"霊場巡礼の嘘" 第5話
だが、それだけでは犯罪にならない。
残り3の座も同じだった。
本が直接来して引きし、藤堂が同していた。
捜査はき詰まりかけていた。
そんな、神は塩尻内の旅館でな話を聞いた。
旅館の主が、通りすがりに言った。
「あの修院の話ですよね。しに、1のおばあさんが甥御さんにを引かれててこられたと聞きましたよ」
「甥ですか」
「はい。京から来た甥御さんが、が怪しいと急いで迎えに来られたそうです」
神はその夜、眠れなかった。
翌朝、彼はその女性を訪ねた。
68歳の岡田文だった。京杉並区の甥のにを寄せていた。
神は静かに尋ねた。
「修院にいらした、おかしな点はありませんでしたか」
岡田はし考えた。
「おかしなことと言えるか分かりませんが、毎晩院先がずから薬茶を入れてくださったんです。それをむと、よく眠れました」
「薬茶ですか」
「ええ。体にいいと、皆さんんでいました。最初は良かったのですが、あるから度々がぼんやりするようになりまして」
神は帳にき留めた。
「どうしてられたんですか」
「甥が、私のがおかしいと言うんです。跡は私のものだけれど、内容が私らしくないと。配して迎えに来てくれました」
な証言だった。
だが、薬茶の現物はなかった。
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成分検査はできない。
神は最終に再び修院へ向かった。
今度は1だった。
午5頃、本で読経が終わるのを待ち、藤堂に最の確認をした。
「4の皆様がでおを引きされる、院先が同されましたね」
「はい。その通りです。ご齢のため、お1ではきづらかったので」
「引きしたおはどこへ」
「修院の庫に保管した、法座に振り込みました」
「領収はありますか」
「もちろんです」
事務で示された振込レシートは、付、額、振込先まで完璧に理されていた。
藤堂は静かに言った。
「刑事さん、私は悪いことをしていません。信者様方が自発に寄されたのです。私は頂いただけですよ」
神は藤堂をまっすぐ見た。
「本当にそれだけですか」
「はい。それだけです」
2はしばらく見つめった。
藤堂の目からは、何のも読み取れなかった。
まるで鏡を見ているようだった。
神はちがった。
「捜査はここで終します」
藤堂は玄関まで見送り、穏やかに礼した。
「お疲れ様でした、刑事さん」
神がに乗り込もうとした、建物の角から桐葉子が招きしているのが見えた。
彼はづいた。
「どうされましたか」
桐は周囲を見回し、さな声で言った。
「刑事さん、私、実はその……」
その瞬、建物のから藤堂の声が響いた。
「桐さん、夕の配膳の器は」
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桐の顔が真っ青になった。
「はい、今きます」
彼女は神を最にちらっと見て、に建物のへ入っていった。
神はその目を忘れられなかった。
恐れと罪悪が混じりった目だった。
しかし結局、彼女は話さなかった。
2000123。
事件は「証拠分により終結」とされた。
だが神の胸には疑問が残った。
老たちは本当に霊巡礼にたのか。
夜に響いた叫び声は、本当に野物の声だったのか。
桐葉子は、何を言おうとしていたのか。
答えをる者は誰もいなかった。
そして事件は、記録の奥へ沈んでいった。
2012228、午10。
塩尻警察署の話が鳴った。
当番の警察官が受話器を取ると、向こう側から震える女性の声が聞こえた。
「あの、通報したいことがあります」
「何を通報されますか」
「慈源修院です。13に消えた老たちのことです」
警察官は瞬、言葉を止めた。
「お名をお願いします」
女性はきく息を吐いた。
「桐葉子です。当、修院に配達で通っていました」
話は刑事課の岸田匠刑事につながれた。
39歳の岸田は、塩尻署に赴任して2目だった。
「桐葉子さんですね。どのようなご件でしょうか」
桐の声はさらに震えた。
「刑事さん、私は13、嘘をついてきてきました。もうこれ以は耐えられません」
「落ち着いてお話しください。
どんな嘘ですか」
「1999に消えた老たちです。あの方々、巡礼にはっていないんです」
岸田の表が固まった。
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