"弁当箱の中の復讐" 第4話
ゆりえがまれてから、私はずっと彼女の世話をしてきてきた。では、これから私はどうやってきていけばいいのだろう。
娘のいなかった頃の活が、もういせなかった。
葬儀の、私はそんなことばかりを考えていた。涙は止まらず、喉は乾いているはずなのに、み物が欲しいという覚すらなかった。
「母さん、丈夫?」
男の久が、配そうに私の肩にを置いた。
私は顔をげた。久の目元も赤かった。けれど、彼は私よりずっとしっかりして見えた。
「ちょっと休憩してこいよ」
そう言って、久は私に200円を渡した。
「今ならしあるから、み物でも買って、ゆっくりしておいで」
えば、ゆりえが病院に運ばれてから葬儀に至るまで、私はほとんど何もべていなかった。み物も同じだった。議と欲しいとう覚がなく、自分の体能がきることを放棄しているような気さえしていた。
息子には、私の喪失もお見通しだったのだろう。
なんだか恥ずかしい気持ちを抱きながら、私は200円を握りしめ、自販のある休憩へ向かった。
娘をきっちり送りすためにも、私がしっかりしないと。
そう自分に言い聞かせながら廊を歩いた。
その、休憩横の喫煙所で、美のろ姿を見つけた。
黒い喪のまま、彼女はスマートフォンをに当てていた。
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煙のい煙が、ゆらゆらと彼女の顔の横を流れている。
そういえば、ご所から言われたゴミや町内会の苦を、まだ伝えていなかった。
今は葬儀だ。落ち着いてからでもいい。けれど、気分転換にし世話でもしてもらえたら、気持ちが紛れるかもしれない。
私は声をかけようと、歩づいた。
そのだった。
「ああ、そうそう。今、葬儀。せっかくの休みだったのに潰れちゃって、マジ最悪だよ」
が止まった。
美の声は、葬儀には似つかわしくないほどるかった。
「しいとかないって。義理の妹だし、寝たきりだったんだよ? 話したこともないのに、そんな気持ちにならないよ」
私はわず壁のにを隠した。
聞いてはいけないものを聞いている。
そうったのに、がかなかった。
「むしろさ、義理の妹とはいえ、ぶっちゃけ迷惑だったんだよね。部に寝たきりで、体がなんか汚いし、見た目も気持ち悪くて、マジで目の毒」
息が止まった。
「ゆりえがいるせいで姑と同居とかになってさ。田舎のしきたりみたいなの押し付けられて、町内会とかやらされるし、マジで都会から来るんじゃなかった」
喫煙所ので、美はなおも笑っていた。
「まあ、そのうち姑もくたばるだろうし、そしたら面倒事も消えるだろうけどね。しょぼそうだけど遺産もあるだろうし。
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そう考えたら、やっぱあたし勝ち組なのかな」
のが真っになった。
私の娘の葬儀で。
くなったばかりのゆりえをにして。
この女は、こんなことを言って笑っている。
その、話の向こうの相が何か言ったのだろう。美はさらに声を弾ませた。
「えっ、介護伝ったなら偉いって? そんなわけないじゃん。姑とか旦がいるでは伝って見せとけば、あとは適当よ、適当」
ゲラゲラと笑う声が、私のに突き刺さった。
私はその瞬、りと恐怖と疑で全がえた。
私たちがいないは適当。
それは、どういうなのか。
もしかして、私が帰ってきた直にゆりえが調子を崩してくなったのは、美が様子をきちんと見ていなかったからではないのか。
瞬、そんな能性が脳裏をよぎった。
けれど答えはなかった。
娘の最終な因は全だった。ゆりえはもともと臓がく、くなる直は邪もひいていた。医師も、邪で体力が落ちており、すべての因が因のようなものだと言っていた。
いつくなってもおかしくない状態だった。
それは分かっている。
それでも、もし介護を適切にしてくれていたなら。
もし美が本当に見守ってくれていたなら。
こんなことにはならなかったのではないか。
その考えが、かられなかった。
美が憎くて、憎くて、仕方なかった。
許さない。
いや、許せない。
絶対に復讐してやる。
私はそので、娘の骸に誓った。
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