"スズメバチ事故の遺言" 第7話
松吉の苦しみをしでもらげるために。
けれどそれは、同に松吉の最をめる為でもあった。
その、田島は現を蜂による事故に見えるようえた。注射器は、松吉がに教えていた作業のの隠し所にしまった。
「710 松」とかれたメモは、松吉自が残したものだった。
万、田島に疑いがかかった、彼が1で罪を背負わなくて済むように。
あるいは、自分の最の覚悟を誰かにき残しておきたかったのか。
その本当のは、今となっては松吉にしか分からなかった。
田島はくをげた。
「私は、あれから8、ずっとこの罪を抱えてきてきました」
桑名はい、何も言えなかった。
ここにあったのは、欲やみによる殺ではなかった。
にゆく友の願いを断りきれなかった、1の老の苦しい選択だった。
桑名は田島の話を、事実として受け止めた。
法のでは、田島の為は見過ごすことのできないものだった。たとえ友の願いであっても、たとえ苦痛をらげるためであっても、の命の終わりをがめることは許されない。
田島自も、それを誰より分かっていた。
「私をどうなさっても構いません。覚悟はできています」
田島はそう言い、縁側でくをげた。
桑名はすぐには答えなかった。
庭の青葉が眩しくっていた。
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どこかで鶯が鳴いている。8、松吉が逝ったが、またづいていた。
刑事としての務め。
1のとしてのい。
その2つが、桑名の胸ので複雑に絡みっていた。
ここにいるのは、悪に駆られた犯罪者ではない。
にゆく友をにして、断ることも、救うこともできなかった老だった。
桑名はゆっくりちがった。
「田島さん。このことは、きちんとに報告します。それが私の務めです」
田島は静かにうなずいた。
桑名は続けた。
「ただ、あなたがどういういでこの8をきてきたか。それもありのままに伝えます」
田島はもう度、くをげた。
「ありがとうございます」
桑名と越は、田島のをにした。
帰り、2はしばらく何も話さなかった。初の田んぼの横を、老いた2が並んで歩いていく。稲は青く伸び、畦にはいが咲き、くのでは鶯が鳴いていた。
やがて越が、ぽつりと言った。
「松吉さんは、最まで娘さんのことをっていたんだな」
桑名は空を見げた。
「ああ。あのらしい最だったんだろう。自分の蜂と緒に逝ったんだ」
真相は、ようやくかされた。
しかし、それは誰かを断罪して終わるような、すっきりした解決ではなかった。
欲のための罪でも、みのための罪でもない。
にゆく友をにして、見殺しにもできず、救うこともできなかった。
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その苦しい選択が、8の「事故」の裏に隠されていた。
桑名はすべてを報告にまとめた。
松吉がい病を患っていたこと。
娘に負担をかけまいとして、蜂に刺されてんだことにしてほしいと田島に頼んだこと。
田島が何度も断りながら、結局その願いを断りきれなかったこと。
そして8、たった1で罪の識を抱えてきてきたこと。
桑名は、事実を1つも省かなかった。
同に、田島がどのようないでその8を過ごしてきたかも、丁寧にき添えた。
にこの話をった々の胸にも、ただ罪を裁くという言葉だけでは割り切れないいものが残った。
田島は逃げなかった。
隠れもしなかった。
自分のしたことを認め、静かにその結果を受け入れた。
桑名は最にもう度だけ、田島のを訪ねた。
田島は変わらず、町れの古いで1暮らしていた。庭の青葉はさらに濃くなり、もうすぐが来ようとしていた。
桑名はくを語らなかった。
ただ言った。
「田島さん。あなたは辛い約束を1で守り抜いた。それは違っていたかもしれない。けれど、松吉さんにとって、あなたは最まで番の友達だったんでしょう」
田島は静かに涙をこぼした。
い胸につかえていたものが、ようやくしだけりたような顔だった。
そして、まだ1つだけ残されているものがあった。
幸子の元にある、あの通のだった。
幸子は、父のをまだけられずにいた。
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