"弁当箱の中の復讐" 第6話
久には秘密でやっていたので、美が平に仕事を休んでいるなど限られた会ではあったが、彼女は毎回、話をしていた。
しかも、品のない悪と暴言の連続だった。
度の話だけでも、分すぎるほどの材料が集まった。
そので最も美がヒートアップし、言いたい放題だったの録音データを弁当箱に仕込んだ。
その話で、美は職の社、直属の司、そして例のお局の悪を1半く語っていた。
内容はひどかった。
社は加齢臭がきつくて、仕事を指導されても集できない。たまたま今の会社の事業が当たっただけで、才能があるわけでもない。もうだからきる価値がない。
直属の司の奥様は顔が悪い。あんなを嫁にするなんて、よほど結婚したかったのだろう。奥さんも焦っていたのだろうし、負け組同士だ。
お局はしわだらけで太り、その独。今のは終わったも同然。あんなを送るくらいなら、きていない方がまし。
聞いているだけで、のことは放っておきなさいと言いたくなるような、暴言のオンパレードだった。
しかも美は、表面は仕事をきちんとしているように見せていたが、請けのなどには傍若無に振るっていたようだ。それを見かねたお局が、「挨拶をしなさい」
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「敬語で話しなさい」と注していた。
本はそのたび、「疲れていて」「聞こえませんでした」「気づきませんでした」と、あのこのでかわしていたようだが、お局には通用しなかったのだろう。
美の会社は、2の女性事務員以はすべて男性だった。もちろんお局は、美にとって唯の女性の司であり、女同士だからこそ美の猫かぶりを見抜いたのだ。
美自もそれを分かっていたから、お局を目の敵にしていた。
男性社員たちは、猫をかぶった美を全面に信用しており、既婚者とはいえ、ちょっとした気もあったようだった。まんまと自分の惑通りになった男の友に気を許したのか、あのような悪が次々とてきたのである。
にも、請けへの悪や、同僚への侮辱など、聞くに堪えない言葉が延々と続いていた。
その音声を、私は弁当箱に入れた。
美は唇を震わせていた。
「信じられない。私が何をしたって言うんですか。裏表くらい誰だってあるでしょう。お母さんのせいで、私、しばらく会社に来るなって言われたんですよ。どうしてくれるんですか」
私は静に答えた。
「社の悪を言ったり、丁寧に教えてくれている何の罪もない司の奥さんを侮辱したりするとは、誰だって緒に働きたくないでしょう。自業自得じゃない」
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「だから何でそれが自業自得になるんですか。愚痴を言っただけじゃないですか」
私は美を真っ直ぐ見た。
「そうやってあなたは、ゆりえの葬儀のもお友達に言っていたわね。義理の妹だけど、汚くて気持ち悪くて、迷惑だったって」
その瞬、美の表が張った。
顔が、みるみるうちに青くなっていく。
「らないとった? あの、本当は私、すぐそばにいたのよ。あまりにひどいことを言っているから、つい隠れてしまったけどね」
美はをいたまま、何も言えなくなった。
私は静かに続けた。
「あれはそういうじゃなかった、とでも言い訳するつもり? それなら、ゆりえの介護を適当にしていたっていうのも、何かいがあったりするのかしら」
私が睨みつけると、美はそのに凍りついた。
「娘の介護を適当にされたんだもの。あなたのお昼ご飯のお世話を、母親の私が適当にしたって罰は当たらないでしょう」
私はそう言った。
美はボイスレコーダーを握りしめたまま、唇を震わせていた。
「あなたの方が、よっぽどひどい“適当”だものね」
すると、美はようやく言葉を取り戻したように声をげた。
「別に、私にゆりえちゃんの介護義務はありません。介護しないからって文句を言われたり、こんな目に遭わされる理由はないはずです」
私はゆっくり頷いた。
「ええ、そうよ。あなたにゆりえの介護義務なんて切ない」
美の顔に、ほんのしだけ勝ち誇ったようなが浮かんだ。
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