"消えた花嫁の名札" 第13話
「これは偶発ではありません。被告は被害者を病院の倉庫という特定の所にあらかじめ呼びしました。被害者が個ロッカーに残した自メモには、『今は病院の倉庫の方へ来いという。理由は分からないが、なんだか怖い』とあります。被害者自が危険をじていたというです」
さらに検察官は、遺体隠匿の緻密さを指摘した。
「被告は当められていた改修事の仮設枠の狭い空を利用し、翌のコンクリート塗りによって遺体を建物の壁内に封印しました。これは偶発な事故に対する事対応とは到底見なせません」
そして、財産の流れ。
「被告は失踪3週、信用組の窓で失踪宣告の続きを問いわせています。失踪宣告が確定した2006以、被害者名義の定期預2500万円は被告へ移りました。訪問護ステーションの業、再婚、別荘の借用、会員制クラブへの入り。これらは、犯のと結果の双方を裏付けるものです」
法廷はしばらく沈黙した。
その、裁判は遺族による見陳述を認めた。
阪千鶴が証言台にった。
彼女はにしていたい菊のびらを1枚だけ静かに見つめた、マイクのへんだ。
「美緒はね、さい頃から笑顔が綺麗な子でした。病院では、子どもたちが美緒が来ると泣かなくなると言われていたそうです」
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声は震えていたが、崩れてはいなかった。
「私は毎613になると、世田の軒茶のアパート跡にい菊を置いて、空を見げました。美緒、おばさんが来たよ。今も来たよ。その言葉を8、言い続けました」
法廷の空気がさらにくなった。
「けれど美緒は、その8ずっと病院ののコンクリートの壁の裏にいました。私がい菊を供えた所から、でしったその病院のに」
傍聴席のあちこちから、いすすり泣きが漏れた。
織はそれでも顔をげなかった。
次に、加茂が参考として証言台にった。
彼は黒革の帳を両で持ち、淡々とした声で朗読した。
「1999614午947分、届け受付。同午1、軒茶205号の見分。玄関の靴箱にい通勤用スニーカーを確認。洗面台にコンタクトレンズケース及び鏡を確認。流し台に2分の器を確認。623、3回目の聴取で、勤務と答えた、私に修正。カーディガンの名札について言及」
朗読はかった。
けれどそのい朗読のに、8分の執が収められていた。
法廷の計は、いつしか午3を回っていた。
2008725午10。
同じ京方裁判所302号法廷で、判決公判がかれた。
そのは朝からい差しが照りつけ、法廷の窓のでは蝉の声がく鳴っていた。傍聴席には回よりもくのが集まっていた。
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事件はすでに聞やテレビできく報じられており、「5000万円スクラッチくじ姉妹事件」という見しで世の注目を集めていた。
列には、阪千鶴が座っていた。
膝のには、今もい菊の束があった。
その隣には加茂がいた。彼は黒革の帳を持っていなかった。帳は内ポケットの奥にしまわれている。今は、読むためではなく、見届けるために来ていた。
午10、裁判官が入廷した。
織は被告席にった。回よりもさらに頬がこけ、髪はく、顔は青かった。それでも姿勢だけは自然なほどっていた。
裁判が判決文を読み始めた。
「被告苅田織は、1999613夕方、実妹苅田美緒を病院の倉庫にあらかじめ呼びした」
法廷内が静まり返る。
「通帳の返却をめぐる論の最、被告は被害者をセメント階段の角の方へく押した。被害者が識を失った、被告は救急措置を取ることができたにもかかわらず、これを怠った。これは未必の殺と認められる」
織の指が、膝のでわずかにいた。
裁判は続けた。
「その、被告は改修事の仮設枠に被害者の遺体を隠した。失踪宣告の続きを利用し、被害者名義の預2500万円を取得し、これを基盤に事業の拡張、再婚、別荘の借用など個利益を図った」
検察官も弁護士も、かなかった。
「犯の計画性、遺体隠匿方法の緻密さ、8に及ぶ隠匿期、唯の肉親である叔母に与えた回復能な精神苦痛を総に考慮する」
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