訪ねた。
所は以、岡崎がLINEで共していたものだった。
インターホンを鳴らすと、画面越しにたのは50代半くらいの女性だった。
「どちら様ですか」
「あの、岡崎拓也さんのお宅ですよね。
私、拓也さんの友です」
数秒の沈黙の、女性はロックを解除した。
広告
おすすめ作品
-
完結第20話
家ごと消した母の反撃
七十一歳の美穂は、夫が入院している間、同居する長男夫婦から召使いのように扱われていた。生活費は一円も入れず、母の形見まで勝手に処分する二人。ある日、微熱で三分だけ横になった美穂に、長男嫁はワインを浴びせ、「帰るまでに掃除しておけ」と言い放つ。長男も笑うばかりだった。だが、黙って「はい」と答えた美穂には、二人の知らない計画があった。三日後、帰省先から戻った長男夫婦は、信じられない光景を目にする。嫁姑|親不孝|親子関係|金銭問題2.0万字5 569 -
完結第21話
車いすの恋人に請求された三万三千円の「迷惑料」
交通事故で車いす生活となった恋人・明菜と、もう一度穏やかな日常を取り戻そうとしていた聡。明菜の誕生日、二人は思い出のフレンチレストランを訪れる。しかし待っていたのは、食事時間の一方的な短縮と、三万三千円もの「迷惑料」だった。因果応報|人生逆転|真相|修羅場2.8万字5 508 -
完結第10話
すり替えた味噌汁
検事任官の最終面接を迎えた朝、神田玲奈は義母が自分の味噌汁に何かを混ぜる姿を目撃する。夫にも相談できないまま、玲奈は不審な味噌汁を密かに保管し、何食わぬ顔で食卓に戻った。同じ日、義妹の彩佳も三度目の教員採用試験に挑もうとしていた。玲奈が彩佳と味噌汁の椀を交換した瞬間、義母は血相を変えて叫び出す。嫁姑|第二の人生|金銭問題1.4万字5 18 -
完結第18話
「少しくらい困ればいい」母をSAに置き去りにした夫の本当の狙い
家族旅行の帰り道、夫の雅人は、足の悪い七十四歳の義母・澄江をサービスエリアに置き去りにした。「少しくらい困れば、次から早くなる」。息子まで夫に同調する中、妻は必死に母を捜す。ところが、母のバッグから見つかったのは、本人が知らない老人ホームの入居申込書だった。さらに、夫が管理していた母の預金、身に覚えのない介護記録、そして車内カメラに残された会話から、旅行そのものが仕組まれていた疑いが浮かび上がる。夫婦|親不孝|第二の人生|親子関係|金銭問題2.3万字5 926 -
完結第10話
残高ゼロの通帳
経理主任として働く三十九歳のゆきは、同居する義母から突然、給与明細を突きつけられる。「月四十万円も稼いでいるなら、通帳は私が管理するわ」。勝手に給料の使い道を決められ、夫に助けを求めても返ってきたのは「母さんに任せれば楽だろ」という言葉だった。ついに「嫌なら出ていけ」と言い放たれたゆきは、抵抗するどころか、笑顔で通帳を差し出す。しかし、その夜、彼女は誰にも知られず一つの手続きを済ませていた。嫁姑|夫婦|第二の人生|金銭問題1.5万字5 588 -
完結第18話
誤爆LINEの夜
結婚六年目。妻の明子に勧められ、出張前夜をホテルで過ごすことにした直人。ところがチェックイン直後、妻から「今日旦那いないから、いつもみたいにイチャイチャしよ♡」というLINEが届く。慌てて削除されたメッセージに不信感を抱いた直人は、何も知らないふりをして自宅へ戻る。夫婦|裡の顔|修羅場|不倫2.0万字5 661 -
完結第18話
出産の日に捨てられた私の逆転
身分を隠し、愛する夫との平凡な幸せを選んだスー・ジーイェン。 しかし出産を目前にした日、夫のティンフォンは別の妊婦に付き添い、破水した妻を病院で見捨てた。 「俺が戻るまで勝手に産むな」 助けを求めても冷たく突き放され、絶望の中で彼女が押したのは、七年前に父から渡された銀色のペンダントだった。 その五分後、病院の空気が一変する。 身寄りのない女だと見下されていた彼女には、誰も知らない秘密があった。 夫の裏切りから始まった悲劇は、やがて病院全体を揺るがす巨大な不正へとつながっていく――。夫婦|第二の人生|親子関係|修羅場|不倫2.1万字5 1720 -
完結第20話
正月に八人で来る嫁へ、家は売りました
68歳の頼子は、毎年正月になると、息子の嫁から大人数の宿泊や豪華な料理、お年玉まで当然のように押しつけられていた。 さらに嫁は、留守中に合鍵で侵入して宴会を開き、頼子の家を将来の相続財産として勝手に査定していた。息子も「家族だから」と妻をかばうだけだった。嫁姑|親不孝|第二の人生|ATM扱い|親子関係|金銭問題2.6万字5 6537