"弁当箱の中の復讐" 第5話
葬儀が終わってからの1ヶ、私は表面はいつも通り美との交流を続けた。
復讐をするには、私が彼女を疑っていると悟られてはいけない。
だから私は、以と同じように笑った。お茶を淹れてくれれば礼を言い、掃除をしてくれれば助かったわと微笑んだ。美もいつも通りの顔で接してきた。
ただし、ゴミの件だけは軽く注した。
「美さん、所の方から聞いたのだけど、ゴミにネットをかけ忘れているみたいなの。カラスに荒らされると変だから、気をつけてくれる?」
美は瞬だけ目を伏せた、申し訳なさそうな顔を作った。
「あ、すみません。ネットの使い方をらなくて」
その瞬、ので私は呟いた。
嘘つき。
所のから再注されているはずだ。町内会のことも、タバコのことも、私は聞いている。
けれどそのでは、理解のある姑を演じた。
「そうだったのなら仕方ないわね。これから気をつけてね」
美はしたように笑った。
その笑顔を見て、私は決を固めた。
この笑顔を許すのは、今までだ。
娘がくなってからの1ヶ、私は「ゆりえの世話がなくなって持ち無汰だから、お弁当を作らせてほしい」と言って、久と美の分のお弁当を作っていた。
久は最初、私を配した。
「無理しなくていいよ、母さん」
「いいのよ。
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何かしていないと落ち着かないの」
私はそう答えた。
実際、何かをかしていないと、娘のいない部の静けさに押しつぶされそうだった。けれど、本当の目は別にあった。
美を油断させるためだ。
最初の数週は、普通のお弁当を渡した。卵焼き、煮物、唐揚げ、炊き込みご飯。美は毎朝、にこにこしながら受け取った。
「お母さんのお弁当、本当に助かります」
その声は甘かった。
そして、決の。
私は美の分だけ、空の弁当箱にボイスレコーダーを仕込んだ。弁当箱をかしたにガチャガチャと音がすると困るので、には丁寧に発泡スチロールを敷き詰めた。さもお弁当らしくなるように調した。
ぱっと見ただけでは、何の違もない。
私はその弁当箱を、美に渡した。
「今はし軽めにしておいたわ」
「ありがとうございます」
美は疑うこともなく、それを会社へ持ってった。
ボイスレコーダーには、ある音声を仕込んであった。再ボタンを押すと、すぐに美の楽しそうな声が流れるようにしていた。
「社、マジ臭いんだけど」
その言が、最初に流れるように。
万が、美がすぐに再を止めたとしても、周囲に「今の何?」とってもらうためだった。
案の定、そのの午、美は息を切らせて帰宅した。
玄関のドアが荒々しくき、廊を駆ける音がした。
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私はリビングでお茶をみながら、静かに待っていた。
「お母さん、これは何ですか!」
美はにボイスレコーダーを握りしめ、顔を青ざめさせてっていた。
私は微笑んだ。
「あら、どうしたの? 帰るのがいわね」
「誰のせいで! なんでお弁当箱にボイスレコーダーなんか入ってるんですか!」
「午からの仕事が楽しくなるかなとったのよ。で、再したの?」
「しましたよ! あんなもの入ってたらが分からないんだから、録音内容が気になるに決まってるでしょう!」
美は声を荒げた。
私は「そう」とく返した。
つい元が緩みそうになるのを、湯呑みで隠した。
どうやら計画はうまくいったらしい。
美は弁当箱ののボイスレコーダーに気づき、わず再した。そして、最初に流れた「社、マジ臭いんだけど」という自分の声を聞いて慌てて止めた。
しかし、真ろにいた社にその決定な部分を聞かれてしまったようだった。
さらに、ボイスレコーダーは社に取りげられ、そので全て再されてしまったという。
計画通りだった。
「いつ録ったんですか。私が司の満を言ってる音声なんて」
美は私を睨みつけた。
私は湯呑みを置き、ゆっくり顔をげた。
「あら、結構頻繁にお友達に話しているみたいだから、見張っていたら割といつでも録音できたわ。
あなたって、裏表がすごいのね」
そう。
この1ヶ、私は美が友と話をしているを見計らい、できる限りその内容を録音していた。
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